堀未央奈の魅力を考える|『ホットギミック』公開に寄せて

(C) 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

2019年6月28日より公開されている映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』で映画初主演を務めている乃木坂46の堀未央奈。現在は乃木坂46の主要メンバーとして活躍する傍ら、ソロ写真集やラジオパーソナリティー等々個人活動も増加しており、映画の主演を通じて堀未央奈自身の注目度が上がることは間違いない。

また堀未央奈といえば、まだ加入後間もない乃木坂46二期生メンバーにも関わらず、二期生初の選抜入りセンターを任されるとファンの間では不遇と言われている二期生の中でも期待の眼差しが向けられていたメンバーである。

今回、映画初主演という堀未央奈にとって新たな門出を祝福すべく、改めて堀未央奈の魅力と『ホットギミック ガールミーツボーイ』について紹介したい。

1:堀未央奈とは?

1996年10月15日(22歳)生まれ岐阜県出身の堀未央奈は、2013年3月にオーディションに合格、乃木坂46の2期生メンバーのひとりとして加入。同年に開催された『16人のプリンシパル deux』昼公演にて初お披露目がなされた。

乃木坂46の2期生はこれ以降メディア露出がほとんどない状態が続いていたが、10月6日に放送された冠番組「乃木坂って、どこ?」内で7thシングル選抜発表が行われ、センターに当時まだ研究生という立ち位置で番組を見学していた2期生・堀未央奈が抜擢された。と同時に2期生で唯一正規メンバーに昇格を果たした。その後は、NHK Eテレ「Rの法則」に若月佑美、齋藤飛鳥に続き、5期メンバーとして出演し、活躍の場を広げていった。

バレッタ TypeD

堀未央奈がセンターを務めた「バレッタ」以降乃木坂46の選抜メンバーとして不動の地位を築きあげていたが、2015年7月にリリースされた「太陽ノック」で初の選抜落ちを経験、次作「今、話したい誰かがいる」でも選抜に呼ばれることはなく苦渋を味わった。

しかし、その後の活躍は目まぐるしく「レコメン!」の水曜日レギュラー就任、2017年6月号からはファッション誌『ar』のレギュラーモデルとしても活躍、11月には初のソロ写真集「君らしさ」が発売された。そして現在乃木坂46においても独特で捉えどころのないキャラクターと抜群の透明感を放つその容姿を長所に個性を発揮し、乃木坂46の主要メンバーとして欠かせない存在になっている。

堀 未央奈1st写真集 君らしさ

2:異例のセンター抜擢と苦悩

乃木坂46の2期生は3期、4期と比べて「不遇」と語られることも多く、正規メンバー加入に至るまで時間を要したメンバーも多くいた。それをもって早々と唯一センターを経験した堀未央奈を2期生の中で恵まれた存在だと評するのは軽薄ではないだろうか。もちろん、自らの境遇に満足することなく自らの手で勝ち取った2期生メンバーの苦労や努力は計り知れないものがあることは言うまでもない。しかし、堀未央奈が辿ってきた「恵まれた」とされるシンデレラストーリーでさえも、それはあくまでも表層的なある一面を捉えたものに過ぎない。前置きが長くなってしまったが、堀未央奈もまたイバラの道を歩んできたということだ。

堀未央奈は7thシングル「バレッタ」で生駒里奈、白石麻衣に続く3人目のセンターに抜擢されたが、誰もが予想だにしなかった選定に1期生メンバーの中には涙を流すメンバーや動揺して唖然としているメンバーと選抜発表が行われたスタジオは異色な空間に包まれた。

当時の2期生の状況といえば、前述の通りスポットライトがあたる機会はなく「乃木坂って、どこ?」への出演も数えるほどしかなかった。恐らく番組を見ていた多くのファンの方はこれまで5枚のセンターを務めてきた生駒里奈や前作「ガールズルール」でセンターの白石麻衣が務めると予想が大半だったように思う。そのような中知名度も経験もまだ浅い2期生メンバーの堀未央奈に次期センターとして「白羽の矢」がたったのだ。堀未央奈がセンターに抜擢された2013年は乃木坂46が結成されてからまだ2年余りと地に足も付いていない状態であり、1期生メンバーにとってこの状況を受け入れるだけの度量を期待することは難しかったはずだ。堀未央奈はセンターというプレッシャーに苦悩していたこともあったのだという。そんな中、堀未央奈に救いの手を差し伸べたメンバーが1作目から5作目までセンター経験者で乃木坂の顔でもあった生駒里奈であると、堀未央奈はブログで思いを語っている。

「私がセンターになった時 経験も知名度も人気も実力も何もない私を簡単に受け入れられるはずがないのに 生駒さんは1番に話しかけてきてくださったこと 心配しないで 守るからって言ってくださったことずっと忘れません」
堀未央奈公式ブログより引用

生駒里奈をはじめとする乃木坂46メンバーの支えもあり、「バレッタ」では趣向を凝らしたMVで存在感を発揮し、乃木坂46の次期エースとも期待される存在にまで駆け上がった。

続く「気づいたら片想い」では一列目のフロント、「夏のFree&Easy」「何度目の青空か?」、「命は美しい」では3列目として選抜入りを果す一方で「太陽ノック」「今、話したい誰かがいる」ではアンダーを経験。

順風満帆にいくかと思われたが、約1年半でセンターからアンダーを行き来することとなった。この期間堀未央奈は「ポジションと自分の実力があんまり伴ってない」と感じていたという。乃木坂初のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』では、母親による「最初だけセンターであとは落ちていく一方だった」という印象的な言葉とともにより詳細に当時の思いが語られた。

悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46

落ちていく自分、本当の自分と世間が抱くイメージとの間で葛藤していたというエピソードが重くのしかかってくる。この期間は堀未央奈の間で乃木坂46を辞めるという選択肢も浮かんでいたそうだが、堀未央奈はそれを選ばなかった。チャームポイントに上げていたロングヘアからショートヘアと髪型を変え決意も新たに乃木坂46に残ることを選んだ堀未央奈の乃木坂46への人一倍強い思いを感じる。

堀未央奈は後にアンダーのセンターとして引っ張っていった経験が現在の野心に繋がっていると語っているように選抜に復帰後は良い意味で吹っ切れたかのような印象を受ける。「乃木坂工事中」などでも独特なキャラを存分に発揮し、捉えどころのない個性としてメンバー、ファンからも愛されるキャラにまでのしあがってきた。今後の乃木坂を牽引する立場として、自らの経験を後輩達へ伝える重要な役割を担う存在としても期待したい。

3:堀未央奈というキャラクター

堀未央奈といえば、映画好き、画伯、ファンにはお馴染みのギャグ「箸くん」など様々な一面を持っていることも魅力だ。例えば、映画好きとしても知られている堀未央奈は、月に4回映画館を訪れるほど大の映画好き。怖い話は嫌いだと語る堀未央奈が、好きなジャンルに上げているのがホラー映画で、「乃木坂って、どこ?」でも「バイオハザード大好きアイドル」としてバイオハザードの魅力を熱弁していた。バイオハザード以外にもスプラッター映画が好きな堀未央奈。スプラッター映画の見所とも言えるグロテスクなシーンの血が好きなのだそうだ。これを受けて映画『キョンシー』応援大使任命や『ブルーレイ大賞』アンバサダーへの選出など映画関係の仕事も増えており、映画好きアイドルとして映画の魅力を発信している。

また、これまでの堀未央奈のイメージを覆したギャグに「箸くん」がある。元々箸くんは元乃木坂46の若月佑美が「乃木坂工事中」内で披露したギャグだ。若月佑美がそのギャグを披露したところ、司会のバナナマンから日村の変顔と合わせて披露するよう無茶振りを受けた堀未央奈が無茶振りに答えスタジオの笑いを誘った。この堀未央奈のあまりにも全力過ぎる変顔と天然ぶりがうけて、若月佑美が卒業時には2代目後継者に選ばれた。今年2月に開催された『7th YEAR BIRTHDAY LIVE』でこの箸くんを披露し2代目後継者としての役割を全うしていた。ギャグセンスの高さが垣間見られる堀未央奈らしい一面と言えるだろう。

他にも堀未央奈には常人離れした芸術的な絵を描くことから生田絵梨花と合わせて画伯と呼ばれている。あまりにも個性的な画風にメンバーも衝撃を受けるほどの出来だ。その画力が注目され「アメトーーク」の企画「絵心ない芸人」にも出演し、多くの芸人たちを翻弄していた。このように見た目からは想像できないギャップに堀未央奈の魅力が詰まっているということかもしれない。

4:堀未央奈と『ホットギミック ガールミーツボーイ』

『溺れるナイフ』や『21世紀の女の子』といった青春映画を手掛けてきた山戸結希監督による最新作『ホットギミック ガールミーツボーイ』が2019年6月28日より公開されている。

(C) 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

本作は2000年に『Betsucomi』にて掲載された相原実貴の『ホットギミック』が原作となっており、思春期の少女を描き出すことに定評のある山戸監督によって実写映画化がなされた。主人公である成田初演じる堀未央奈のほか、橘亮輝役の清水尋也、小田切梓役の板垣瑞生、成田凌役の間宮祥太朗ら若手俳優が集結。さらには反町隆史や吉岡里帆といった実力派俳優ら」が青春映画に華を添えている。

山戸監督はこれまで乃木坂46の「ごめんね ずっと…」や「ハルジオンが咲く頃」のMVを製作した経緯もあり、映画を製作するにあたり監督自ら出演を提案したそう。映画の撮影にあたっては堀未央奈と山戸監督は綿密な話し合いを行なわれたそうで堀未央奈の女優としての第一歩を監督と共に歩んできたことが伺える。

堀未央奈演じる成田初は、恋愛をしたことがなく自分に自信がない引っ込み思案な役柄だ。堀未央奈は演じるにあたり、以前仕事を共にした「ハルジオンが咲く頃」のMV撮影時の自分と成田初の置かれた状況や感情のひとつひとつに共通点を見つけ演じることを心がけたという。加えて、キラキラと装飾が施されたアイドル像から脱しより普通の女子高生である成田初に近づくため堀未央奈はすっぴんに近い形で撮影に臨んでいるそうだ。苦悩を乗り越え自身の殻を破り新たなスタートを切った22歳の堀未央奈だからこそ、当時の状況と演じる役柄を客観的に見ることができていると考えるとこの役柄はぴったりなのではないかとさえ思えてくる。

自分はどうしたいのか、どうすべきなのかと自分の感情すらも掴めない青春時代の葛藤が堀未央奈の繊細な演技によって浮かび上がってきた。山戸監督による豊かな映像美と音楽によってスクリーンに映し出される堀未央奈は確かに成田初として存在していた。

(C) 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

5:映画初主演に見る堀未央奈への期待

齋藤飛鳥が『あの頃、君を追いかけた』で映画初出演に続き、堀未央奈も『ホットギミック ガールミーツボーイ』でスクリーンデビューを果たした。

 (C)『あの頃、君を追いかけた』フィルムパートナーズ

『あの頃、君を追いかけた』

10月4日に公開が予定されている『東京ワイン会ピープル』では松村沙友理が初主演ということも発表され、乃木坂46のメンバーが映画に出演する機会が増加してきている。そんな中堀未央奈に期待されているのは乃木坂46への影響である。センターに抜擢された6年前は次世代のセンターとも期待されていたが、世間とのギャップに苦しみ殻を破ることができなかった過去を経て、堀未央奈は今紛れもなく乃木坂46に必要な存在にまで成長している。

また、『あの頃、君を追いかけた』で初出演を果たした齋藤飛鳥も堀未央奈と同様に注目されるまでに受難の日々を経験してきたメンバーだ。しかし、「裸足でSummer」「いつかできるから今日できる(西野七瀬とのWセンター)」「ジコチューで行こう!」に続き最新作「Sing Out!」でも4作目となるセンターとして活躍し、乃木坂46の顔として今や欠かせない存在になっている。

□関連記事:乃木坂46 齋藤飛鳥の魅力とは?|その活躍に迫る

堀未央奈も幾度もの困難を乗り越えて自らの手で勝ち取ったのが今回の映画初主演だ。乃木坂46でもう一度センターに立ってほしいというファンとしての思いと共に、グループを引っ張っていく存在として今後の活躍に期待していきたい。

6:堀未央奈 活躍表

●堀未央奈参加シングル曲

・7th『バレッタ』(2013年11月27日発売)※堀未央奈初のセンター楽曲
・8th『気づいたら片想い』(2014年4月2日発売)
・9th『夏のFree&Easy』(2014年7月9日発売)
・10th『何度目の青空か?』(2014年10月8日発売)
・11th『命は美しい』(2015年3月18日発売)
・14th『ハルジオンが咲く頃』(2016年3月23日)
・裸足でSummer(2016年7月27日、SRCL-9138/44) – EAN 4988009130446。
・15th『裸足でSummer』(2016年7月27日発売)
・16th『サヨナラの意味』(2016年11月9日発売)
・17th『インフルエンサー』(2017年3月22日発売)
・18th『逃げ水』(2017年8月9日発売)
・19th『いつかできるから今日できる』(2017年10月11日発売)
・20th『シンクロニシティ』(2018年4月25日発売)
・21th『ジコチューで行こう!』(2018年8月8日発売)
・22th『帰り道は遠回りしたくなる』(2018年11月14日発売)
・23th『Sing Out!』(2019年5月29日発売)

●坂道AKBとして

・『誰のことを一番 愛してる?』(2017年3月15日発売)
・『国境のない時代』(2018年3月14日発売)

●IZ4648として

・『必然性』(2019年3月13日発売)

●TVドラマ出演情報

・『オトナヘノベル』(2016年6月2日放送)
・『ザンビ』(2019年1月24日 – 3月28日放送)
・『遊戯みたいにいかない。』(2019年4月18日放送回のみ出演)

●ラジオ出演情報

・ 『レコメン!』

●舞台出演情報

・『じょしらく』
・『あさひなぐ』

●映画出演情報

・ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年6月28日より公開)※堀未央奈映画初主演作

●堀未央奈ソロ写真集

・『君らしさ』

(文:川崎龍也)

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