三鷹コミュニティシネマ映画祭 シンポジウム“アイドルは時空を超える”

これからは強いアイドルを!

松崎「金子監督は、強いアイドルが成立していく要素が今後の映画界にあると思いますか」

金子「成立してほしいと思いますね。だから『少女は異世界で戦った』を作ったわけだし、武田さんにもどんどん戦っていってほしい(笑)」

松崎「女の子っぽい路線も交えつつ、ね」

武田「最近よく『アクション辞めちゃったんですか?』なんて言われるんですけど、全然そんなことはなくて、今すぐにでもやりたいくらいなんですよ。ただ、どうしても企画が……」

金子「そう。昔に比べてアクションをやりたがっている女優さんは増えているんですけど、その意気を活かす現場がないのが問題なんです」

北川「志穂美悦子さんの『二代目はクリスチャン』(85)を武田さん主演でリメイクするというのはいかがですか?」

松崎「井筒和幸監督のね。うん、それはいいと思う!」

武田「!(笑)」

武田鉄矢さんと
親子刑事をやってみたい!

この後、観客からの質問コーナーに突入します。
三鷹コミュニティシネマ映画祭
―― 武田さんは、今後アイドル活動をやっていくご予定は?

武田「(笑)嬉しいですけど、私、本当にアイドルの素質はないなと感じているので……。可愛い仕草とかも全然できないんですよ」

北川「でも、今はアイドルの幅も広がってますから」

金子「可愛い仕草をしない、不愛想なアイドルという道もあるからね(笑)」

―― 『少女は異世界で戦った』は血が飛び散って衣裳にかかったりするシーンが少なかったように思いますが、予算がなかったのでしょうか?

金子「いや、あれは予算じゃなくて(笑)、子どもにも見せられるものにしたかったので。かつての東映白塗り時代劇のノリですね。あれを目指していました」

松崎「黒澤時代劇以前のノリですね(笑)」

金子「そう。血を出さずに、殺陣の型を見せる」

小林「TVの『水戸黄門』も血は出ないですから(笑)」

金子「あと本格的な殺陣が始まって血を出したりしたら、現場の収拾がつかなくなる(笑)」

武田「確かに(笑)」

―― アイドルの仕草ということでは、CMで武田さんが瓦を割った後の仕草がすごく素敵でした。

武田「ありがとうございます(笑)。あれは最初可愛くやってくださいって言われたんですけど、それができずにちょっと恥じらいをもってやっちゃって、NGかなと思ったらそれが面白いということになりまして(笑)。私、手を振るシーンとかでも『手刀じゃないんだから』って言われます(笑)。なんでもキレが良すぎるそうで……」
武田梨奈4
―― タイムトラベルの道具っていろいろあると思うのですが、『江ノ島プリズム』ではオモチャの時計が使われていました。ああいったアイデアはどこから?

小林「映画ではプラスティックの時計ですが、もともと脚本では本の付録についているダンボ-ルに描かれた時計だったんです。ああいうものはノリシロであって、結局何でもよくて、そこに人物が想いを込めることによって時間を超えていく。そういう映画にしたかったんです。特にSF的な機械を発明するとかではなく、主人公の想いの力で過去へ飛ぶ。そのためのノリシロであり、そこで「ジャック・フィニー・アプローチ」という言葉を使っています。おそらく日本映画でジャック・フィニーの名前を出したのは『江ノ島プリズム』が初めてだと思いますが、主人公の想いで時を超える時間SFを描き続けた作家です」

――武田梨奈さんは武田鉄矢さんがお好きとのことですが、ならば『刑事物語』シリーズ(82~88)の女性版とかやってみる気はありませんか。

武田「ああ、やってみたいです!あのハンガーヌンチャクみたいに、私も新しい武器を開発したいですね(笑)」

松崎「武田鉄矢さんと親子刑事という設定はいかがでしょう?」

武田「やれたら嬉しいです。苗字も同じ武田ですし(笑)」

―― 『少女は異世界で戦った』は刀を使うアクションと格闘と派手にやられてましたが、最近のアメリカ映画のアクションは重厚感が強くなっています。金子監督はどちらがお好きですか。

金子「この映画の場合は派手なものを求めて、アクション監督と相談して、メキシコのルチャリブレを取り入れようということになったのですが、アメリカ映画の場合はもっと重厚でリアルにやるでしょうけど、こちらは架空の世界でしたので、華やかにやってもらいました。まあ、映画によってやりかたは異なるということですね」

武田「先日、金子監督の最新作『スキャナー 記憶のカケラを読む男』に主演された宮迫博之さんが、ツイッターで『誰か武田梨奈主演で「女必殺拳」(74)みたいな映画を撮ってくれ!』とつぶやかれていて、すごく嬉しかったんです。現代アクションももちろんですが、ああいった昭和アクション風のものもやってみたいですね」

三鷹コミュニティシネマ映画祭

出席者、それぞれのこれから

では最後に、みなさんの告知などを。

北川「告知ですが、東京カレンダーという出版社から発売中の『女優美学Ⅳ』というムックの中で、今年の女性タレント・ランキングをやっております」

小林「三栄書房から『ハリウッド映画の暗号』という、映画の本を初めて出しました。あっと驚くような『スター・ウオーズ』論とか展開させておりますので、ぜひ手に取っていただけたら」

武田「来年からドラマ『ワカコ酒』新シリ-ズや、まだ公表できないのですが新春からドラマや映画もいろいろやらせていただいております。あと、初めてカレンダーを出させていただきます!(武田梨奈2016年カレンダー) 実はアイドルっぽいこともやってるんですよ(笑)」

金子「さっき梨奈ちゃんから言われたのですが、宮迫さんと野村萬斎さん主演の『スキャナー 記憶のカケラを読む男』が、東映でGWに公開されます。ちょっと変わったミステリーで、古沢良太さんの完全オリジナル脚本です。野村さんは初の平成現代劇出演とのことですので、そちらもご期待ください」

松崎「僕の情報は、あとでツイッターにまとめておきますので、よろしければご覧になってください(笑)」

みなさま、おつかれさまでした!

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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