『燃えよスーリヤ!!』に込められた「5つ」のブルース・リー愛!

©2019 RSVP, a division of Unilazer Ventures Private Limited

12月27日(金)より劇場公開される、インド製アクション映画『燃えよスーリヤ!!』。過去の様々なアクション映画へのオマージュが込められている本作の監督ヴァーサン・バーラーが、主人公スーリヤというキャラクターのインスピレーションを得た人物の中で、最もリスペクトと愛を捧げているのが、伝説のアクションスターであるブルース・リー!

実際、最近公開された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも、若き日のブルース・リーの姿がフィーチャーされるなど、その全盛期を体験していない世代の間でも、来年の生誕80周年を前にブルース・リー再評価の気運が高まっている。

そこで今回は、11月27日のブルース・リー生誕79周年を祝し、『燃えよスーリヤ!!』に込められたブルース・リー愛と、あふれるアクション映画オマージュについて紹介したいと思う。

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ストーリー

主人公スーリヤ(アビマニュ・ダサーニー)は何の変哲もない青年。ただし、彼はどんな痛みも感じないという特別な体質の持ち主。幼い頃に祖父から渡されたカンフー映画に衝撃を受けて以降、街の悪党を倒すことを目標として独自にカンフーの特訓を積んできた。ある日、スーリヤは離ればなれになっていた幼馴染のスプリ(ラーディカ―・マダン)が街を牛耳る悪の組織に狙われていることを知り、カンフーと痛み知らずの身体を武器に悪の組織との全面戦争を決意する―。

予告編

1:監督のオールタイムベストヒーローは、ブルース・リー!

本作の撮影前、ヴァーサン・バーラー監督が出演キャストたちに与えた宿題、それはブルース・リー作品を観まくること! 実際、監督がキャストに渡した鑑賞リストには、ブルース・リーの主演作『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』、『ドラゴンへの道』、『燃えよドラゴン』などが列挙され、これらを制覇しなければ撮影に入れないという、徹底したブルース・リー愛がキャスト陣に叩き込まれることになった。

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ブルース・リーを敬愛する、ヴァーサン・バーラー監督は、インタビューでこう語る。

「アクション面だけではなく、自分自身をあれだけ信じることが出来るということが素晴らしい。世界中が”中国人の武闘家がヒーローになるなんて無理だ”という時代に、様々な状況を全て乗り越えてしまった。自分の場所を自ら作ることができた。人気があるから彼が好き、という訳じゃなくて、彼の側面―どんなに大変でも挑戦して乗り越えていく。その姿が大好きだし、憧れている。だから僕のヒーローなんだ」と。

そう、『燃えよスーリヤ!!』の根底には、監督のブルース・リーへの強い想いが溢れているのだ!!

2:監督のアクション映画愛が詰まった格闘シーンが凄い!

主人公スーリヤの生い立ちや設定には『チョコレート・ファイター』、彼の戦いのスタイルには、ドニー・イェンやトニー・ジャーの影響が色濃く見られるなど、本作の監督であるヴァーサン・バーラーのアクション映画へのリスペクトに溢れている、この『燃えよスーリヤ!!』。

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特に、生まれつき痛みを感じないスーリヤは喉の渇きも感覚として感じないため、常時水分を補給しないと脱水症状で動けなくなる! という弱点の設定は、まさにジャッキー・チェンの『ドランクモンキー 酔拳』を思わせるもの。

更に、戦闘中に水が切れて窮地に陥ったスーリヤの行動が『酔拳2』を連想させるなど、時代や国を超えたアクション映画オマージュも、本作の大きな魅力となっている。

特に、極真の100人組手を思わせるラストの過酷な決闘は、ゲームの『ストリートファイター』や、『燃えよドラゴン』のトーナメント・シーンへのオマージュが含まれているので、お見逃しなく!

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3:主人公の特訓シーンにも、過去のアクション映画オマージュが!

アクションシーンだけでなく、実は特訓シーンも過去のアクション映画へのオマージュが隠されている本作。

例えば、ピンと張られたロープを避けながらパンチを練習する方法は『ロッキー4/炎の友情』だし、腕立てしながら両腕でジャンプする方法は『ドランクモンキー 酔拳』を連想させる。

これらのオマージュは、幼い頃のスーリヤが過去のアクション映画をビデオで観まくって、そのテクニックを吸収する設定を見事に反映したものだが、権利上の問題からなのか、これらの作品の映像が本編に登場しないのは非常に残念!

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ただ、マニアにとっては本編に登場するレンタルビデオ店の棚のタイトルや千葉真一のポスター、それにスーリヤが次々にデッキにかけるビデオのタイトルを見ただけで、「おお!」となることは確実!

一例を挙げれば、『新死亡遊戯 七人のカンフー』や、『燃えよドラゴン』のロバート・クローズ監督作品である『カラテNINJA/ジムカタ』という実にマニアックな作品まで登場するので、アクション映画ファンは要チェックだ!

4:ブルース・リーへの愛に満ちた、そのこだわりに注目

本編中でスーリヤが着ている、エンジ色に白ストライプのジャージ。実はこれも、ブルース・リーがゲスト出演してジークンドーについて語ったアメリカのTV シリーズ『復讐の鬼探偵ロングストリート』(71~72)で着ていた衣装へのオマージュとなっている。

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それだけでなく、本作ではスーリヤの履いているスニーカーも、実は『死亡遊戯』でリーが履いていた”オニツカタイガー”の色違いという、非常にマニアックなこだわりを見せてくれるのだ!

中でも、敵のボスに捕らわれたスーリヤたちが地獄のトーナメントに挑む展開では、『燃えよドラゴン』に加えて『ドラゴンへの道』での対チャック・ノリス戦や、『ベスト・キッド』に『クレージーモンキー 笑拳』オマージュまでもが飛び出すサービスっぷり!

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もちろんこれ以外にも、映画中盤で空手マンのマニが倒れているのを発見する部分は、『ドラゴン怒りの鉄拳』のラストで、道場に戻ったリーが門弟たちの死体を発見するシーンを思わせるし、敵の警備会社があるビルに殴りこむシーンで見せるマスク姿は、同じくアメリカのTVシリーズ『グリーン・ホーネット』で、若き日のリーが演じた当たり役のKATOそのもの。

更にこのシーンには、『死亡遊戯』や『~怒りの鉄拳』に加えて、『燃えよドラゴン』を思わせるエレベーター前の描写など、文字通りブルース・リーオマージュが満載なので、お見逃し無く!

5:インド版ブルース・リー誕生秘話とは?

本作で、インド版ブルース・リーとも言える主人公のスーリヤを演じた、アビマニュ・ダサーニー。

前述した通り、熱狂的なブルース・リーマニアである監督が彼に要求したのが、筋肉モリモリのボディビル体型ではなく、リーのようにいつでも戦闘態勢に入れるような体作りだった。

ちなみに監督が思うブルース・リーの一番好きなところは、「決して身長が高いわけではなく、服を着ている時はむしろ細く見えるのに、でも脱ぐと凄い!そのギャップにある」とのこと。

こうしてプロテインを飲みながらのトレーニングと同時に、あまり体が大きくならないように注意することで、本作のラストで見せる見事な筋肉美が誕生したのだ!

最語に

迫力のアクションや、インド映画ならではの歌と踊りというエンタメ要素以外にも、実はインド社会における女性の立場の弱さや、女性が自立することの難しさが描かれている本作。

こうした様々なジャンルがミックスされることで、本作は単なるアクション映画に終わらない作品に仕上がったのだ。

スーリヤの成長や恋愛を描いた青春映画としても楽しめる、この『燃えよスーリヤ!!』は、12月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他で全国公開。インドから生まれた新たなアクションヒーロー誕生の瞬間は、是非劇場で!

(文:滝口アキラ)

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