夏の仮面ライダー&スーパー戦隊映画の楽しさ!

■「キネマニア共和国」

かつては各映画会社、春夏秋冬の風物詩としての映画公開がありました。東宝だと『ゴジラ』シリーズや山口百恵&三浦友和主演映画、東映だと『トラック野郎』シリーズ、そして松竹はもちろん『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』シリーズ。もっとも今はファミリー向けアニメ映画ばかりが定番化されているのは、ちと寂しいところ。

しかし、その意味で奮闘しているのは東映夏の仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズ。特にこのプログラム、イマドキ珍しい2本立てというところでも貴重です。

というわけで……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.5》

は、今年のライダー&戦隊の楽しさをざっとご紹介!

アッパレなまでに駆け抜ける
『手裏剣戦隊ニンニンジャーTHE MOVIE』!

【最終】ニンニンジャー単独本ポス

まずは『手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖!』。スーパー戦隊シリーズ第39作にあたるTVシリーズのほうは、ラストニンジャと呼ばれる祖父(笹野高史)を師とあおぐ孫たちや弟子6人の若者がニンニンジャーとして巨悪と戦う、東映ならではの忍者活劇ベースのもの。「忍(しのび)なれども忍ばない!」といった威勢のよさも、6人のさわやかな好演も心地よい限りですが、その劇場版は、祖父から夏休みの宿題として、忍隠れの里にある城の落城を防ぎ、恐竜と化したお殿さまのケアをする羽目になるというお話。スーパー戦隊ならではのキメキメのアクションと特撮が各キャラの魅力とあいまって、およそ30分の上映時間を、まさに忍びの早足のごとく一気に駆け抜けていきます。

一時期、夏の戦隊シリーズ劇場版は45分前後だったのですが、再び30分ほどに短縮されてしまい、どうにも中途半端な印象が付きまとっていたのですが(その意味では毎年1月に公開されるVS戦隊もののほうが時間が長くて、お得気分もあり)、今回はその30分のバランスをフルに活かした作りに成り得ており、このテンションならば今後もありかと唸らされるものがありました(今回この記事を書きたくなったのも、こちらの出来に魅せられたからです)。中澤祥次郎監督、アッパレ!

え? 恐竜の殿さまの造型が……? いえいえ、海の向こうの、あの“ワールド”と比べてはいけません。こちらはあくまでも、子どもたちが楽しみながら今後も映画に親しんでもらうための作品であり、当然ながらに愛らしい造型もウエルカムなのです(第一、あちらの技術でリアルにやったら、子どもたちがトラウマになってしまうでしょ!? それに殿さまの正体は、あの人だし……)。

【ニンニン】メイン


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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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