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『特命戦隊ゴーバスターズ』型破りなロボ戦で戦うヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第31回】
『特命戦隊ゴーバスターズ』型破りなロボ戦で戦うヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第31回】
■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典
シリーズ最大のお祭り騒ぎの後に…
シリーズ最大のお祭りで歴代の戦隊に変身できるヒーロー『海賊戦隊ゴーカイジャー』が、2012年2月に最高の盛り上がりをみせて放映終了しました。
過去の戦隊ヒーローが登場するだけでも興奮するのに、それに加えてストーリーもかなりのハイクオリティだったので、「ゴーカイジャー」の後番組は正直しんどくなるだろうな、と思っていた矢先にスタートしたのが『特命戦隊ゴーバスターズ』でした。
しかし、その不安はすぐに吹き飛ぶことになります。
タイトルを見てもらえれば、わかると思うのですが、近年の戦隊シリーズはタイトルの尻に“~ジャー”とつくのがお決まりとなっていたのですが、「ゴーバスターズ」はまずそこが排除されてます。
つまり、シリーズの集大成を詰め込んだ「ゴーカイジャー」とは差別化を図り、また一から新たなスーパー戦隊シリーズを作り上げるため、「ゴーバスターズ」は様々な挑戦をしたのです。
異例のロボ戦でファン増加
その中でも、最も僕らの胸を躍らせてくれた挑戦は、戦隊の花形シーン“巨大ロボット戦”です。
スーパー戦隊のオーソドックスな流れは、怪人出てきて必殺技で倒し、怪人が巨大化してロボットで倒すといったものなのですが、このゴーバスターズでは初っ端からロボ戦になったり、ロボ戦と地上戦が同時進行したりするなど、枠にとらわれない展開で驚かせてくれました。
また、アニメではあったものの、特撮作品ではあまり描かれることのなかった、ロボの整備士がフィーチャーされる回があったりして、特撮ファンのみならずアニメファンをも虜にしました。
悲しみを背負うヒーローの奮闘劇にも注目
脚本は小林靖子さん。
ここで何度も言っていますが、僕は小林靖子さんが脚本を担当されるだけで、無条件にのめりこんでしまいます。
『ゴーバスターズ』のメンバーは、物語の舞台の13年前に起こった事件の生き残りです。その事件とは、転送研究センターのコンピューターがウイルスによって暴走し、主人公の親達が研究センターごと、亜空間と呼ばれる場所へ転送されてしまったというものです。
悲しみを背負った主人公が奮闘する様は、僕にとってはたまらない設定であり、涙なしでは見れませんでした。中盤あたりで、その亜空間に突入する回があるのですが、その回は最終回よりも最終回らしい盛り上がりをみせ、ファンを大いに魅了しました。
悲しくて重いだけが「ゴーバスターズ」の魅力ではありません。追加戦士のビートバスターこと陣マサトが作品に深みを与え、そして雰囲気もグッと明るくしてくれました。
しかし、陣マサトも実は重大な秘密をもっており、それが判明した時には胸にズシンときて、やっぱり小林靖子さん凄いなとなりました。
そして、忘れられない作品となりばすたー。
陣マサトを演じたのは、『魔法戦隊マジレンジャー』のマジイエローを演じていた松本寛也さん。「マジレンジャー」の時よりも成長した演技を、これでもかとみせて「ゴーバスターズ」をガッツリ支えてくれています。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
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