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2017年10月17日

『特命戦隊ゴーバスターズ』型破りなロボ戦で戦うヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第31回】

『特命戦隊ゴーバスターズ』型破りなロボ戦で戦うヒーロー【篠宮暁の特撮辞典・第31回】

スーパー戦隊シリーズ 特命戦隊ゴーバスターズ VOL.1【Blu-ray】


■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典

シリーズ最大のお祭り騒ぎの後に…


シリーズ最大のお祭りで歴代の戦隊に変身できるヒーロー『海賊戦隊ゴーカイジャー』が、2012年2月に最高の盛り上がりをみせて放映終了しました。

特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE コレクターズパック [Blu-ray]



過去の戦隊ヒーローが登場するだけでも興奮するのに、それに加えてストーリーもかなりのハイクオリティだったので、「ゴーカイジャー」の後番組は正直しんどくなるだろうな、と思っていた矢先にスタートしたのが『特命戦隊ゴーバスターズ』でした。

しかし、その不安はすぐに吹き飛ぶことになります。

タイトルを見てもらえれば、わかると思うのですが、近年の戦隊シリーズはタイトルの尻に“~ジャー”とつくのがお決まりとなっていたのですが、「ゴーバスターズ」はまずそこが排除されてます。

つまり、シリーズの集大成を詰め込んだ「ゴーカイジャー」とは差別化を図り、また一から新たなスーパー戦隊シリーズを作り上げるため、「ゴーバスターズ」は様々な挑戦をしたのです。

異例のロボ戦でファン増加


Mission40「カブるJとメサイアロイド」



その中でも、最も僕らの胸を躍らせてくれた挑戦は、戦隊の花形シーン“巨大ロボット戦”です。

スーパー戦隊のオーソドックスな流れは、怪人出てきて必殺技で倒し、怪人が巨大化してロボットで倒すといったものなのですが、このゴーバスターズでは初っ端からロボ戦になったり、ロボ戦と地上戦が同時進行したりするなど、枠にとらわれない展開で驚かせてくれました。

また、アニメではあったものの、特撮作品ではあまり描かれることのなかった、ロボの整備士がフィーチャーされる回があったりして、特撮ファンのみならずアニメファンをも虜にしました。

悲しみを背負うヒーローの奮闘劇にも注目


Mission2「13年前の約束」



脚本は小林靖子さん。

ここで何度も言っていますが、僕は小林靖子さんが脚本を担当されるだけで、無条件にのめりこんでしまいます。

『ゴーバスターズ』のメンバーは、物語の舞台の13年前に起こった事件の生き残りです。その事件とは、転送研究センターのコンピューターがウイルスによって暴走し、主人公の親達が研究センターごと、亜空間と呼ばれる場所へ転送されてしまったというものです。

悲しみを背負った主人公が奮闘する様は、僕にとってはたまらない設定であり、涙なしでは見れませんでした。中盤あたりで、その亜空間に突入する回があるのですが、その回は最終回よりも最終回らしい盛り上がりをみせ、ファンを大いに魅了しました。

悲しくて重いだけが「ゴーバスターズ」の魅力ではありません。追加戦士のビートバスターこと陣マサトが作品に深みを与え、そして雰囲気もグッと明るくしてくれました。

Mission34「敵はビートバスター?!」



しかし、陣マサトも実は重大な秘密をもっており、それが判明した時には胸にズシンときて、やっぱり小林靖子さん凄いなとなりました。

そして、忘れられない作品となりばすたー。

陣マサトを演じたのは、『魔法戦隊マジレンジャー』のマジイエローを演じていた松本寛也さん。「マジレンジャー」の時よりも成長した演技を、これでもかとみせて「ゴーバスターズ」をガッツリ支えてくれています。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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