「『ウルトラマン』出演キャストは歴代のシリーズをずっと愛している」本仮屋ユイカインタビュー

■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
3月10日(土)公開の映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』に劇場版ゲストヒロインとして出演する本仮屋ユイカさん。

彼女が演じる比嘉愛琉(ひが・あいる)は、今作の舞台・沖縄でガイドを務める伝承について詳しい女性だけれど、実は古代から地球で暮らしてきたクシア人という役どころ。

そんな本仮屋さんに、シネマズby松竹で特撮コラムを連載中のオジンオズボーン・篠宮暁がインタビュー! 特撮作品に初挑戦した感想や、特撮界のレジェンド・坂本浩一監督とのお話などを伺いました。

──まずはどういった経緯でご出演されることになったんですか?

本仮屋ユイカ(以下、本仮屋):マネージャーさんからの電話で、オファーをいただいたことを知りました。あまりにも意外で、まず最初に「えっ、私!?」って思いました(笑)。

特撮作品ということには構えずに現場に入ったので、撮影が始まってから、普通のドラマや映画とは違うしきたりなのね、と気づいた感じです。

──どういったところに違いを感じたんですか?

本仮屋:これまで合成がある作品に出演したときは、だいたいの資料映像を見せて頂いたりとか、詳しく現場で絵を見せて頂きながら、詳しい説明を受ける感じでした。

でも、今回は「こんなスピードでこういう怪獣がやってきます」という感じ。坂本監督のこのひと言で、現場にいるスタッフたち何十人の意思疎通が図れるのが本当にすごいと思いました。

あと、そういうシーンでは遠くにいる怪獣を見ているんですが、専用の長い棒にピンクの印がついていて「これ、怪獣でーす!」って目印を出してくれるんです。その目線の指示の出し方もすごく手際がよくて、「これが特撮ならではの撮影か〜!」と、その都度感動してました。

──他の現場では見たことないですか?

本仮屋:ないです、ないです! でも、他の作品では、棒の先にじゃんけんの手がついていたり、色が違ったり、いろんなチームがあるよ、という話も聞きました。

──アクションはいかがでした?

本仮屋:坂本浩一監督がとにかく優しくて。ダメ、って絶対に言わないんですよ。「オッケー!全然いいよ。すごくいい! いい感じ」って、常に褒めてくれる。おかげでだいぶリラックスしてやれました。坂本監督って、アクション界のレジェンドなんですよね?

──ファンの間ではもう、とても有名な方。アクションはもちろん、ちょっと女性が好きということでも(笑)。スケベな感じではなく、セクシーなカットが多いんです。

本仮屋:そういうシーンはなかったかも。ちょっと残念(笑)。

私はアクションシーンでやられる分には平気なんですけど、人に攻撃するのが怖くて苦手意識を持っていたんです。でも、愛琉の気持ちのベースに“守る”という意識があったおかげで、今回やってみたら平気だったんです。守りたいという気持ちが、これだけの奇跡を起こすんだなって思って、初めて攻撃するということに快感を覚えました。

それは監督がご自身で実演してくださるから、見る情報や真似できる材料が多かったというのもあるし、ポジティブなマインドに引っ張っていただいたこと、愛琉というキャラクターのメッセージ性にも後押しされて、とてもアクションを楽しむことができました。

──今までのアクションとは違う感じだったんですね。

本仮屋:そうですね。あと、愛琉は宇宙人なので、人間を演じるときよりも広い視野で自分が臨めたのも大きいです。「こうあるべき」というものがない。だって宇宙人だから。そう思ったら、リミットを外すことができました。

あと、例えば、現実では転んだら転びっぱなしだけど、特撮としては、すぐに顔を上げる演出。

転んだあとすぐ顔を上げるというような指示も新鮮でした。うまくできなかったこともあるけれども、そういうチャレンジの繰り返しで、リアルとはやっぱりちょっと違う撮り方なんだなと実感しました。

──生傷とかは大丈夫でした?

本仮屋:大丈夫でした! 壁倒立するとアクションがうまくなるって聞いて、毎朝ホテルで壁倒立してから現場に行ってました。ぜひ、倒立やってみてください。動きがめちゃくちゃよくなるので!

──何が変わってくるんですか? 腕の力とか?

本仮屋:腕以上に、体の軸がとりやすくなるから、反射が早くなるんですよね。気持ち的には2分くらい壁倒立しているつもりだけど、実際は15秒くらいの短い時間だと思います。それでも、壁倒立をやっていくと調子がいいんです。

──へぇ〜。では、実際出演されてみて、出る前と出た後で印象は変わったりしました?

本仮屋:誰かのピンチをウルトラマンが助ける、っていうストーリーだし、やらなきゃいけないことも多いから、現場も緊張感がありそうと勝手に思っていたんですけど、もう全然! 和気あいあいとした現場で、スタッフたちがワクワクしながら、「こうやって撮ったら、もっと強く見えるんじゃないか」と、ずっと試行錯誤しているアットホームな感じが意外でした。

「私、ずっとこのチームにいたのかな?」って思うくらい、溶け込ませて頂いていましたね。

──朝倉リク/ウルトラマンジード役の濱田龍臣くんと二人のシーンが多かったと思うんですが、どんな感じで過ごしたんですか?

本仮屋:濱田くんとは初めて会ったのですが、全員リラックスしてるような状態だったので、変に気を使うとかもなく、過ごしていました。濱田くんはウルトラマン博士で、「これはどういう意味?」って1聞いたら、10返ってくるくらい、詳しく教えてくれるんです。

──例えばどんなことを?

本仮屋:怪獣が途中で変化して呼び名が変わったときや、昔の作品に出てきたキーワードが出てきたりして、そういうものを教えてもらいました。

──あそこはウルトラマンファンはすごく熱くなるポイントだし、坂本監督の超サービスカットだと思いました!

本仮屋:そうなんですね。そういうのがあるから、台本だけだとわからないことも多くて。最初の衣装合わせは衣装よりも、質問ばっかり(笑)。「この怪獣はなんですか?」とか、「この人とこの人はどういう関係ですか?」とか。ずっと聞いてましたね。

──他のキャストさんはどんな感じでした?

本仮屋:いちばんびっくりしたのは、朝がめちゃくちゃ早いんですよ。で、「おはようございます」って現場に入ったら、「ウルトラマン」の歴代の曲がガンガンに流れてて。みんなそれぞれ口ずさんでたり、「私、このシリーズのこのシーンがすごく好き」とか思い思いに話していて。自分たちが出演した作品だけでなく、ずっと歴代のシリーズを愛していて讃えているんだなぁって。世代を超えて、シリーズを超えてドラマを愛してるってことに感動したんです。

──慣れるまで大変じゃなかったですか? 知らない曲ばっかりですよね。

本仮屋:そう、知らない曲ばっかり。でも、ひと言聞けば、濱田くんがいっぱい教えてくれるので、最終日には半分くらい歌えるようになって、楽しい現場だなって思いました。

──そうなんですよ、曲が素晴らしい。

本仮屋:いいですよね! 「ウルトラマン」シリーズの作品に出演することに対して、感激と光栄だなっていう気持ちがあったんですが、現場に入ってから余計にそう思いました。この流れている曲の作品に出ている全員が私たちウルトラマンのチーム、という誇り、リスペクトと愛を感じて、素晴らしいチームだなって思いました。

──ちなみに、クランクインはどのシーンだったんですか?

本仮屋:リクくんが倒れて、みんなが駆け寄るシーンです。テストから本番に向けて、どんどんみんなの走るスピードが早くなってきて、「テストより早くなってるよ〜」って思ってたら、ジャグラス ジャグラー役の青柳尊哉さんが「ねぇ、早くなってない?」って言ってくれて。

私も、まだ全然誰とも雑談もしてないのに、「うん、早くなってる!」ってタメ口で参戦して(笑)。そこから普通に話してましたね。だから、青柳さんが口火を切ってくれたのがありがたかったです。

──青柳さんは「ウルトラマンオーブ」に出ていらして、「ジード」チームじゃないのに、いつの間にか中心になってたっていう記事を読みました。

本仮屋:よりよいものをリラックスして作ろうよ、という空気感を出してくださる方でした。濱田くんはとってもマイペースで、17歳らしいのびのびとしたところがありながら、とても視野が広い人。誰かが困ってるなっていうのを察して「こうしたほうが撮りやすいですね」とか、声をかけている姿をみかけて、さすが座長だなって思いました。

──完成した作品はもう見たんですか?

本仮屋:これからです! アフレコでかいつまんだシーンは見せていただいたんですけど、それでも「なんていい映画なんだろう!」って泣いてしまって。すごく楽しみです。

──僕が観た感想はですね、本仮屋さんってあんまり声を張ってるイメージがなかったんですけど、「ググルシーサー!」っていうときの声がすごいよかったです。

本仮屋:“!”が台本についてたから、そのイメージでやったら、えらいみんなが真似してくるんですよ。朝会うなり「ググルシーサー!」って言ってくるから、よっぽどインパクトがあったんだな、と(笑)。

──本仮屋さんのイメージになくて、それはそれですごくいい。

本仮屋:よかった! ググルシーサーも本編では、最初に見せていただいた資料よりも迫力とキュートさが増していて、うれしかったです。

──愛琉は、衣装もちょっと独特だったと思うんですけれども。

本仮屋:いくつか案を出していただいて、仮縫いしながら、「もうちょっとこうした方がアクションしやすいから、こうしてほしい」とか、「首をスッキリとしてほしい」とか、そういうことを織り交ぜてもらいながら。

──いろいろとリクエストしてたんですね。

本仮屋:はい。そうやって作ってもらった衣装なので、すごく気に入ってます。沖縄風だねって言われるんですけど、愛琉が沖縄を汲んだんじゃないんですよ。愛琉から沖縄が始まったんです。私が何万年も前に降り立っているから。っていう風に見えたらいいなって思います。

──僕はそう見えました!

本仮屋:さすが〜(拍手)!

──特に気に入っているシーンはありますか?

本仮屋:私、せっかく「ウルトラマン」に出るなら、2ショットを撮ってほしいですって坂本監督にお願いしたんです。でも、「ウルトラマンはすごく大きいから無理だよ!」って言われてしまって、残念だったんですけど、私の顔からウルトラマンの顔にフェードインしていくオープニングになっていて、ものすごく気に入ってます!

──あの映像、よかったですよね! 宍戸開さんのとのシーンから、一気に引き込まれる感じで。ぜひ、完成版も楽しんでください! いや、僕が楽しんでくださいっていうのもおかしいですけど(笑)。では、今後、女優を続けていくうえで、また特撮作品からオファーがきたらどうですか?

本仮屋:やりたいです! あとは「ウルトラマン」シリーズに参加したキャストのこともとても大事にしていて、別の作品で別の役を演じることが普通にあると聞いて。

──ありますね。濱田さんは特にそうですし。

本仮屋:伊賀栗ルミナ役の長谷部瞳ちゃんもそうですよね。宍戸さんに「きっとまた、10年後とか40年後に出れるよ」って言われて。そしたら博士役がいいな、って思ったんですけど(笑)、違った形でも、またこの歴史に関われたらうれしいなって思いました。

──もし坂本浩一監督が担当していたら、また愛琉のネタを引っ張ってくる可能性もあるかもしれないですね。

本仮屋:それができる懐の広さが「ウルトラマン」だなって思いました。1シリーズで終わらない、ずっと歴史を重ねていけるところが魅力なんだと思います。

──本仮屋さんは子供のころ、ヒーロー番組とか見てたんですか?

本仮屋:ヒーローというヒーローは通っていないですね。でも、「ウルトラマン」というと、隊員みんなが同じ服を着て、敵に向かっていく感じがとても好きでした。それで、私も着てみたいなって。

──あぁ〜! 「ジード」は残念ながら制服はなかったですけれども。

本仮屋:それぞれのライフスタイルにあった服を着ていて、全員が同じ基地にいるわけでもないんですよね。それでも力を貸しあえるところが、今の社会をすごく反映している感じがして面白かったです。

──シリーズによってはまた制服が出てきたりもするので、そのときに司令官役とかで話がきたらいいですよね。

本仮屋:そのときは、全力で声を張りますね(笑)!

──「ググルシーサー!」って言ったらあかんですよ(笑)。

(C)劇場版ウルトラマンジード製作委員会

映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は3月10日(土)公開です。

(撮影:井嶋輝文、インタビュー:篠宮暁、文:大谷和美)

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