特撮向上委員会
『仮面ライダーエグゼイド 〜マイティノベルX〜』はメインディッシュ並の内容!映像化を期待せずにはいられない
『仮面ライダーエグゼイド 〜マイティノベルX〜』はメインディッシュ並の内容!映像化を期待せずにはいられない
『仮面ライダービルド』も、もう終盤。
皆さんも、残り数回がどんな展開になるんだろうと楽しみにしたり、平成20作目にはどんな仮面ライダー出てくるんだろうとワクワクしていることかと思います。
でも、そろそろ冷めるかと思われてた“ある熱”が、ひとりの男によって前にも増して熱くなってしまい、今また作品を見返してしまっています。
その男の名前は、高橋悠也さん。
そうです、『仮面ライダーエグゼイド』の脚本を全話ひとりで執筆したあの人です。
2017年の秋に終了したテレビ放送、「平ジェネファイナル」からの「エグゼイドトリロジー」で拍手喝采の大団円でフルコースを堪能し、6月末出版の「エグゼイド」の小説をデザートに、「エグゼイド」を締めようと考えてました。
そして先日、その小説『仮面ライダーエグゼイド 〜マイティノベルX〜』を読み終えたんですが。
まだこんなメインディッシュ残してたんかい! デザート扱いしてごめんなさーい!
めちゃくちゃ面白かったです。
僕は高橋悠也さんを神だと思ってましたが、通り越してバケモノです。
この作品の最大のポイントは、ズバリ本編では全く描かれなかった永夢の過去です。
ここにきてそこを掘り下げるのか、と読んでる間ずっと唸りっぱなしでした。
永夢の過去や家族にまで触れていると話数が足りないからか、テレビ本編では気持ちいいくらいにその部分が描かれていません。
トリロジーでも永夢以外のライダー達がフォーカスされ、もっと永夢にも目立って欲しいなと思いつつも、「作品面白かったし、まいっか」と流してきてた自分もいました。
それが本作では、ゲームという設定をしっかり取り込みながら、永夢の過去が丁寧にそしてかつ斬新に明かされていったり、本編では影すら感じさせなかった永夢の父親が登場したりと、「エグゼイド」の世界がさらに深みのあるものに。さらに好きにさせてくれました。
こんな過去があったなら、あの時はきっとこういう気持ちで過ごしてたんだろうなという再発見もあったりしました。
そして小説を出してくれてるだけでもありがたいのに、「映像化してほしい、このシーンの永夢の表情をぜひ飯島寛騎さんにやってほしい」などというわがままな期待をついつい持ってしまった自分。
だれかこんな僕を叱ってください。
章によって目線が変わっていく構成。
永夢目線から始まり、そこから次々とバトンタッチされていくんですが、ドラマではもっと客観的にストーリーが進んでいくため、このキャラはこういうことを考えているんだとか、実は知ってるようで知らなかったところを発見できる感じが新鮮。
そして太い縦軸は読んで確認してもらうとして、僕が読んでて気持ちよかったのは細かい回収です。
例えば、ポッピーの“ドレミファビートでみんなと一緒に遊びたい”という願いを永夢が叶えてくれたとあるんですが、まさかのファイナルステージのショーのストーリーをここで回収してたり、飛彩が映画「トゥルーエンディング」でパパ役をやったことを回収してたり、貴利矢が「トリロジー」でバクスターではなくなったあたりの描写とか、パラド編では39話40話を思い出させる水中の描写がしてあったり、あとやっぱり小説でも雨を降らせてたりと、エグゼイドファンならニヤリとくる箇所がたくさんあるんです。
メインのストーリーも楽しみながら、その辺りも楽しんでください。
そして読み終わったあとには永夢に対する見方がきっと変わるので、それをふまえてもう一回、「エグゼイド」を一話から見ましょう。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
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