■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

話数を重ねるごとにそれぞれのキャラクターがだんだんと確立されてきた『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。

新戦士のリュウソウゴールド/カナロも登場し、さらに面白くなりそうな雰囲気ですが、皆さんはどのリュウソウ族がお好きでしょうか。

僕はどうにもこうにも、バンバに目を持っていかれて仕方ありません。

冷静沈着で場合によっては非情な選択も厭わなかったはずが、コウとの関わりの中で、徐々にではありますが変化していく様が正にブラックらしいブラック。

クールでありながら、トワとの兄弟の絆はしっかりしているところも惹かれるポイント。

振り返ってみると、バンバに限らず特撮作品に兄弟が出てくるとお兄ちゃんの方にグッときてしまうことが今まで多々ありました。

僕は三人兄妹の長男なんですが、決して妹や弟にとっていいお兄ちゃんではありませんでした。

ケンカして泣かした記憶こそあれど面倒という面倒をみた記憶はありませんし、芸人の兄貴を持ちながら思春期という難しい時期を過ごさなければならなかった妹と弟はさぞかし大変だったことでしょう。

芸人になってから唯一した兄貴らしいことといえば、今から10年前くらいに仕事で、なんと『五星戦隊ダイレンジャー』の和田圭市さんとご一緒する機会がありました。

僕ももちろん「ダイレンジャー」が好きだったんですが、実は妹が僕以上に「ダイレンジャー」を好きでして、それこそ和田さんの軽い追っかけ的なこともやってたようです。

ここは兄貴らしいことができるチャンスと、妹の為ロケ終わりに和田さんにサインを貰いに行きました。

和田さんは快く書いてくださり、「宛名は？」と聞いてくださったときに、なんとまさかの僕の心が揺らいでしまいます。

俺も欲しい。

しかし、アホなことに用意した色紙は一枚だけ。

自分のも欲しい、しかし妹にもうサインもらってくると言ってしまっている。

高速で葛藤を終え、和田さんに伝えた言葉は

「篠宮さんへ、でお願いします」

なんと兄妹兼用でもらうという、かなりダサいことをしてしまいました。

「え？君の名前書かなくていいの？苗字だけ？転売するつもりじゃないだろうね？」という声が聞こえてきそうな和田さんの表情が今でも目に浮かびます。

こんなどうしようもない兄貴がゆえに、特撮作品に登場する立派なお兄ちゃんに憧れてしかたがないのかもしれません。

バンバ以外でグッとくる兄貴、まずは何と言っても『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のブライでしょう。

最初は悪の戦士として登場しながらも、改心し残り少ない寿命を弟・ゲキたちのピンチを救うことに費やす、まさに兄貴の中の兄貴。

それから『星獣戦隊ギンガマン』のヒュウガ。

もともとレッドになるはずだったヒュウガが行方不明になってしまった為、弟リョウマが継いでレッドになるという一連が好きですし、黒騎士として復活して共に戦い、兄弟で放つダブル炎のたてがみは今見ても胸を熱くさせられます。

『忍風戦隊ハリケンジャー』の一甲も最高。

ゴウライジャーとして親父に弟・一鍬と共に厳しく育てられるも、アレの出現による兄弟同士での殺し合いの中、自分が弟にやられようとする一甲の叫びは涙もんです。

『宇宙戦隊キュウレンジャー』のスコルピオも散々悪役やっといて、最後の最後にはしっかりいい兄貴になってたり、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の魁利のお兄ちゃんは、魁利を助ける為に自ら快盗になったり。

すべてが粋なんですよ。

兄貴のやることなすこと。

ついでに他にも兄妹を挙げとくと『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の伊賀崎兄妹、『天装戦隊ゴセイジャー』のアグリとモネ、『魔法戦隊マジレンジャー』の小津兄妹、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』の巽兄妹、『地球戦隊ファイブマン』の星川兄妹。

スーパー戦隊以外だと『仮面ライダー鎧武』の呉島兄弟、あと兄弟じゃないけど『仮面ライダーカブト』の地獄兄弟。

東映をもっと遡ると、キョーダインやバイクロッサーやキカイダーなどなど。

長年紡がれてきた兄弟ヒーローの系譜最新のバンバとトワ。

魂震える兄弟愛、待ってます。

（文：篠宮暁）

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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第109回：俳優の力量を堪能できる一人二役！「電王」「ジオウ」ほか仮面ライダー＆スーパー戦隊の二役キャストを語る
第108回：スーパー戦隊で最初に登場したサポートロボを知ってる？スーパー戦隊に欠かせないサポートロボの活躍

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