ミュージカル苦手な私が『SING/シング』最高と思った理由

SING/シング ポスター

(C)Universal Studios.

映画は好き。音楽も好き。別々なら大好きだけど一緒だとムズカシイ・・ここだけの話、歌が始まると、その間にちょっと違うことを考えてしまうみたいなんです。

はっと気が付いた時にはストーリーは進んでいて、急いで追いついて再びその世界にひたっていると、また歌がはじまる。歌詞にも意味があるわけだけど、私的には、もし良かったら、そこのところ普通に演技とセリフで進めていただけたら・・と思ってしまう。すみません。

しかし!

予告を観ると、すごくいい予感!そこで、頑張って観てきた!結果として、全然頑張らなくても良かった!ミュージカル苦手な人だけでなく、以下のような方にも(ほとんど自分のことです)超おすすめな映画でした。

みんな釘づけになる面白さです!

飽きたくても飽きようがない構成。

公開後のみんなのレビューなどでは、歌も声優さんも素晴らしい!という絶賛の声がいっぱい。私はそれに加えて、脚本がお洒落だと思いました!

60曲以上のヒット曲や名曲が、数秒から短いのだと1~2秒、いいとこ取りのオンパレードで物語はワクワクと進んでいきます。それだけでも飽きるという事はまずないでしょう。

そもそも、客足が途絶えてしまった「ムーン劇場」の存続をかけて「歌唱コンテスト」をする、というお話なので、歌う場面は、コンサートと同じようなもの。普通のミュージカルだと歌の間に考え事をしてしまう私でも、全く問題ないのです。物語は物語、歌は歌に集中できました。

登場キャラクターが全員超ハイレベルな圧倒的歌唱力のため、最後の舞台のシーンだけでも観る価値はあるかも。

SING/シング 仮メイン

(C)Universal Studios.

登場キャラクター全員が、今の自分を何とかしたい人(動物)。

ある日、「賞金10万ドルの歌唱コンテストの出場者募集」のチラシが空から降ってきます。そのチラシは、経営不振で取り壊し寸前のムーン劇場の支配人コアラ(バスター・ムーン)が、秘書の年寄りトカゲ(ミス・クローリー)に作らせたもの。

賞金1,000ドルと指示したのに、ミス・クローリーが10万ドルと打ち間違え、手配りするつもりが、扇風機の風で窓から街中にばらまかれてしまったのです。オーディションで選ばれた「歌唱コンテスト」の出場者6名は、賞金10万ドルを手にして現状打破しようとする者ばかり。いや、本当は賞金のためだけじゃない。自分のために自分の歌を歌いたい。すなわち、これ、本当の自分を表現して生きていたい、ってことですよね。

予告ポスターのキャッチフレーズは、「それは人生を変えるステージ」。どのキャラクターも、自分自身をふさいでいるものを取り払って、ステージに立ちます。みんな長年、何かにふさがれてたんですね。いったい何に?

SING/シング サブ

(C)Universal Studios.

現状打破の方法をまとめました。
お坊ちゃまのヒツジの成長にぜひ注目!

言い出せないゴリラのジョニー

ジョニーは、性格の良さそうなゴリラ。お父さんがギャング集団のボスで、強盗のお仕事?!をしているため、ジョニーも手伝いをさせられている。そのお仕事をちょいと抜け出して歌唱コンテストのリハーサルに来るのですが、そのために死にそうになるくらい大変な思いをする。だったらひと言お父さんに断って来ればいいのに、言えない。とりあえず「僕は歌手になりたい」って、口に出して言うことは大切らしい。それが原因で一時的に揉めたとしても。また、バスターがオーディションの時に書いたメモが、ピアノの特訓をやり抜く力を引き出しました。このゴリラの歌声のなんとまあイケメンなことか!吹替え版では、スキマスイッチの大橋卓弥さん。字幕版では「キングスマン」で有名なタロン・エガートン。どちらの声もイメージを裏切らないのがすごい。ゴリラの繊細さが胸にしみいる歌声なのです。

家事と育児で毎日が終わるブタのロジータ。

ロジータは25匹の子ブタのお母さん。専業主婦です。ガース・ジェニングス監督の奥様がモデルだそうです。奥様はファッションデザイナーで、出産を機に仕事をやめて4人の子育てをされているとのこと。ロジータに共感できる女性はきっと多いですよね。家をたった一日空けるのも大変なことで、ロジータはなんと自動家事装置(家族全員に朝食を用意して家から送り出す装置など)を作ってから出かけて行きます。そして、一度は挫折して専業主婦に戻るのですが、お買いもの中のスーパーで流れた曲に合わせて、思わず踊り出してしまいます。今いるその場所で踊ってみる。それをたった一人観ている人がいて、背中を押してくれました。そこで、ロジータは劇場に戻ります。

いない方がいい彼氏もいる。ガツンと一曲歌ったハリネズミのアッシュ。

アッシュが失恋直後に作った曲をステージで歌った時は、胸がスーッとしました。それと、この声、「君の名は。」の奥寺先輩と同じ声優(長澤まさみさん)だったのですね。毅然とした歌がとても良かった!失恋っていうけど、アッシュの才能をふさいでいたのは元彼ハリネズミ。その気持ちは曲を作って「昇華」され、元彼氏の抑圧がとれて、本来の才能が開花しましたね。これは、もう失恋ソングなんかじゃない。別れたから本当の自分が見えたんだと思うし、自分の歌が歌えた。バスターもオーディションで元彼ネズミは不合格で、アッシュは合格にするとは、なんだかんだ言って見る目があるのでは?

ゾウのミーナがつかんだ、極度のあがり症克服のコツは1つ。

不思議なのは、歌が上手いのに人前では歌い出せない。恥ずかしがり屋で内気すぎる性格と言っても、何故そんなに怖いのか?やってできなかったら怖いから、やらない方が安全?!必死で勉強してもいい点数とれかったら怖いから勉強しない。っていうのとは違うとは思うけど、似ている気もする。最後の本番まで人前では一度も歌えなくて、ずっとバスターの裏方の手伝いをしていたミーナですが、実はなかなかに仕事ができるゾウだったんです!歌しかないわけじゃない。なんなら歌えなくてもムーン劇場になくてはならない人材。お人柄も好きです。それとバスターのこと、みんなダメなコアラって言うけど、いいアドバイスしていると思います。「ただ歌えばいいんだって。歌いだしたら怖くないよ。だってもう、歌っているんだから」。どんな小さな声でもいい。震えたって、へただってなんだっていいから、歌い出せばいいんですね。

いつの間にか、ヒツジのエディがばりばり働いている?!

コアラのバスターの友人で、裕福な家庭で甘やかされ、過保護に育てられたヒツジ。歌姫として知られたナナ・ヌードルマンの孫でもあり、お茶の入れ方も知らないお坊ちゃま。親からライフコーチなるものを付けられ、月曜日はゴミ出しをする日などど決められている。彼が歌う事はないけど、この映画で最も私が感動したのは、お坊ちゃまのヒツジが、コアラのバスターの洗車の仕事を手伝うシーンです。自分のためにはできなくても、友人のためならできたりする。その能力はもともと持っていたものなのですが、それを使うという発想がなかったように見えます。さらに、映画の最後の舞台では、ショーの音響を引き受けて、責任重大なスタッフとして働いているではありませんか。バスターが窮地に立たされた時に手助けをしているうちに、いつの間にか仲間や仕事が見つかっていたのです。

楽観的だけどあきらめないコアラ

いいかげんなコアラに見えましたが、失敗だらけの中でも、みんなバスターを見捨てませんでした。どん底で生き残れたのは、楽観的だけどあきらめない性格、ショーが好きだという情熱がなせるワザだったのかなと思いました。

SING/シング 14R

(C)Universal Studios.

吹替え派か字幕派か?

先に吹替え、後で字幕を観ました。歌っている人が違うわけだから、全然違うんだろうと思ったのですが、感動の質と量はほとんど変わりませんでした。

最初に観た吹替えがすごく良かったので、字幕だとイメージ違ってがっかりしちゃうかなとも思ったのですが、どちらも歌唱力に驚かされるばかりで、イメージとかトーンは違和感ありませんでした。

ハリネズミのアッシュの歌が日本語が良かったから、どちらかというと吹替え派かな?もう少し英語ができたら字幕派です。

SING/シング FAITH

(C)Universal Studios.

まとめ

登場キャラクターがチラシを手にした後のストーリーは、それぞれのキャラクターが短いシーンを重ねて、その背景を細切れに表現します。いくつかのシーンが、自分の頭の中でいつの間にかまとまったストーリーになっていました。

そして、終盤の歌のショーでクライマックスにふさわしい歌を堪能することになります。

最後に、一枚の写真の中に、今まで観てきたバラバラのピースが頭の中でパチッとはまったような心地よい感動があり、そこで物語は終わります。ストーリーのあるコンサートって、こんな感じなんでしょうか。胸きゅん映画は数多くあれど、こんなに胸がスーッとする映画は貴重!胸のもやもやがある人は、今すぐ映画館に走った方がいいくらいです。

(文:こいれきざかお)

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