傑作『スカイスクレイパー』義足のドウェイン・ジョンソン vs 240階建てのビル!

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今年はすでに、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』と『ランペイジ 巨獣大乱闘』の主演作2本が公開済みの、アクション映画界の大スター、ドウェイン・ジョンソン!

ジェイソン・ステイサムと並んで、今や無条件で信頼できるアクションスターである彼の主演最新作『スカイスクレイパー』が、ついに9月21日から全国公開された。往年の名作『ダイ・ハード』や『タワーリング・インフェルノ』をパワーアップさせたようなその設定に、かなりの期待を持って鑑賞に臨んだ本作。果たして、その出来は期待通りのものだったのか?

ストーリー

香港に新しく建設された、高さ1キロメートル、240階建ての世界最大のビル“ザ・パール”。住居だけでなく、ホテル、公園、オフィス、ショッピングモール、コンサートホール、展望台など、あらゆる設備が揃い、ビル自体が一つの街になっていると言っても過言ではなかった。
ウィル(ドウェイン・ジョンソン)は、FBI人質救出部隊のリーダーだったが、ある事件で義足になったのをきっかけに、家族とともにザ・パールに住みながら、ビルのセキュリティシステムを調査する仕事に就いていたが、突如ザ・パールで大規模な火災が発生。
ウィルの家族がいる住居フロアにも炎が迫る中、なぜかウィルが警察から事件の容疑者として指名手配されてしまう。
警察に追われながら、燃え上がる高層ビル内に閉じ込められた家族を、果たしてウィルは救えるのか?

予告編

傑作『セントラル・インテリジェンス』の名コンビが復活!

昨年公開されて、映画ファンの間でも評判が高かったコメディアクション映画『セントラル・インテリジェンス』。この隠れた傑作で名コンビぶりを見せたのが、主演のドウェイン・ジョンソンと監督のローソン・マーシャル・サーバーだった。そして、この二人が再び組んで世に送り出したのが、監督にとって初の非コメディ映画となる、この『スカイスクレイパー』だ!

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前作のコメディ路線とは全く違う王道の肉体派アクション映画に、本来はコメディ畑のローソン・マーシャル・サーバー監督を起用したことからも、ドウェイン・ジョンソンの彼に対する絶大な信頼度がお分かりいただけると思う。

しかも、すでに本作に続く3本目のコンビ作品『Red Notice』(原題)の製作も決定しているとなれば、これはもはや期待するなという方が無理な話だ。

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本作でアクションの舞台となるのは、世界最大の超高層ビル“ザ・パール”。この超高層ビルを襲う大火災からの救出・脱出に加えて、敵の武装集団との対決も味わえるという、アクション映画ファンにとってはまさに大満足な盛り合わせが展開する本作。

なにしろ全高1キロ、240階建てという冗談のような超高層ビルが舞台なだけに、このビルに見劣りしない男、ドウェイン・ジョンソンが主役に起用されたのは、大正解だと言える。果たして彼が、この危機をどう乗り越えて家族を救うのか? その手に汗握る展開の連続は、まさに全アクション映画ファン必見だ!

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家族を想う父親の決死の行動が泣ける!

映画の中盤から展開する、怒涛のアクションシーンの連続に対して、序盤で描かれるのは主人公ウィルの穏やかな日常生活、そして愛する家族との絆だ。元FBI人質救出部隊のリーダーだった彼は、過去の任務での失敗により自身の片足を失い、心身共に大きなダメージを負って職場を退くことになった。そんな彼にとって、今や妻と二人の子供の存在こそが生きがいであり、同時に銃や戦闘からは完全に離れた生活を送っていることが、観客にも次第に伝わってくる。

そんな彼が偶然巻き込まれた大事件により、警察からも容疑者として追われながら、家族を救出するために超高層ビルの大火災の中に単身飛び込んでいく!

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単に体が大きく強い男が暴れてスカッとするのではなく、すでに現役を離れて久しい主人公が、身体的ハンディキャップを背負っているにも関わらず、愛する妻と子供のために炎の中や目も眩む高さに挑むその姿。これこそまさに、我々映画ファンが見たかった物に他ならない。多くの観客の共感を呼ぶこの見事なキャラクター設定こそ、本作がこれほど面白い作品となった最大の理由と言えるだろう。

ドウェイン・ジョンソンが見せる男の弱さが泣ける!

何があろうとパワーと勢いで突き進む男! ファンにとっては、もはや敵無しの最強の男としてのイメージが強いドウェイン・ジョンソンだが、本作で彼が演じる主人公ウィルは、過去の主演作のキャラクターとは、ちょっと傾向が違っている。

なぜなら、過去の任務の失敗による身体的ハンディキャップだけでなく、精神的にもダメージを負い、自分に対して自信を失い悩む主人公だからだ。実際、ここまでハンディを負った主人公を演じるドウェイン・ジョンソンは珍しいのだが、やはりプロレスラー時代に培った抜群の表現力のおかげで、この弱さを持った主人公を突き動かす家族への愛を、見事に表現してくれているのだ。

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本作の製作者であるボー・フリンの言葉を借りれば、本作の重要なテーマである「勇気に限界は無い」、そして「唯一の限界は自分が自分に課しているものだ」。この二つを、その鍛え上げた体と抜群の演技力で見事に体現してくれる存在、それこそがドウェイン・ジョンソンだと言えるだろう。

ド派手なアクションと細やかな感情表現。彼が持つこの両方の魅力が存分に楽しめる本作こそ、アクション映画好きの男性ファンだけでなく、女性ファンにも是非観ていただきたい傑作なのだ。

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最後に

片足が義足という大きなハンディキャップを背負いながら、家族を救うという目的の前にはどんな危険も厭わない主人公ウィル。

銃撃戦や格闘で敵のテロリストを倒して終わりではなく、愛する家族のためにボロボロに傷つきながら、それでも必死で火災や高層ビルの高さと戦う彼の姿に、リアルなヒーロー像を見たという方も多かったのでは?

そう、実は今回、主人公が挑むのが敵の武装集団やビルの大火災だけでなく、自分自身の弱さや過去の失敗によるトラウマとの闘いでもあるという点にこそ、ドウェイン・ジョンソンの新たな魅力が隠されているのだ。

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確かに外見は過去の主演作品と変わらないパワー型のヒーローに見える、主人公ウィル。しかし、その内面には恐れや悩みを抱えており、何ら我々と変わるところがない等身大のヒーローとして描かれている点が、これほど観客の共感を呼ぶ作品に仕上がった理由だと言える。その精神的な脆さと身体的なハンディキャップに立ち向かう主人公だからこそ、我々観客もより彼に感情移入できて、その姿に声援を送ることができるのだ。

思えば、他の多くのアクションスターが、肉体的な衰えや老いという物理的な変化により、自身の弱さを表現し始める時期を迎えるのとは違い、本作のドウェイン・ジョンソンはその抜群の演技力により、現在のイメージを保ったままで、主人公の内面的弱さを表現することに成功している。

行く手に立ちはだかる絶体絶命の危機に直面する度に、家族への想いと勇気を武器にして果敢に挑戦する主人公の姿に、全観客が声援を送らずにはいられなくなる、この『スカイスクレイパー』。

単なるアクション映画には終わらない、観て必ず損のない作品なので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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