片山萌美の足ならOK…!?『富美子の足』淵上泰史インタビュー

谷崎潤一郎の短編を3人の映画監督が現代劇として映像化する「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」。

(C) 2018 Tanizaki Tribute 製作委員会

1月27日公開の『神と人との間』に続く第2弾は、ウエダアツシ監督による『富美子の足』。美しい足を持つ富美子(片山萌美)と、彼女の美脚に魅了される富豪の老人・塚越(でんでん)ら男たちの偏愛を描く物語です。

今回は、本作で塚越の甥であり、やはり富美子の足の魅力にとりつかれてしまうフィギュア作家の青年・野田を演じた淵上泰史さんにお話を伺いました。

作品を見るまで不安しかなかった

──まず、本作に出演することになったきっかけを教えてください。

淵上泰史(以下淵上):『ダブルミンツ』でもご一緒させていただいたプロデューサーの佐藤友彦さんから、「富美子の足を舐めたりするシーンもあるんだけれど、淵上さんがやったことのない芝居を撮りたい」ということでお話をいただきました。

──野田を演じるにあたっての役作りは、どのようにされたのでしょうか?

淵上:野田は原作と映画でキャラクターが違いますので、そこも難しいところだったんですが、フィギュア作家でオタクっぽい役どころということで、まず見た目をしっかりしようと思いました。衣装合わせを2回やったのですが、たくさん衣装を集めた中から、劇中ではいている青いパンツをひっぱりだしました。

実はあれはレディースものなんです。Tシャツは自分でよれよれにしました。あとは、でんでんさんと現場でお芝居をしていく中で生まれるものがあればいいな、と思ってやっていましたね。

──野田は前半と後半でキャラクターの豹変ぶりがすごいですよね。前半は普通の現代的な若者の反応をしていた彼が、後半は犬のようになって、富美子の足を舐める場面もありましたが、どのように演じていったのでしょうか?

淵上:撮影期間も少なかったですし、現場でいろいろと落とし込むしかなかったんですが、舐める行為について、なんでそうなっていったのかという所が難しかった。みんなが虜になる足に最初は興味を示さない野田がどういう経緯で変わっていくのか。

それが、はじめの台本だと弱かったので、時間がない中で、何がきっかけでそうなるのかを話し合いながら進めていきました。ただ、ちゃんと変化を見せられるのか、最初は不安しかなかったですし、完成した作品を見るまでも不安でしたね。

──淵上さんから見て、野田があそこまで変わってしまうきっかけというのはどこにあったと思われますか?

(C) 2018 Tanizaki Tribute 製作委員会

淵上:野田という人は、今まで女性と触れ合う機会がなかったと思うんです。セックスをする経験はあったかもしれないけれど、生身の女性というものに本当に触れたのが富美子で、そのリアルな感覚をきっかけに変わっていったのではないかと思います。

──野田という男に共感する部分はありましたか?

淵上:全くないですね(笑)。僕自身、女性の足への執着、フェチズムなどないですし。だからこそ、思い切りやるしかなかったです。

(C) 2018 Tanizaki Tribute 製作委員会

──映画の中で野田が犬のように「ワン!」と吠えるシーン。あの鳴き声はすごくリアルでした。

淵上:台本にも結構ワンワン書いてあったのですが、僕も実家で犬を飼っていて「ワン」にも違いがあるのは理解していたので、いくつか引き出しを準備しておかないと、と思いました。あとは、でんでんさんから来た感じにそのまま「ワン」を言えればいいんだろうなと思いまして、現場では相当いろいろな“ワン”を言いましたね。

──「ワン」の鳴き声ひとつひとつに違う感情を込めるように…?

淵上:そうです。ただ、もちろん一生懸命ではあったんですが、一方でどこかふざけながらやっていた部分もあったかもしれません。

──あそこまで豹変して犬のようになっていく人間を演じるのは、体力的にも精神的にもきつかったのでは?

淵上:疲れました。声もはったし、四つん這いになって走って、屋根にのぼりましたので。体力的には昔サッカーをやっていてよかったなと思いましたね。あと、同じ時期にドラマ『恋がヘタでも生きています』をやっていたので、全然違う作品をやるというのもきつかった。ただ、それは決して僕だけじゃなく、でんでんさんや片山萌美さん、スタッフの方たちもそれぞれ大変だったと思います。


    ライタープロフィール

    田下愛

    田下愛

    フリーランス・ライター。雑誌、書籍、Webメディアで、幅広いジャンルの仕事をこなして活動中。ファンタジー映画が大好物で、『オズの魔法使い』『ナルニア国物語』『アリス・イン・ワンダーランド』など、魔法やおとぎの国を扱った作品にはすぐ飛びついてしまいますが、一方、『レインマン』のような人間をきっちり描いたドラマも好き。石ノ森章太郎先生をリスペクトする昭和特撮フリークでもあります。

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