犯人の心も救う!? 警察ヒーロー『特警ウインスペクター』【篠宮暁の特撮辞典・第53回】

特警ウインスペクター Vol.1 [DVD]
■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典

敵を倒すより、人々の救出が最優先

『特警ウインスペクター』は『宇宙刑事ギャバン』から続くメタルヒーローシリーズの第9作目かつ、ここから3作続く、レスキューポリスシリーズの1作目です。

敵を倒すことよりも人々を救出することを第一とし、回によっては事件の犯人の心をも救おうとする、それまでの作品では見られなかった人間ドラマに仕上がっています。

従来の特撮作品とは違い、敵組織が存在しないことに当時小学2年生だった僕は、ほんの少し物足りなさを感じたこともありましたが、それを凌駕するクオリティの高い作風とウインスペクターの文句なしのかっこよさに、すぐに虜になりました。

もらい泣きエピソード

襲う!巨大怪鳥

ウインスペクターはファイヤー、バイクル、ウォルターの3人組なのですが、編成が斬新でして、隊長のファイヤー以外の2人がロボットなのです。外見はめちゃめちゃかっこいいのにひと癖もふた癖もあり、三枚目のパートもこなす、愛さずにはいられないキャラクターとなっています。

雨に泣くロボット

僕は特にバイクルが好きで、胸に大きなタイヤがついているビジュアルも好き、ロボットなのに名古屋弁を話すところも好き、少し鈍臭くて人間臭いとこも好きといった感じなのですが、そのバイクルの魅力がこれでもかと詰まっているのが、25話の「雨に泣くロボット」という回。色々事情があって事件を起こした犯人に対して、ロボットなのに胸を痛め、そして機械の目から大量の涙が溢れるシーンは、バイクルファンでなくとも、もらい泣きしてしまうエピソードとなっています。

母と子のSOS!

当然、隊長のファイヤーもめちゃめちゃかっこいいんです。ファイヤーの強化スーツを香川竜馬という主人公がまとう際、ウインスコードというスーパーカーの席で変身するのですが、その車がないと変身できないという設定もドキドキさせますし、この強化スーツで活動できる限界時間が5分というのもハラハラしますし、そのスーツを脱いだあと、竜馬がメットを持ちながら汗を振り飛ばす演出も最高なのです。

主人公より目立つ脇役の存在

翔べ希望の空へ

ただ、そんなウインスペクターを喰ってしまうほどの活躍を見せる方がいらっしゃいます。

仮面ライダーV3』の風見志郎、『秘密戦隊ゴレンジャー』のアオレンジャー・新命明などを演じ、特撮史に強烈な爪痕を残した…いや、いまだに残し続けている、ミスターヒーローこと宮内洋さんが、「ウインスペクター」では、上司の正木本部長という彼らをまとめる立場として登場します。

特撮の司令官役といえば、基地に常駐して、そこから指示を出すというのがお決まりなのですが、そこはさすがの宮内洋さん。現場に出るわ出るわの活躍を見せ、回によってはウインスペクターよりも目立ってしまうこともしばしば。さらに最終回のラストシーンは、この正木本部長のワンショットで終わってしまう有様。ただ、かっこいいから何の文句も言えません。

そのあたりも含めてこの特警ウインスペクター、さっさと見トッケイ!

ここから3作、テーマソングを宮内タカユキさんが担当されるのですが、どれを聞いてカラダ中の血が沸く感じになる程テンションがあがります。

(文:オジンオズボーン・篠宮暁)

※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!

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