美女がオオカミに欲情する映画が、クリスマスイヴに公開される件

ワイルド わたしの中の獣

(C)2014 Heimatfilm GmbH + Co KG

12月24日(土)に映画『ワイルド わたしの中の獣』が公開されます。内容は“美女がオオカミを監禁して次第に欲情していくようになる”という衝撃的なもので、R15+指定大納得の過激さ、かつ 深いテーマ性をも持ち合わせていました。

その魅力を以下に記していきます!

1:恋の相手は本物のオオカミ!
『レヴェナント』よりも過酷なバトルが開幕!?

2016年はサバイバルアクション映画『レヴェナント: 蘇えりし者』が主演男優賞を受賞、並々ならぬ高い評価を得て話題となりました。こちらで多くの方が興奮したのは“クマちゃんVSレオナルド・ディカプリオ”のバトルが壮絶であったことでしょう。

実はこのクマちゃんはCGで作られていて、実際のレオ様はワイヤーで吊られて地面に叩きつけられまくりながら撮影していたそうです。そういえば、少し前に公開された『メン・イン・キャット』でもテキーラを飲むネコちゃんがCGで再現されていましたね。

そんな風にハリウッド大作が実際の動物では撮影不可能なシーンをCGで再現している時代において……この『ワイルド』で登場するオオカミはなんと本物なのです!

そんなわけで、主人公がオオカミに餌をあげるのにビクビクしているのはもはや演技ではなくマジ!オオカミがいる部屋がどんどんボロボロになっていくのも美術がどうこうではなくオオカミが荒らした結果なのでしょう。もはやどこまでがフィクションなのかわからない、頭がクラクラしてしまうような衝撃がありました。

2:ヒロインはまともじゃない?
共感できるかドン引きするかはあなた次第!

主人公は職場と自宅を往復するだけ、上司にこき使われるばかりで、仕事に何の喜びも感じていない毎日を過ごす平凡な女性です。そんな彼女は自宅マンション前の森で見かけたオオカミを見かけ、その野生的な姿に一目惚れ(?)。仕事で立ち寄った洋服工場で働く女性にも協力を仰ぎ、オオカミ捕獲に乗り出すのでした。

「なんでそれでオオカミに手を出すねん」と思ってしまいそうなところですが、主人公は仕事や上司に縛られてしまう“不自由”な生活を強いられていたので、自分とは逆にとことん“自由”に生きているオオカミに魅力を感じていた、というなんですね。彼女が妹以外にまともな話し相手もおらず、抑圧された生活を続けてきたことは序盤からじっくり描かれているので、その気持ちもわかりました。

でも、その自由の象徴のようだったオオカミを捕獲して、アパートの一室に閉じ込めてしまうという彼女の行動は矛盾しています。主人公はオオカミの自由さこそに惚れたところもある(ように見える)のに、彼女自身がその自由を奪っているのですから。と言うか、噛まれればケガどころか死の危険性すらあるオオカミを監禁するという行為自体、常軌を逸しているのですが……。

これは世にある普遍的な恋愛のメタファーなのかもしれませんね。仕事に束縛されがちな女性は、夢見がちで自由奔放な男性に惚れてしまうと、その男性を束縛してしまうものだ、そうして無理に束縛をするとDVをされる危険もある、というような……それは考えすぎかもしれませんが、『美女と野獣』のような素敵なおとぎ話とはまったく違う、現実的かつ、いい意味で意地の悪いメッセージをどことなく感じてしまうのです。

そんなわけで基本のプロットの時点でドン引き必死(あるいは共感?)なのですが、終盤に主人公はとあるヒドいことをやらかします。これは本当にもうヒドい、超ヒドいんだけど、まあそれをするのもある意味納得っていうか、なんていうか……。具体的に何かは言えないので、とりあえず観てください。このヒドいっていうのはいい意味です。

3:オオカミとあんなことまでしちゃう!

前述の通り、本作に登場するオオカミは本物なのですが、主人公はこのオオカミを性的な対象として見るようになっていって……ついにオオカミに◯◯◯をさせてしまうのでした。この◯◯◯にはR15+指定なことが入ると思ってください。

主人公は愛しのオオカミを監禁しての自由を奪ったけど、そのオオカミの“野生”は奪えなかった。野生のオオカミには社会的な合理性も道徳も何もない。ただ本能的な食欲や性欲があるだけ……彼女もそのオオカミのような本能に従っただけ……主人公とオオカミは、そんな奇妙でぶっ飛んだ関係になっていくのです。これも、1つの愛の形なのでしょうか?

まとめ:人間は大変だ!

本作を観ると、“人間として”普段の社会生活を送っていることが、いかに大変だったかも痛感できるでしょう。本作で訴えられていることは“人間は野生的なところを持っているが、それを隠して生活しなければならない”ということもあるのですから。

本作を見終えた後は、恋人や親しい人に日頃の悩みを打ち明けたり、何かの問題提起をできるきっかけになるかもしれません。本作の主人公は鬱々とした気持ちが積もった結果としてモラルに反した行動に出てしまいましたが、別の形で何かの欲求を表に出す方法(たとえば誰かに相談する)もあるはずですものね。

それにしても、本作が街で恋人たちの心が浮き立つクリスマスイヴに公開されるというのが一番の衝撃ですね。でも、ゲイ解放運動を描いた『ストーンウォール』も同日に公開されていますし、こうした愛の多様性を描いた作品こそ、12月24日に観るべきなのかもしれませんよ。

(文:ヒナタカ)

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