まさにプレミアムな『グラスホッパー』大ヒット御礼舞台挨拶!そして、じっくり味わいたいアート系映画2選


 

 

  • FOUJITA

 

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2015年11月14日から角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督・脚本:小栗康平
出演:オダギリジョー、中谷美紀、アナ・ジラルド、アンジェル・ユモー、マリー・クレメール、加瀬亮、りりィ、岸部一徳、青木崇高、福士誠治、井川比佐志、風間杜夫 ほか
©2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド

 

第43回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した『死の棘』などを手がけた小栗康平監督の10年ぶりの新作、『FOUJITA』。
1920年代からフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治を主人公に、彼が生きた激動の時代を描いた意欲作です。

藤田嗣治は1886年に東京で生まれ、27歳の時、単身渡仏。
パリで「乳白色の肌」の裸婦を描き、エコール・ド・パリの寵児に。
ピカソやモディリアニらと共に注目されました。
第二次世界大戦中は日本に戻り、「アッツ島玉砕」といった作風が全く異なる「戦争協力画」を発表。
日本美術界の中で重鎮として登り詰めていくも、疎開先の村で敗戦を迎えることに。
戦後は再びパリに戻り、カトリックの洗礼を受け「レオナール・フジタ」として晩年を過ごし、さらにフランス国籍を取得。
二度と日本の土を踏むことなく、その生涯を終えました。
波乱の人生を送った日本人画家・フジタを演じるのは、オダギリジョー。
フジタの5番目の妻・君代役は、中谷美紀。
ほか、フランスからはアナ・ジラルド、日本からは加瀬亮、岸部一徳ら、日本とフランスの実力派キャストが集結しています。

フジタの生涯を追ったいわゆる伝記映画ではなく、1920年代のパリと1940年代の日本を並べ、文化・歴史の違いを浮かび上がらせる作りとなっている本作。
スクリーンに映し出される、絵画や彫像の佇まい。
静と動、光と影のコントラスト。
息をのむような美しさと得も言われぬ不気味さが共存した映像。
どれを取っても、2つの国と時代に翻弄されながらも自らの表現を追求したフジタの “内なる世界” に触れているかのよう。

そんな映画『FOUJITA』は、芸術家を目指す現代の若者の目にはどのように映ったのでしょうか…。
全国公開に先駆けて、美大生50人をお迎えしたティーチイン試写会を都内にて開催。
小栗康平監督、オダギリジョーさん、中谷美紀さんが出席しました。

 

 

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上映終了直後、シーンと静まり返る会場。
まだまだ映画の余韻に浸りながらも、目の前にズラリと並んだゲストにちょっぴり緊張した面持ちの学生さんたち。
オダギリさんの「今日はお手柔らかに…」という茶目っ気あるご挨拶で、一転、場が和みました。

 

 

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まずは、劇中にも登場するフジタが描き上げた「五人の裸婦」「アッツ島玉砕」について、神奈川県立近代美術館の水沢勉館長が解説。
西洋と日本、2つの文化を生き抜いたフジタの絵画的アプローチについてのお話は、とても興味深いものでした。

 

 

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その後、学生さんとのティーチインタイム。
「非説明的で物静かな画面に、独特な会話がすっと入ってくるのが印象的」
「絵は1人で描くけれど、映画は大勢で作る。そんな中で役者が監督に反抗する手段は?」といった感じで、率直な感想、鋭い質問が飛びます。
メディアでは、オダギリさんが「今回は(小栗監督に対して)ゼロ反抗」と答えた場面が多く取り上げられていましたが、ゲストの方のお答えはどれも表現者としての核心に触れるものばかり。

「映画を見る時、人は言葉と動きだけで『わかる』『わからない』という判断をしがち。しかし映画の醍醐味とは、選ばれたフレームの中で言葉が散ったり沈んでいったり、日常会話とは違う響きが画面の中でよみがえることだと思います」と、小栗康平監督。

「この映画はフジタの教科書でもなければ歴史を学ぶものでもないということを、今日あらためて感じました」と、オダギリジョーさん。

「感動の涙や笑いでなく、見終わったあとの沈黙こそがこの映画に対する賛辞だと思います」と、中谷美紀さん。

静かに語る言葉ひとつひとつに、私も目からウロコが落ちる思いで司会を務めさせていただきました。

 

 

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