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2022年02月10日

「相棒 season20」第15話レビュー:風間杜夫演じる詐欺師再び!騙し騙され…一番の嘘つきは誰?(※ストーリーネタバレあり)

「相棒 season20」第15話レビュー:風間杜夫演じる詐欺師再び!騙し騙され…一番の嘘つきは誰?(※ストーリーネタバレあり)


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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘の二人からなる警視庁・特命係が事件の謎を解いていく人気長寿シリーズの本作。今シーズンの最終話をもって7年相棒役をつとめた反町隆史が卒業することが決定しており、右京と冠城の“最終章”がどのように描かれるのかも見どころの一つだ。

本記事では、その第15話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒」第15話レビュー

冒頭、繁華街で見つかったのは覚せい剤の売人・目黒の遺体。さらに都内のマンションで男性の転落死体が発見された。ただし、今回は厳密にいうとこれら殺人の謎解きストーリーではない。先に言ってしまうが、転落死については自殺らしいと途中で判明した。

この第15話のメインは、元詐欺師の平井貞夫(風間杜夫)と他の者たちによる“騙し合い”だ。


かつて“青空らくだの会”なるうさんくさい団体を装い、右京(水谷豊)や冠城(反町隆史)と化かし合いを演じた平井。当時ひったくり犯を見過ごせず撃退したせいで正体を突きとめられてしまった。このことからわかるように、詐欺師のくせに人のよいところがある彼。ベテラン俳優・風間杜夫の人間味あふれる演技で、なんとも憎めないキャラクターに仕上がっている。

罪を償った平井は転落死体が見つかったマンションの管理人になっていた。ちなみに、マンションの住人が撮影した現場の動画を見て平井がいるのに気づいたのは青木(浅利陽介)。粘着気質の彼は、前回の事件のときに平井にお金を巻き上げられそうになったのを根に持ち続けていたらしい。

このマンションに平井の昔なじみの詐欺師・工藤(玉置孝匡)が麻薬の運び屋の男とやってくる。彼らは空き室を利用して麻薬が届くよう手配していたのだ。しかし、肝心の麻薬が消えてしまう。


麻薬探しを手伝う羽目になる平井。すると、今度は特命係が転落事故を調べに訪れる。しつこくいろいろ食い下がる右京たちに手を焼く平井。そこへ例の空き部屋の隣人である桜田成一(樋浦勉)・美月(関谷奈津美)の親子が現れる。年老いた父と暮らす優しそうな娘・美月に平井はときめいているようだ。

ところが、この桜田親子が麻薬の消失に関わっている可能性が出てきてしまう。麻薬を隠したぬいぐるみに付いていたペンダントを成一が持っているのを、工藤たちが目撃したのだ。

水漏れがあったので確認させてくれと嘘をついて桜田家の部屋に入る平井と工藤。しかし、麻薬は見つからない。業を煮やした工藤は「定時が過ぎたら防犯カメラのスイッチを切れ」と平井に命じる。

美月を守りたい思いから電源を切るか否か迷い、駆け落ちしようか?とまで考えだす平井。そこへ特命係がやってきた。

その後、平井は工藤に電話をかける。刑事が近くではってるから今夜は来ないほうがいい。麻薬はお金でとりかえそう……と提案。明日、公園で美月が麻薬の入った袋を落とすからお金の袋とすり替えるようにと指示した。

翌朝、公園を訪れて、平井に言われた通りに美月の落とした袋をすり替えた工藤。しかし、彼の前に清掃活動員姿の右京と冠城が立ちふさがった。


ナイフを持って美月たちを襲おうとした運び屋の男も平井と伊丹(川原和久)たちの活躍で無事捕獲。目黒殺人の容疑者でもある彼は工藤ともども連行されていった。

右京たちと協力して大嘘をつき、見事工藤たちを出し抜いた平井。美月が襲われそうになった際身を挺して守ろうとした姿は見ていて胸が熱くなった。やはり、この男は真から悪い人間では決してない。

だが、平井が心を寄せた美月の意外な正体を右京が明らかにする。実は彼女もまた詐欺師だった。美月の本名は梅田真知。なりすまし詐欺の常習犯で、三か月前に警官を装って闇カジノの売上金を巻き上げ、捜査を逃れるために成一の娘になりすましてともに暮らし始めた。例の麻薬を横取りしたのも彼女。成一の車椅子に隠しているのを右京はしっかり見抜いていた。

正体がばれて観念する真知。しかし、そこにはさらにもう一人嘘をつき通していた人間がいた。右京たちに「娘は渡さん」と怒った成一だ。彼は真知が娘でないと知りつつ気づかぬふりをして一緒に過ごしてきていた。本当の娘と何年も音信不通だという成一にとって真知は「よく世話してくれて楽しかったんだよ。それで十分」という存在だったのだ。

詐欺師たちが騙し騙されの戦いを繰り広げた今回。一番の嘘つきは、右京ですら見抜けぬ演技をしていた一般人の成一だった。ただ、右京もまた嘘については相当長けていると再認識させられた。不動産屋を訪れた際、冠城を自分の甥と偽ってにこやかにでたらめを並べたてていた彼。人情が垣間見られる平井よりも、むしろ冷静に嘘が付ける右京こそが、詐欺師になったら一番怖いのではないだろうか。

(文:田下愛)



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