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2015年12月17日

『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア③

『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア③


E.T.まで登場した
『ファントム・メナス』


さて、ジェダイは本来結婚してはいけない規則になっていますが、本作から登場するキ=アディ=ムンディは例外的に結婚を認められています。
これは彼の出身惑星スリアの男性が極端に少ないためで、彼は数人の妻と数人の子どもがいるという設定。
どうやらこの惑星は一夫多妻制まで認められているようですね。

同じく本作から初登場した惑星ナブーの原住民グンガン人のジャージャービンクスですが、その空気を読まないキャラが世界的にも大不評で、アメリカ本国でも毎年最低映画に贈られる不名誉なラズベリー賞の2000年度最低助演男優賞を受賞するなど、シリーズ史上もっとも不愉快な嫌われキャラクターとなってしまいました。

このせいか、続く『エピソード2/クローンの攻撃』での出番は大幅に減らされ、『エピソード3/シスの復讐』ではわずか一瞬の出演となりました。ここまでくると、ちょっと可哀想かなという気もしないではありませんが……。

ジェダイは本来死んだら消えてなくなるという設定なのですが、『ファントム・メナス』のクワイ=ガン・ジンの体は消えずにそのまま残ります。
これはルーカスのうっかりミスで、後に映像を見たプロデューサーのリック・マッカラムから「これは何かの伏線なの?」と素朴に問われ、そこで初めて気がついたものの、既に後の祭りではありました⁉

『ファントム・メナス』のお遊びとしては、会議場のシーンで一瞬だけ『E.T.』が映りますが、これはルーカスとスティーヴン・スピルバーグの仲だからこそ実現したショットともいえるでしょう。
(82年のスピルバーグ監督作品『E.T.』の中には『スター・ウォーズ』関連のフィギュアなどが映されたり、またヨーダのコスプレをしている子どもも登場しました)

『ファントム・メナス』は2012年に3D版が公開されましたが、正直技術的に未熟な部分もあり、ファンからも不評を買い、シリーズ6作全てを3D化するという計画は現在のところ中断したままです。

もっとも今回のエピソード7『フォースの覚醒』は2D/3D仕様となっていますので、いずれは最新技術をもって計画が再開されることでしょう。

長編映画初のフルデジタル撮影作品
『エピソード2/クローンの攻撃』


『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)からは青年になったアナキン・スカイウォーカーが登場します。

アナキンを演じるヘイデン・クリステンセンは、ジョージ・ルーカス曰く「ダークな雰囲気を持っている」という理由で抜擢されたとのことですが、ダース・ベイダーの闇にこだわり続けるルーカスもまた、どこかしら闇に魅せられてきた人間なのかもしれません。

『クローンの攻撃』のキャスティングでもっとも目を見張るのは、ドゥクー伯爵役のクリストファー・リーでしょう。
数々のドラキュラ映画で知られる名優の彼ですが、『エピソード4/新たなる希望』(77)にもドラキュラを追い続けるヘルシング教授役で知られるピーター・カッシングが出演していました。
旧3部作のピーター・カッシングと、新3部作のクリストファー・リー、ふたりのドラキュラ映画の名優の存在は、『スター・ウォーズ』サーガの闇の魅力をいっそう際立たせることになりました。

本作に登場する賞金稼ぎジャンゴ・フェットのエピソードは旧3部作ファンにとってはニンマリさせられるものがあります。
彼の息子ボバ・フェット少年は、やがて『エピソード5/帝国の逆襲』(80)『エピソード6/ジェダイの帰還』(83)でダース・ベイダーの信頼も厚い賞金稼ぎとしてお目見えし、『エピソード4/新たなる希望・特別篇』(97)にも合成で登場シーンが加えられたほどのひそかな人気キャラなのです。
本作では『5』『6』につながるボバの因縁などもさりげなく描かれています。

なお本作は、長編映画で初めて全編HD24Pによるデジタル撮影が行われたことでも記念すべき作品で、生身の人間が出演しているシーンはすべてグリーンバック合成が行われています。

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