映画コラム

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2016年12月30日

キャリー・フィッシャー激動の人生!「ハリウッドにくちづけ」はSWファン必見!

キャリー・フィッシャー激動の人生!「ハリウッドにくちづけ」はSWファン必見!

「ローグ・ワン」が先頃公開され、来年はいよいよ「エピソード8」が公開!という中、レイア姫役で有名なキャリー・フィッシャーが、12月23日にロンドンからロサンゼルスへ向かう飛行機内で心臓発作を起こし、到着したロサンゼルスの病院に緊急入院したとの報が世界を駆け巡ったのは、つい先日のこと。


一時は一命を取り留め安定したと伝えられたが、12月27日に容態が急変し死去したとのニュースが報じられた。享年60歳、まだまだ活躍が期待される年齢であり、今後のSW作品に必要不可欠の存在が星に帰った事実は、世界中のファンの悲しみを誘う大事件となってしまった。

今回、彼女への追悼の意味を込めて紹介するのは、彼女が自身の過去の薬物依存から立ち直るまでを綴った自伝的小説、「POSTCARDS FROM THE EDGE」の映画化である、1990年公開の「ハリウッドに口づけ」という作品だ。

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主演に演技派女優のメリル・ストリープ、共演にベテラン女優のシャーリー・マクレーンを迎えて製作された本作で、実は彼女は原作だけでなく脚本も担当。劇中で見事な歌声を披露している主演のメリルストリープは、本作の演技によりアカデミー賞やゴールデングロ−ブ賞、英国アカデミー賞の主演女優賞にノミネーされており、中でも英国アカデミー賞においてはキャリー・フィッシャー自身も、脚色賞にノミネート!これは彼女の書き手として才能を証明するものだと言えるだろう。
彼女の波乱に満ちた半生を綴ったこの作品を、今回は紹介させて頂こうと思う。

予告編




ストーリー


映画の撮影の最中、ドラッグの過剰摂取で病院に担ぎ込まれたスザンヌ(メリル・ストリープ)は一命をとりとめたものの、リハビリ施設へ入所することになる。やがて女優業を再開させようとするが、彼女のエージェントであるマーティの助言で母親との同居を余儀なくされる。大女優だった母・ドリス(シャーリー・マクレーン)もまたアルコール中毒気味の生活で、何かに付けて衝突する母親との生活に、スザンヌは居心地の悪い思いをすることに。
キャリアの建て直しのため、低予算のB級アクション映画に出演することになったスザンヌは、待遇の低さや周りのスタッフからの中傷にウンザリしながらも、演技を続けるしかなかった。そんなある日、スザンヌの前に若くて魅力的なプロデューサーのジャック(デニス・クエイド)があらわれる。実は彼こそが、ドラッグの過剰摂取で倒れたスザンヌを、病院に担ぎ込んでくれたその人だった。果たしてスザンヌは女優として復帰できるのか?


あのレイア姫に、こんな過去が!母親との激しい確執、そして感動のラスト!


作品中では、もちろん実名は使用していないのだが、本作で描かれているのは間違いなくキャリー・フィッシャー本人と、母親である往年の大スター、デビー・レイノルズとの、激しい母娘の確執と和解への長い道のりだ。

本作で描かれる、「いつまでも娘を半人前にしか扱わず、過度に干渉する」母親像。
そして、その母親という巨大な存在に押しつぶされそうになり、薬物に手を出していった娘。しかし、実はその母親自身も、更に自身の母親(キャリー・フィッシャーにとっては祖母!)との関係に悩んでいた!という事実は、正に「親娘3代に渡る負の連鎖」とも言えるものだ。

映画の終盤、酔っ払い運転で衝突事故を起こした母親が入院!病室へ見舞いに行った主人公の前に現れた祖母が、自分と母親に嫌味や皮肉を浴びせかけるのを見た主人公は、実は母親も自分と同様に、祖母から認められずに育ったという事実を知る。
「母は、実は自分を認め無かったのでは無く、自分に嫉妬していた?」
その事実に気が付いた主人公が、遂に母親の立場と気持ちを理解し、和解することで初めて前向きな人生への一歩を踏み出すラスト!
本編中で披露する、メリル・ストリープの見事な歌声と並んで、ここは本作最大の見所と言えるだろう。
昨年公開された「フォースの覚醒」で、息子の成長に悩むレイア姫を見事に演じた彼女の背景には、きっとこの時の実体験が影響していたに違いない。

本作「ハリウッドに口づけ」の原題、「崖っぷちからの便り」の言葉通り、正に人生の「崖っぷち」で開花した自身の「文才」により、彼女はこれ以降女優と並行して、脚本家・スクリプトドクターとしてのキャリアを歩むことになるのだから、人生は本当に不思議なものだ。
ただ後年、彼女の女優としてのキャリアにおいて、その役柄の多くが自身のスキャンダル絡みの話題性狙いの出演だったり、レイア姫やSWネタでのオチ用員としてのカメオ出演が目立ったのは、今となっては非常に残念でならない。

最後に


必ずしも晩年は恵まれたキャリアとは言えなかった彼女だが、人生のラストをSWの新作出演で締めくくれたことは、彼女にとって何よりの幸せだったと言えるのではないだろうか。
ニュースによれば、既に彼女の「エピソード8」への出演シーンは撮影済みであり、今回の訃報を受けてレイア姫の扱いが、当初の予定よりも更に重要な物になるとか。
来年の「エピソード8」公開を前に、彼女の背景や演技的ルーツを知るためにも、この「ハリウッドに口づけ」を見ておくことは、真のSWファンを目指す者にとって必須だと言えるでしょう。もちろん、母と娘の絆を描く人間ドラマとしても優れているので、全力でオススメします!

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(文:滝口アキラ)

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