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2022年11月07日

<ジャパニーズスタイル>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ジャパニーズスタイル>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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浅月凛吾郎(石崎ひゅーい)の仕事を手伝い、支配人・影島駿作(要潤)の車を洗車するなど、従業員に取り入ってなんとか 「虹の屋」に滞在を続ける柿丘哲郎(仲野太賀)。そんな時、警察官の笹原(松尾諭)が、梅越一二四(柄本明)の推すご当地アイドルがキャンペーンガールを務める飲酒運転撲滅のポスターを持って訪ねてくる。実は笹原は、哲郎が所属していたバレー部のOB兼コーチで、2人は12年ぶりの再会を喜ぶのだが、寺門・ルーシー・数子(市川実日子)とオセロに興じていた浮野奏太(KAƵMA)の表情はなぜか曇って…。

やがて、1日だけの約束が何日も居座る哲郎に、浅月桃代(檀れい)が苦言を呈する。出て行かない場合は、哲郎の両親である社長と女将に報告すると告げるが、哲郎は父親が許したら真っ先にクビを切るのは桃代と凛吾郎親子だと挑発するのだった。しかし桃代から、10年前にやらかした哲郎の悪行を暴露されて――。東京に戻ると啖呵を切って旅館を出ていく哲郎だが、ルーシーと浮野は再び戻ってくるかどうかビールを賭けるのだった。

2時間後。哲郎は周囲を警戒するように「虹の屋」に戻ってくる。浮野との賭けに勝ったことをはしゃぐルーシーだったが、哲郎は東京に帰る前に挨拶に行った笹原が勤務する交番で、浮野にまつわる重大な事実を知ってしまったそうで…!?

2時間ドラマオタクで事件の匂いを嗅ぎつけると面倒臭くなる影島は哲郎とともに、留守にしている浮野に関して様々な推理を開始するのだった。


第2話のレビュー

今夜も始まったドラマ「ジャパニーズスタイル」。第2話では、ドラ息子のリベロウこと、哲郎(仲野太賀)が戻ってきた老舗旅館「虹の屋」に小さな事件が起きる。

初回の放送から「ドラマ版ファーストテイク」とも言える、ライブ感溢れる名優たちの芝居に注目が集まった本作。ほぼ一発撮りのため、何が起きるかわからず、観ているこちらもドキドキする。

やはり最も目が離せないのが、仲野大賀だ。主演だから舞台にほぼ出ずっぱり。しかも、テンション高めの演技をしているからか、その額には大量の汗が滲んでいる。

本人は座長として真摯に芝居にのぞんでいるのに、演じているのが誠実さのかけらもない役でそのギャップがまた面白い。今回も哲郎は清々しいまでのクズっぷりを発揮している。

仲居頭の桃代(檀れい)に、あの手この手で実家滞在を認めてもらおうとする哲郎。桃代の息子である凛吾郎(石崎ひゅーい)を先輩と崇め、その仕事を手伝ったり、潔癖症の支配人・影島(要潤)の車をピカピカに洗車したり、必死で外堀を埋めていく。

しかし、桃代の哲郎に対する厳しい姿勢は揺るがない。それには理由があった。10年前に「客を迎えに行く」と送迎車で旅館を出たまま、行方をくらませた哲郎。大切なお客さんを駅に放置しただけではなく、送迎車を海外の悪徳ブローカーに転売し、そのお金を生活費に充てていたらしい。

みんなの前で悪行をバラされ、哲郎は逆ギレして「虹の屋」を飛び出す。桃代に「クソババア」と捨て台詞を吐いて。救いようがなくて困る。だけど、ここから更にプライドだけが肥大化した哲郎の情けなさに拍車がかかっていく。

今回の事件の発端は、哲郎がかつて所属していたバレー部のコーチ・笹原(松尾諭)の勤務する交番で、料理長の浮野(KAƵMA)にそっくりな指名手配犯のポスターを見つけたことに始まる。

変装を駆使し、土地所有者になりすまして不動産会社から多額の金をだまし取った罪で指名手配されている犯人と見た目が瓜二つ。さらに3年前まで海外で料理人をしていたこと、ほとんど旅館から出ず、外出時にはいつも顔を隠していることから浮野に疑いの目を向ける従業員たち……。

哲郎にとっては美味しい状況。もし浮野が指名手配犯なら、彼を採用した桃代に責任が問えるからだ。そういうことに関しては頭が回るのだからこれまたタチが悪い。

でも実は指名手配されていたのは、浮野の双子の兄。一卵性で見た目がそっくりだから、浮野は何度も犯人と勘違いされてきた苦労人だった。そんな浮野に哲郎が放った言葉がこちら。

「(双子は)考え方や発言がシンクロするっていうじゃないですか。いつか同じような犯罪をする可能性ありますよね?」

はい、ダメーーー!!終了ーーー!!!と思わず口にしてしまった。

桃代は怪しい霊媒師に入れあげているし、影島は2時間ドラマ好きが講じて旅館のオーナーになっちゃうし、梅越(柄本明)はご当地アイドルを追っかけるために多額の借金をしているし。とんでもなく癖の強い登場人物の中で、誰よりも主人公である哲郎がヤバいというカオスな空間がそこに広がっている。

ただ、そんな哲郎を何だかんだ憎めないキャラクターに仕上げるのが仲野太賀の凄さ。ルーシー(市川実日子)みたいにいじりたくなる、5歳児のような愛らしさがある。全身全霊をかけて、哲郎を演じる仲野太賀の姿を今後も見守っていきたい。

※この記事は「ジャパニーズスタイル」の各話を1つにまとめたものです。

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