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2023年02月02日

実写版『ガンニバル』過去最高の柳楽優弥!シーズン2が始まる前に衝撃と面白さを語りたい

実写版『ガンニバル』過去最高の柳楽優弥!シーズン2が始まる前に衝撃と面白さを語りたい



柳楽優弥の正義感と暴力性が同居する役へのハマりぶり

本作の最大の魅力と言えるのは、主演を務めた柳楽優弥。主人公に彼をキャスティングしたことでもう「勝ち」とも言えるし、期待に最大限に応えた素晴らしい演技と存在感であり、もはや過去最高の柳楽優弥だと断言できるほどだった。

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何しろ、主人公は初めこそ正義感と家族への愛情に溢れ、人付き合いもきちんとしているまともな人間……に思えるのだが、一方で時おり制御不能の暴力性を見せる場面もある。



村人たちへの言動も、警察官として真っ当な対応または正当防衛に思える時もあれば、「流石にやりすぎ」と言わざるを得ない箇所もあるし、後に明かされる「とある過去」でもやはり彼の暴力性があってこその悲劇が描かれている。

柳楽優弥は、その太い眉毛、鋭い眼差しが特徴的な方で、正直に申し上げれば「威圧感」「怖さ」を感じるところもある。もちろんその印象とギャップのある善良な役を演じる時もあるが、時には『ディストラクション・ベイビーズ』でいっさいの感情移入を阻むほどに暴力に取り憑かれた役に徹したこともあった。



そんな柳楽優弥が、この『ガンニバル』では、「人としてまっとうな正義感」と、「行き過ぎた暴力性」の間で揺れる役に扮しているというわけだ。観ている側からすれば、「そうだ!やってやれ!」と心から応援できる場面もある一方、「ちょっ……この人やりすぎだし、大丈夫か……?」と不安になってしまうシーンもある。その相対する印象を主人公に持つことも重要で、だからこそのハラハラドキドキもあったのだ。

なお、原作漫画を後追いで読んでみると、そちらの主人公は「ちょっと斜めに構えた、ひょうひょうとしているところもある、やさぐれた中年男性」という感じで、ドラマ版とは少し印象が違う。もちろんどちらの主人公も魅力的であるし、正義感や家族への愛情は共通しているのだが、ドラマ版で柳楽優弥が演じたことにより、おぞましい噂に挑む主人公の物語が、さらに多層的になっている印象もあった。漫画とドラマ版の主人公を見比べても、面白いだろう。

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また、柳楽優弥以外のキャスティングも完璧という他ない。主人公を支えるも気の強さがある妻を演じた吉岡里帆、村を喰らう家系の1人で疑いのある青年役の笠松将、 見るからに優しそうで安心してしまう中村梅雀、はたまた高杉真宙倍賞美津子も凄まじいインパクトを残してくれる。それぞれの俳優のファンにとっても必見作だ。

原作からのアレンジの見事さ

『ガンニバル』は漫画からドラマへのコンバートの仕方も、これ以上はないというほどに的確だった。筆者は後述する理由で、原作漫画を5巻までしか読んでいなくて申し訳ないのだが、それでも基本的には漫画を忠実に再現しながらも、ドラマ独自の細部のアレンジが非常に「効いていた」ことがよくわかった。

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例えば、漫画版では「この村にもう慣れましたか?」と聞かれ「とってもいいところです」と答える場面が冒頭にあり、主人公は新参者であっても「少し慣れた」描写がされている。反面、ドラマ版では家族と共に村に越してきた場面、それこそ「初めはけっこう気さくに受け入れられる(ように見える)」ことから始まるからこそ、その後で「この人たち、どこかおかしい」と思えるギャップがよりダイレクトに感じられるようになっている。

それ以外は、後から漫画を読んでみると、なるほど大部分は忠実に再現している……と思いきや、度肝を抜かれた第3話クライマックスのアクションが、漫画では違う展開だったことに驚いた。ここはアクションそのものが、規模もカメラワークも見せ方も何から何まで、日本のドラマで「ここまで」できたことに感動があったのだが、漫画以上のインパクトを作り出していたことも賞賛するしかない。

そして、その第3話でここまでの事態が起こってしまうと、「それでも主人公が村に残り捜査を続けていく」説得力がなくなってしまいそうなところだが、これにもドラマ版は上手く理由づけをしているし、第4話はそこに主眼を置いた内容と言っても過言ではなかった。

そして、第6話で主人公が家族にあることを告げるまでの過程は、ドラマ版と漫画(第4巻)で大きく異なっている。ここは、前述してきた正義感と暴力性の間で揺れる、柳楽優弥が演じてこその主人公の「らしさ」も存分にある、見事なアレンジだった。

なお、このドラマ『ガンニバル』は、『岬の兄妹』や『さがす』の片山慎三監督(第4~6話は川井隼人監督が担当)と、『ドライブ・マイ・カー』で共同脚本を務めた大江崇允が送り出している。その時点で映画ファンにとっても見逃せないだろうし、その実力派タッグが組んでこその見事な原作の再現&アレンジ、何より作品としてのパワーが生まれたのも間違いない。

※これより最終話・第7話の筆者の視聴後の感想を記しています。具体的な展開のネタバレはありませんが、ご注意ください。

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