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2023年02月18日

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー



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泰生(白鳥晴都)を突き落とした犯人を明らかにするため、正式に出馬を決めた鷲津(草彅剛)だったが、その矢先、対立候補として人気フリージャーナリストの有馬保奈美が出馬すると聞かされる。保奈美は記者として前内閣を解散に追い込んだ、いわば現竜崎内閣誕生の立役者であり、総理の竜崎(高橋克典)とも親しい間柄。無所属で出馬するというが、背後に竜崎がいることは明白だった。鶴巻(岸部一徳)は、突如現れた刺客にいまいましそうな表情を浮かべ、鶴巻派の議員の頭数を減らそうとする竜崎の差し金だと眉をひそめるが、鷲津は、竜崎が何らかの理由で自分を永田町から排除しようとしているのではないかと考えをめぐらせる。

選挙ポスターの撮影に選挙事務所の設営と、公示を前に本格的な準備が始まると、可南子(井川遥)も事務所に顔を出すように。梨恵(小野花梨)と眞人(杉野遥亮)、そして貝沼(坂口涼太郎)も、これから始まる選挙戦に向けてせわしなく動き回るが、そんななか、早速、有馬陣営から嫌がらせともいえる仕打ちが。さらに、竜崎によって頼みの応援演説の日程も次々と変えられてしまい、鷲津陣営は苦しいスタートを切ることになり…。

第5話のレビュー

このドラマの癒しポイント、蛯沢(杉野遥亮)が蛍原(小野花梨)に得意の植物トークを繰り出すシーンも、今回はなんだか切なく映る。

蛍原は知ってしまった。蛯沢が犬飼大臣(本田博太郎)に恨みを持つきっかけに、鷲津(草彅剛)が絡んでいたことを。鷲津が犬飼への報告を怠ったために、蛯沢の兄が出した陳述が正しく受け取られなかったことが原因だったのだ。

その事実を、蛯沢は知らないのか、それとも、知っているのか。

千葉15区に出馬を決めた鷲津が着々と選挙準備を進めるなかで、スパイ疑惑が立つ。身内しか知らないような情報が外部に漏れ、嫌がらせのネタにされているのだ。

対立候補として、竜崎総理(高橋克典)の息がかかっていると思われる有馬保奈美がいる。有馬側から、スパイが送られているのではないか。

竜崎総理側はほかにも、鷲津側が用意したウグイス嬢を引き抜くなどの嫌がらせを重ねてきた。厳密には、竜崎総理がやった明確な証拠はないにせよ、鷲津が当選するのを避けたがっている様子は伝わってくる。

いったい、誰がスパイなのか? 疑心暗鬼になるなかで、蛯沢に疑いがかかってしまう。気の知れた友人に牛丼を奢り、話の流れで「選挙に行ってくれ」と声をかけてしまったらしい。

選挙期間は何かと制約があるし、物のやりとりにも慎重にならなければいけない。プライベートでご飯を奢るのもダメなのか……と少々驚いてしまうが、こういった場合の線引きは、ゆるいよりも厳しいほうが、罰する基準が明確になるため楽なのかもしれない。

蛯沢が例の事実を知っており、鷲津に復讐する機会をうかがっているのでは、と心配する蛍原。しかし、その心配は杞憂だった……と思いたい。友人に奢った牛丼代を返してもらい、息も絶え絶えに「これで大丈夫ですよね、違反になりませんよね」と口にする蛯沢。どうか最後まで白であってくれ、と願ってしまう。

あらゆる妨害に屈しそうになるも、どうにか選挙期間最終日、鴨居大臣(片平なぎさ)を迎えての演説に間に合った鷲津。まさに“魂”が込められた、圧倒される演説シーンだった。

鷲津が選挙に立候補したのは、あくまで息子のためであり、息子を突き落とした(=事件を隠蔽しようとした)真犯人を突き止めるため。言ってしまえば、身内のために私利私欲で代議士を目指したと糾弾されても、おかしくない状況である。

そんな鷲津が、演説で高らかに「地域活性」や「経済復興」を約束したとしても、耳を傾けてくれる人はいるのだろうか。言葉が届くのだろうか。そう思っていたが、鷲津は静かに「ズルくて、弱くて、カッコ悪い大人」と、自分の言葉で話し始めた。

弱い立場では何もできない、強い権力に立ち向かうための力を授けてほしいと、彼自身の言葉で語ったのだ。その温度のある気持ちが通じたのか、鷲津は見事に当選を果たした。

彼は、力を手にした。状況としては一歩進んだように思えるが……。5話の終盤にして、黒幕が総理ではなく、鶴巻幹事長(岸部一徳)である可能性が浮上。こうなってくると、鶴巻がやけに鷲津の応援に力を貸していたことと、矛盾するようにも思える。

力を得た鷲津は、真犯人に辿り着けるのだろうか。

※この記事は「罠の戦争」の各話を1つにまとめたものです。

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