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2023年02月18日

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<罠の戦争>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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鴨井(片平なぎさ)が、泰生(白鳥晴都)を転落させたのは息子の文哉(味方良介)だと公表し、議員を辞職。名前こそ出さなかったものの、鶴巻(岸部一徳)が警察に圧力をかけたことをにおわせたため、永田町には激震が走り、対応に追われる鶴巻派は大混乱。鷲津(草彅剛)を追い詰めた矢先、鴨井に足元をすくわれる形となった鶴巻は、思わぬ事態に苦々しい表情を浮かべる。

幹事長をつぶすなら今しかない――。鶴巻が事件の隠ぺいに関与していたことを裏づけ、追いうちをかけたい鷲津は、鶴巻が口封じに更迭させたと思われる事件の管轄署の元署長・辰吉から証言をとるべく、その行方を追う。一方、世論の反発が高まったことを受け、クリーンな政治を印象づけたい竜崎(高橋克典)は、一連の疑惑を徹底的に調査すると報道陣の前で明言。事実上、総理が味方になったといっても過言ではない状況に、追い風を受けた鷲津は…。

第9話のレビュー

正義の反対は悪ではない。また別の正義だ……という言葉を、一度は聞いたことがあるかもしれない。どんなに悪側に見えても、立場や状況が違えば変わってくるものだ。愛する息子を傷つけられ、強い権力に立ち向かうために議員にまでなった鷲津(草彅剛)にとっても、例外ではない。

果たして、彼は“正義”なのだろうか。

鴨井大臣(片平なぎさ)の辞職、鶴巻幹事長(岸部一徳)の隠蔽工作への関与が仄めかされ、鷲津と可南子(井川遥)が企ててきた復讐計画にも大手がかかった状況である。あとは、蛍原(小野花梨)や蛯沢(杉野遥亮)、鷹野(小澤征悦)や熊谷記者(宮澤エマ)など、いつもの面々の力を借りて鶴巻の弱みを暴くだけ。

なかなか一筋縄ではいかない鶴巻だが、口封じのため警察を辞めさせられた前署長から情報を入手、事件の関与を決定づける記事を世に出すことに成功した鷲津たち。「弱い側の立場として、俺の議員としての力を使いたい」……復讐のために議員にまでなった男・鷲津の悲願が叶おうとしている。

どんな攻撃にも屈しない盤石な鶴巻も、もっともバラされたくない特大の秘密をリークされ、体調も悪化して救急搬送までされた。敵の首をとるのも目前、といった状況まで迫っている。

しかし、ここにきて、鷲津側にとって唯一の懸念材料だった裏金問題が流出。政治資金規正法違反に触る、例の問題がついに明るみに出てしまった。もちろん、鶴巻の仕業である。

嫌がらせの怪文書まで出回っており、万事休すの状態。鶴巻は言った。怪文書は自分のせいではない、誰かに恨まれているんじゃないか、と……。

弱い立場、自身の正義のために動いてきた鷲津が、ここで急きょ“復讐される側”に引っ張り出された。彼を破滅させようとしているのは、一体誰なのか。

次回予告から予想できるのは、たまに鷲津らが使う議員室に出入りしている業者の存在(空気階段の水川かたまりが演じている)である。今話の冒頭、調子の悪いタブレットを修理するためにパスワードを探す描写があった。

仮に、彼が何らかの理由で鷲津を恨んでいるとしたら? 蛯沢の兄がそうだったように、陳述を無視された過去がないとも限らない。しかし、明らかに制作側によって仕組まれたミスリードのような気もする。

こうなってくると、どうしたって拭えない黒幕臭を醸している竜崎総理が怪しく見えてくる。善良そうに振る舞ってはいるが、彼が鷲津を内閣総理大臣補佐官に任命したのにも、何か裏があるのではないか。面倒な人間が腹心として抱えてしまったほうが、後々のことを考えたら楽ではある。

最終章に向け、謎が謎を呼ぶ展開だ。悪側に染まりつつある鷲津は、最後まで“自身の正義”を保つことができるのだろうか。


※この記事は「罠の戦争」の各話を1つにまとめたものです。

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