続・朝ドライフ

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2023年11月27日

<ブギウギ・大阪編>1週~5週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ブギウギ・大阪編>1週~5週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第23回のレビュー

スズ子(趣里)が出生の秘密を知ってから3年、家庭では何事もなかったように過ごし、仕事は順調
のように見えますが、スズ子のなかで何かがうごめいています。

梅丸少女歌劇団ではスズ子の歌と秋山(伊原六花)の踊りの2本柱が売りになっていますが、スズ子は秋山の引き立て役のような気がして……。

はな湯の常連にも秋山の踊りがいいと言われ、落ち込むスズ子。
ツヤ(水川あさみ)に対しても、秘密を知る前のように屈託なくふるまえないことがあり、それをツヤは敏感に察します。

迷うスズ子に何か変化の兆しが近づいてきます。

ひとつは、「別れのブルース」を歌う茨田りつ子(菊地凛子)の存在。
最近よく聞くこの曲は、辛気臭く暗い曲ですが、スズ子は心惹かれます。
この曲を、羽鳥善一(草彅剛)が作曲しているのですが、まだスズ子はそれに気づいていません。

ツヤは、スズ子が「別れのブルース」に惹かれるのは、自分たちに「別れ」のときが近づいているのではないかと不安を覚えますが……。

もうひとつは、大和礼子(蒼井優)の結婚と妊娠。
礼子は股野(森永悠希)と結婚して、出産を間近に控えていました。

礼子は、スズ子や秋山の苛立ちのようなものを、お互いへの嫉妬ではなく、自身に対する物足りなさ、もっと何かやれるんじゃないかという気持ちと理解します。同業者だからこそわかる感覚でしょう。

礼子自身も、歌劇団を辞め、結婚し、踊りを教えていて、でもそれだけでは満たされなかったのでしょうけれど、子供ができたことで何か変わる感じを獲得していました。
股野のピアノも変わったと。

確かに、子供ができると作るものが変わるアーティストはいます。
例えば、先日、筆者が水野美紀さんにインタビューしたとき、子供ができてから作るものが変わったとおっしゃっていました。

礼子の話を聞いて、「赤ん坊を作れっちゅうことですか」といきなり飛躍するスズ子。
それよりまず恋愛などが先でしょう。
スズ子は、つけまつげを長くすることからはじめます。

それにしても、桜庭和希(片山友希)は初期は最も野心をもっていたように見えましたが、いまは、すっかり足るを知るというように、淡々としています。リリー白川(清水くるみ)と3人組で切磋琢磨するかと思いきや、3人は同じ劇団の同期でも、それぞれ違うほうを向いている感じです。

脚本の足立紳さんは、男たちの友情や、夫婦の腐れ縁みたいなものを、生活感をもって描く作家ですが、女性の友情には淡白な感じがします。股野が、礼子が好きで、泣き落としのようにして結婚まで持ち込んだという、男の願望のようなエピソードのほうに何か神経が向いているように感じてしまう。それはそれでいいのですが。

礼子が股野に泣き落とされてしまうのが、やや釈然としないような気もしますし、いや、ひじょうに優秀な女性が、大きな仕事を止めた喪失感から、ちょっと気弱な男にほだされてしまうというのも現実にはあるんだろうなあという気もします。

トップスターの地位を思いがけず失ったとき、自分はこんなもんじゃないという忸怩たる思いがあり、妻や母になることで自身の進歩と変化があると信じるというある種の負けん気が礼子には見えます。
一見おとなしそうに見えながら、ウチに秘めたエネルギーの強さが隠しきれない蒼井優さんがそれを見事に演じています。

一方、桜庭のほうは、生活のために歌劇団に入り、生活が安定したから、それで満たされているように見えます。

誰もが同じように高い志をもって芸事に邁進するのではなく、挫折や諦念や惰性のようなもので生きている人も世の中にはいる。「ブギウギ」ではさすがに惰性は描いていないけれど。理想的には生きられない人のことをさらりと描いている気がします。

東京から、演出家の松永大星(新納慎也)と制作部長・辛島一平(安井順平)がやって来ます。スズ子の人生に何かがもたらされそうな予感……。

第23回で印象に残ったのは、林部長(橋本じゅん)。礼子とスズ子が話しているとき、後ろでずっと
反応している。それが気になって気になって。ずっとみんなを気にかけている人なんですね。


※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)NHK

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