映画「神様メール」ジャコ・ヴァン・ドルマル監督インタビュー、「趣味は何もしないことです(笑)」

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本日27日(金)より公開されている「神様メール」。なぜかブリュッセルの街で暮らしている”神様”の娘が引き起こす騒動を描いた心温まるファンタジックコメディです。

シネマズではジャコ・ヴァン・ドルマル監督へインタビューを行いました。「面白いことを言わないと!」と笑いながら頭を抱えるチャーミングな監督が語った本作の魅力とは!

ー日本に来てから精力的に活動されていてお疲れではないですか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:時差ボケでちょっとなので大丈夫です(笑)



ー今回5度目の訪日ということですが、日本のどんなところがお好きですか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:いつも来るの楽しみにしています。優しく迎えてくださるので大好きな国です。何よりも世界で一番ご飯が美味しい国ですしね(笑)

ただ日本の文化でわからない部分はまだありますね。神秘的と言いますか。二度目の来日の際により理解できると思ったのですが、来れば来るほどわからなくなってきました(笑)



ーどんなところがわからない感じでしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:言葉遣いはとても興味深いです。目上の人など相手によって言葉の言い回しが異なることなど。

それと道を譲りすぎてはいけないのだなと学びました。私は女性に道を譲らないと母親に怒られるのですが、日本で下手にそれをやると混乱を招いてしまうんですよね。でも母親の言うことなので守りたいんですよ…(笑)



ー今回の映画の「神様が余命宣告メールを送る」というユニークな設定はどう生まれたのですか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:最初は旧約聖書や新約聖書に書かれていることを今風にした寓話のようなものを作ろうと考えていました。現代だからコンピュータや携帯電話などを軸に。また聖書の世界とは違って、世界の中で女性が男性と同じくらい力を持つという設定にもしました。

聖書や宗教に関してはあくまでも物語の前提としての枠組みが必要なので参考にした程度ではあります。聖書を読むと、まるで男性が男性のために書いた本。映画ではそこには書かれていない奥さんや娘を出して、事件が起きるような設定にしました。



ー旧約聖書「創世記」では「神は自分を象って男と女を創造した」とありますね。そう考えると監督の考えは実はとても正確なのかなと。非常に偉大な哲学映画でもあるのかなと思いました。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:どの宗教もそうなんですが、男性が男性のために書いたような宗教ばかりで、女性が出てこないんですよね。使徒にも女性を入れることで恋の物語とかも作れるのかなと思い、そうしていきました。



ー男性の神様も映画には出てきますが、正直とても嫌な奴に見えますよね。それはなぜなのでしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:私は信仰は無いですがカトリックの環境で育ちました。その時には神様は存在し、善なるもので、全能であると習いました。しかし私は権力を持っているなら善人じゃないし、善人なら権力を持たないのではと思っているんです。なので自然とそういう見え方の役になりましたね。



ーそもそも新約聖書、旧約聖書、宗教をベースに描きたいと思ったのはなぜですか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:この映画の主題である自分の余命をメールで受け取るという設定。人間が余命を知った時にどう生きていくかという設定、それへと持って行きやすいと思ったのです。そして寓話になると思ったからですね。



ーこの映画で魅力的なのはやはりエアーですね。演じられたピリ・グロワーヌについて教えて下さい。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:彼女は意思があって、意思が濃縮したような感じの子です。演技が大好きで、キャリアとか気にしない。好きだから一生懸命に演じてくれました。とても可愛くて良い子でした。



ー監督の作品はいつも音楽の使い方が素晴らしいのですが、音楽は先に考えているのでしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:今回に関してはシナリオを書いている途中で音楽を選ぶことになりました。それぞれのエピソードのタイトルに結びついたものを選んでいます。



ーもし監督自身の音楽をエア(少女)に聴きとってもらうなら何でしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:ジョニー・ミッチェルですかね(笑)



ーもし監督自身が劇中のような余命宣告のメールを受け取ったらどうしますか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:まず、正直言って受けとりたくないです(笑)もしそういうことがあったらなるべく長い間何もしないと思います。仕事はしないです(笑)



ー最後に残したい映画を一本作るとかそういうことはしないのですね。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:もう作っちゃっいましたので(笑)私たちの作った映画はそのうち忘れられてしまいますからね。なので最後に残したいものを作ろうなんてことは思いません。もちろん数十年の間は覚えて頂けてるかもしれませんが、千年経ったら今の時代の事なんて誰も考えようとはしないはずです。それで良いんです。今を生きているのですから。



ー監督のご趣味は何でしょうか。最後のひと時に趣味に没頭したいとかはありますか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:趣味は孫の世話をすることですかね。あと何もしないのも好きですよ(笑)



ー神様が住んでいる街がブリュッセルである理由は監督のお住いがあるからでしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:私が住んでいるのは前提ですね。ブリュッセルは本当に汚いし何もうまくいかない街です(笑)雨が降って、いつも灰色で、いつも工事中で、建築も一貫性無くぐちゃぐちゃでね(笑)

しかし、多様なものが混ざっているのは良い部分でもありますね。何もうまくいかないので返って自由感もありますね。

ブリュッセルの空港でテロがありましたが、あのテロも「うまくいかない街」ならではのエピソードがあるんのです。テロリストは本当は小型の「トラック」を手配していたらしいのですが、間違えて小型の「車」が送られてきてしまったようです。それで全部の爆発物を入れられなかったようですよ。テロは悲劇でしたが、「うまくいかない街」だからこそ助かった命もあったのではないでしょうか。ポジティブでもありネガティブでもありますね。



ーテロの前と後とで観客の受け取り方は変わりましたでしょうか。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:ベルギーでの公開は昨年でしたので直接の影響は無いです。ただ最後の自爆シーン、あれはテロの後では笑えなくなってしまいましたね。



ー楽しみに待っている日本のファンへ一言お願い致します。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督:難しい質問なんですよねこれ(笑)賢くて楽しいこと言わないといけないでしょ(笑)

そうですね。この映画の観客の反応で凄く面白いと思ったことがあります。最初の方は男性が笑っていて、後半にいくに連れて女性が笑ってるんですね。そういった部分なども楽しんで頂けたら嬉しいです。

(日本語で)アリガトー。

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インタビュー後記

始まる前、インタビュー中、インタビュー後までインタビューしている私や関係者を笑わせようとお茶目な一面を何度も見せてくれました。

作品の根底にある聖書や宗教の話、幼少期に触れていたカトリックへの考え方などを伺えて、より映画「神様メール」を深く探求できるきっかけを頂くことが出来ました。

「神様メール」はどなたと見ても、どなたが見ても、チャーミングで面白くて素敵な作品です。是非劇場で監督の仰る「笑い」のタイミングなども合わせてお楽しみください。

「神様メール」は5月27日(金)より公開中です。

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(取材・文:柳下修平

    ライタープロフィール

    柳下修平

    柳下修平

    シネマズby松竹編集長、1986年生まれ、今年で30歳。個人ブログ「Cinema A La Carte」も運営。映画イベント「映画の食事会」主催や幻冬舎「Ginger」及び「Spark Ginger」で映画コラム連載も。ブロガーメルマガEdge Rank執筆メンバー。映画以外ではカメラと旅行が趣味。

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