じつは謎に満ちている?『レヴェナント 蘇りし者』の壮絶すぎる4つの見どころ

ディカプリオが念願のアカデミー主演男優賞を受賞したことでも盛り上がりをみせている『レヴェナント 蘇りし者』ですが、想像以上に壮絶な内容に疲れきってしまい、鑑賞後にはふらふらしちゃったほどでした。

オスカーにふさわしいディカプリオの演技と過酷な物語が話題になっていますが、昨年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』にもたくさんの謎を盛り込んで観客を混乱させたイニャリトゥ監督ですから、やっぱり一筋縄ではいきません。

レヴェナント:蘇えりし者
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

ということで、本作の見どころと、ここをおさえて見たら数倍楽しめるよ、っていうポイントをいくつか紹介します。

1.壮絶すぎるサバイバルとディカプリオの怪演

とにかくサバイバルが過酷すぎです!舞台は1800年代のアメリカ西部開拓時代。毛皮ハンターのチームは狩猟の旅を続けますが、先住民との争いは絶えず、未開拓の自然の脅威もあり、危険と隣り合わせの毎日です。

そんな中、ディカプリオ演じる主人公・グラスは、現代の先進国でも死んじゃうんじゃないかっていうほどの大ケガを負って、なおかつ雪が積もる真冬の森に置いてかれ、『生きてこそ』のように仲間がいるわけでもなし、『イントゥ・ザ・ワイルド』のように道具が揃ってるわけでもなし、『ランボー』のように温暖なベトナムにいるわけでもない、もっと言えば「生きる希望」すら失った状況で、それでも這いつくばって生きようとします。

その姿は観る者の心を強烈に揺さぶるのだけれど、あまりに壮絶すぎて、ただただ唖然としてしまう展開の連続。僕だったら10回は死んでますよあんなの。「現代の日本に生まれてよかったわ〜」と何度思ったことか。

とくにグリズリーに襲われるシーンは圧巻で、あれだけやられて生きているのが不思議なくらい。正視にたえないすさまじさです。R15指定でよかったですよ。ヘタしたらトラウマですこれ。

レヴェナント:蘇えりし者
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

2.よく考えたらすごすぎるオールスター級のキャスト・スタッフ陣

そんな過酷で非現実的なサバイバルをリアルな人間ドラマにとどまらせているのは、坂本龍一さんが担当した重厚な音楽と、エマニュエル・ルベツキの美しくも荘厳な映像の功績が大きいでしょう。

どうしてもディカプリオのオスカー初受賞ばかりが話題になるけど、監督のアレハンドロ・G・イニャリトゥは昨年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に引きつづき2年連続でアカデミー監督賞を受賞しているし、撮影のルベツキにいたっては一昨年の『ゼロ・グラビティ』、昨年の『バードマン』に続いて3年連続でアカデミー撮影賞受賞という史上初の快挙

を達成しているわけで、そこにディカプリオの怪演が加われば、傑作にならない理由はないですよね。

敵役には昨年『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で世界を席巻したトム・ハーディを迎えているので、この二人の対決も見どころのひとつです。

レヴェナント:蘇えりし者
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

3.美しくて鳥肌が立つルベツキの映像美

ある一場面をのぞいたすべてのシーンを、照明を使わずに自然光で撮影したというルベツキの映像が、妙にリアルで恐ろしいのだけれど、その厳しい大自然の風景はとてつもなく美しい。

冬の森、山脈、川、崖、空、吹雪という自然の世界は、白や灰色や黒という地味なモノトーンの色彩に落ちついてしまうのだけれど、どうやって撮影しているのか想像できないほどの斬新なカメラワークのおかげで、うなってしまうほどの荘厳な映像になっています。

大きな雪崩が起きるシーンがあるんだけど、あれもCGじゃなくて本当に雪崩を起こして撮影したみたいですし、頭から終わりまで、一瞬のまばたきもしないくらいの気持ちで、この映像だけでひとつのアートになりうるクオリティを体感して欲しいですね。『ゼロ・グラビティ』もそうでしたが、ルベツキ作品はよほどのことがない限りIMAXで観ることをオススメします!映像も音声も段違いですから。

レヴェナント:蘇えりし者
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

4.すべてを疑え!イニャリトゥにダマされるな!

先にも書いたように、本作のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、自分の作品の裏側にある一貫したテーマを隠して、それをちらちら見せることで観客を混乱させる変態的な監督です。

昨年の『バードマン』でも、主人公が超能力を使えてるんだか使えてないんだか、空を飛んでるんだかタクシーに乗ってるんだか、死んでんだか死んでないんだか、ライラックの花は何を象徴しているのか、重要なラストシーンも含めてあらゆる意味や解釈を観客に放り投げるスタイルなので、その謎解きにずいぶんハマった人も多いでしょう。「あれはどういう意味だったんだ?」という数々の謎かけはエヴァンゲリオンに通ずるものがあります。

そんなイニャリトゥですから、本作だって「仲間に裏切られた男が過酷なサバイバルして復讐だー!」みたいなストレートな作品でないことは間違いありません。

ちなみに筆者も最初はあまりに過酷な展開に唖然と見ていただけなのですが、途中から「あれ?おかしいな」という疑問が生まれて、そこから作品のあらゆる部分を疑いだしたら、どんどん謎が出てきたのです。ということで、もう一回観にいって今度は謎解きをしてやろうと企んでいるところです。

ちらほら挟まれるイメージシーンというか、幻想や想像のような場面にいろんなものが隠されています。興味がある人は、それこそ目を皿のようにしてすべてのシーンを凝視してみてください。

物語に入り込みたかったら、決してチュロスやポップコーンなんて食べながら観てはいけませんよ。お腹を空かせて2時間半を堪え忍んで、帰りに生焼けのレバーかユッケでも食べてください。そこまで含めて『レヴェナント』ですから!(笑)

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(文:茅ヶ崎の竜さん

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    茅ヶ崎の竜さん

    茅ヶ崎の竜さん

    「30代からの人生をもっと楽しむ!」ための情報を発信するフリーランスブロガー。中高時代は映画監督を目指すも、アメリカ留学直前に心変わりして挫折。「映画は失敗やしくじりもプラスに変えてくれる魔法の芸術」という言葉を胸に、あらゆるジャンルの映画を見ますが、「どんでん返し系」「家族モノ」「奮起して人生やり直す系」が特に大好物。アラフォーになってからは邦画に涙することも増えました。永遠の映画中年!

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