第72回ゴールデン・グローブ賞発表!八雲ふみねも気になるカミングスーン・ムービー

八雲ふみね



はじめましての方もそうでない方も、こんにちは。
シネマアナリスト・DJの八雲ふみねです。

この度、「シネマズ by 松竹」でコラムを連載することになりました。

題して、
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~

八雲ふみね、2015年のテーマは…。

八雲ふみね


心を込めて。

真心こめて、映画にまつわるアレコレを紹介していきます。
お付き合いの程、よろしくお願い致します!

さて。

日本では振り袖姿の新成人たちがまばゆい1月12日。
海を渡ったアメリカでは、第72回ゴールデン・グローブ賞が発表されました。

ゴールデン・グローブ賞とは、ハリウッド外国人映画記者協会の会員により選出される賞のこと。
「映画部門」と「テレビドラマ部門」があり、「映画部門」はさらに「ドラマ部門」と「コメディ/ミュージカル部門」に分かれます。

2月に発表されるアカデミー賞の前哨戦としても、非常に注目度が高いアワードなのです。

『フォックスキャッチャー』、『セルマ(原題)』、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』など、実話、あるいは伝記もののノミネーションが目立った2015年の「映画部門」。

栄冠に輝いたのは次のとおり。

第72回ゴールデン・グローブ賞 映画部門受賞作品


ドラマ部門
作品賞:『6才のボクが、大人になるまで。』
女優賞:ジュリアン・ムーア 『アリスのままで』
男優賞:エヒ・レッドメイン 『博士と彼女のセオリー』

コメディ/ミュージカル部門
作品賞:『グランド・ブダペスト・ホテル』
女優賞:エイミー・アダムス 『ビッグ・アイズ』
男優賞:マイケル・キートン 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

助演女優賞:パトリシア・アークエット 『6才のボクが、大人になるまで。』
助演男優賞:J・K・シモンズ 『セッション』

アニメ作品賞:ヒックとドラゴン2
外国語映画賞:『LEVIATHAN』(ロシア)

監督賞:リチャード・リンクレイター 『6才のボクが、大人になるまで。』
脚本賞:アレホンドロ・ゴンザレス、ニコラス・ヒアコボーネ。アレクサンダー・ディネラリス・Jr、アルマンド・ボー 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
作曲賞:ヨハン・ヨハンソン 『博士と彼女のセオリー』
主題歌賞:GLORY 『SELMA』

ドラマ部門は順当。
ほかは嬉しいサプレイズの連続…といったトコロでしょうか。

そんな受賞作品の中から、八雲ふみねも気になるカミングスーン・ムービー、2作品をご紹介!

ビッグ・アイズ


ビッグ・アイズ


2015年1月23日(金) TOHOシネマズ 有楽座他全国順次ロードショー
監督・製作:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストンほか
©Big Eyes SPV, LLC. All Rights Reserved.

鬼才・ティム・バートン監督が、自らも多大な影響を受けたという絵画<ビッグ・アイズ>シリーズにまつわる実在の出来事を映画化。
1960年代のアメリカで一大ブームを巻き起こした、絵画<ビッグ・アイズ>シリーズ。
作家のウォルター・キートンは一躍、時の人となる。
しかし、この絵画を描いていたのは、実はウォルターの妻であるマーガレット。
内気な性格のマーガレットは、自分の感情を表すことができる唯一の手段である<ビッグ・アイズ>を守るため、真実を公表することを決意する…。

こうしてストーリーを追うと、ほら、思い出しませんか?
昨年世間を賑わした「ゴーストライター騒動」。
いつの時代も、国が違えども、よく似た事件があるものなんですねぇ。

本作の結末については映画館でご覧頂くとして、「静と動」、「アートとビジネス」、「嘘と真実」といったコントラストが豊かな色彩と共に描かれています。
ゴールデン・グローブ賞では、ヒロイン・マーガレットを演じたエイミー・アダムスが見事、コメディ/ミュージカル部門で女優賞を受賞。
ウォルター役のクリストフ・ヴァルツは惜しくも男優賞を逃しましたが、その芸達者ぶりは特筆もの。
これほどまでに飄々と憎まれ役をまっとうするとは…。
素晴らしい俳優さんです!

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)


バードマン


2015年春 TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、ザック・ガリフィナーキス、ナオミ・ワッツ ほか

©2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

かつてスーパーヒーロー映画『バードマン』で世界的な人気を博しながらも、現在は失意の日々を送る俳優リーガン。
復活を賭けて、ブロードウェイの舞台に立つことに。
しかし、出演俳優が大怪我を負い降板。
代役にブロードウェイの実力派俳優マイクを迎えるが、その才能はしだいにリーガンの脅威となり、次第に精神的に追いつめられていく…。

「スーパーヒーローを演じた俳優のその後を描いた映画」
…と言えば、

私の場合、印象深いのが『ハリウッドランド』(2006年)。
テレビシリーズ「スーパーマン」のジョージ・リーヴスの死の真相を突き止めるサスペンス映画でした。

一方、こちらはブラックコメディ。
シリアスな人間ドラマで高い評価を得ているメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が新境地を開拓した一作です。

この映画、とにかくキャスティングがニクい!

『バットマン』のマイケル・キートン。
『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートン。
『アメイジング・スパイダーマン』のエマ・ストーン。

アメコミムービーでヒーローorヒロインを演じた俳優たちが、勢揃い。
なかなかウィットに富んでると思いませんか?
実際に観ていると、どこまでが演技でどこまでが役者のバックグラウンドなのかが分からなくなってしまいそう。
そんな “脚本の妙” も、素晴らしいっ。

ちなみに本作は、ゴールデン・グローブ賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞の最多7部門ノミネート。
マイケル・キートンがコメディ/ミュージカル部門で男優賞を、脚本チームが脚本賞を受賞しました。

バードマン


あと、どうにも気になるのが、ポスタービジュアルのヒーローの影。
ガッチャマンに見えて仕方がないのは、私だけ???


そしてそして。
まだご覧になってないという方には是非、映画館に足を運んで頂きたいのが、コレ。

6才のボクが、大人になるまで。


6才のボクが、大人になるまで。



大ヒット公開中
監督:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、パトリシア・アークエット、イーサン・ホーク
©2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

昨年11月に公開されて、まだまだ元気に大ヒット上映中!

主人公の少年メイソンを演じるエラー・コルトレーン、母親役のパトリシア・アークエット、父親役のイーサン・ホーク、姉役のローレライ・リンクレーターの4人の俳優が、12年間同じ役を演じ続けて完成した本作。

この映画が存在することが、奇跡のようなもの!

ゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門の作品賞、助演女優賞、監督賞と最多3部門に輝きました。

これからますます白熱していく、映画賞レース。
行方を予想して、あれやこれや映画談義するのはもちろん、
これから日本で公開される映画も多いので、映画館へ出かける予定を立てる情報源としてもオススメですよ。


ではまた次回、お会いしましょう。

お相手は、八雲ふみねでした。


八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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