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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。
平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第68回を紐解いていく。
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結婚に向けて節約
若すぎるとか翔也(佐野勇斗)が米田姓を名乗るとかで、反対意見も出ている結婚問題。ですが、結(橋本環奈)と翔也は結婚する気満々で、資金を貯めるために節約をはじめました。
水筒持参したり、ティッシュを使いまわしたり、エアコン使わなかったり、デートは公園でぶらぶらしたりしながら、資金を貯めます。毎日500円玉貯金したり、家計簿つけたり、真面目にやっています。結婚という目的のためならちっともつらくないのです。
一番お金がかかるのがケータイ代と結が言うそばで、歩(仲里依紗)は最新のスマホを購入し使っています。何年か後にはみんな使ってると言う歩に半信半疑の聖人(北村有起哉)。彼も何年か後にスマホを当たり前に使用していることでしょう。
仕事にも精を出す結と翔也。結は、食材の購入先変えることを考えていたとき、地元の規格外野菜を安価で使うことを思いつきました。形が悪くても調理してしまえば関係ない。考えてみれば、野菜は丸ごと使うことはめったになく、切って刻んで食べるのだから、形がヘンでも構わないはず。出荷にあたり、形が悪いと価格設定に差がつくのか謎であります。
一方、翔也は、野球ができないことに内心苦しみながらも粛々と内勤に励んでいました。その気持に気づいていたのは、同じような経験をしている沙智(山本舞香)です。彼女のおかげで結も少しだけ翔也の気持ちに気づけるようになるのです。沙智というキャラを事前に配置しておくとは、計算された脚本であります。
同じ職場の結と翔也、仕事が終わると一緒に帰ります。仲睦まじい。デートするお金も、ケータイでおしゃべりするお金も節約しているので、歩きながらおしゃべりする時間が大事なのでしょう。
結を家まで送ったあと翔也は梅田まで走って帰ります。これには節約のためもありますが、これまでスポーツで発散していたエネルギーを持て余してしまうので、こうすることで折り合いをつけているのだと思います。カラダは動かなくなっても、カラダの中から日々エネルギーが沸いてくるのは止められない。それを外に出さないとおかしくなってしまう。たぶん、翔也はいまものすごく心身のバランスがうまくとれなくて苦しいと思います。
そんななかで、翔也は責任ある仕事を任されました。新製品の炊飯器の社内モニターを100人集めることです。「スポーツマンやからようさん食うやろ」って持ちかけられました。社内モニターとして声をかけられただけでなく、100人集めて、という話です。
翔也は野球のトレーニングで培った粘り強さを生かして社内中をまわって、断られてもへこたれず、なんとか100人集めました。結もモニターで参加します。
ところが、急遽10人が来られなくなって……。
宮田課長(安倍洋花)は、それを聞いてまず少し微笑みます。てっきり、いいのよ10人くらいと言うのかと思ったら、100人いないと困ると文句を言うのです。え〜そんな融通の効かないことってあります? 単なるドタキャンではなくて本来の業務上のアクシデントでそちらを優先しないといけないという理由なのに。よくある釈然としない展開ですが、翔也は社内中を駆けずり回って、10人を補填しようとします。部下が90人でいいでしょうと言いかけたのを翔也は制して10人集めようとするのです。のっぴきならないのかそうでないのかよくわからない展開です。
帰ろうとしている女性社員ふたりはモニターやってくれそうな暇そうな雰囲気を漂わせていますが、あっさり断ります。きっとディナーの予約を入れているのでしょう。もうひとりいた男性社員につれていってもらうのかも。
とまあ、このへんのことはまあ良いとします(何様)。ただ、試食会で炊飯器のふたが開いたとき、炊きたての美味しそうな感じーー例えば、湯気がふわっと立ち上るとかそういうのが全然なくて、さみしかったのです。でもこれも考えてみたら、いわゆるシズル感というものを出すためには手間ひまがかかるものなのだということです。
炊きたてご飯を美味しく映すには、その一点にすべてを賭け、莫大な予算とスタッフをつぎこまないとできない。贅沢なカットなのです。たぶん、ご飯とかも無駄にたくさん炊いていたと思うのですが、ここでは節約しているのでしょう。フードロスに気遣う時代でもありますから。
これまで私はそういうものを当たり前のように享受してきました。今後は、美味しそうな食のシーンを見ることができたときは一層感謝していきたい。今日から俺はそう心がけようと思います。
(文:木俣冬)
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–{「おむすび」第14週あらすじ}–
「おむすび」第14週あらすじ
第14週「結婚って何なん?」 1/6-1/10
糸島から神戸に帰ってきた結(橋本環奈)は、永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)、さらには翔也(佐野勇斗)を一緒に連れ込み、両親と歩(仲里依紗)に翔也と結婚することにしたと報告する。
聖人(北村有起哉)が結婚に反対しようとするのを永吉が止めようとするが、愛子(麻生久美子)もちゃんと考えたのかと問いただし、結婚は一旦保留となる。
一方職場の社員食堂では、結が佳代から習った地産地消の良きところを取り入れようと進言したことが、実を結んでいく。
–{「おむすび」作品情報}–
「おむすび」作品情報
放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始
出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。
【結の家族・米田家の人々】
米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。
米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。
米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。
米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。
米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。
【福岡・糸島の人々】
四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。
古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。
風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。
宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。
真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。
佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。
田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。
柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。
ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。
草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。
古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。
大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。
井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。
佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。
大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。
飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。
作
根本ノンジ
音楽
堤博明
主題歌
B’z「イルミネーション」
ロゴデザイン
大島慶一郎
語り
リリー・フランキー
制作統括
宇佐川隆史、真鍋 斎
プロデューサー
管原 浩