原田監督の熱いこだわりに触れた!『駆込み女と駆出し男』ティーチインレポ
編集部公式ライターのりゅうです。
2015年5月28日に、新宿ピカデリーで<「駆込み女と駆出し男」ティーチイン上映会>が開催されました。
原田眞人監督と一緒に登壇されたのは、法秀尼役の陽月華さんと、おゆき役の神野三鈴さん。
作品へのこだわりを熱く語る原田監督のそばで、陽月さんと神野さんは終始明るく笑っておられており、会場はリラックスした笑顔に包まれていました。
最初の挨拶で原田眞人監督が「2回以上見てくれた方どれくらいいますか?」と聞くと、半分以上のお客さんが手を挙げ、何度も見たくなる深い作品だということがあらためて伝わってきます。
質問コーナーでは、そんな何度も観ている熱心なファンの皆様から、様々な質問が飛び交いました。
小物へのこだわり
「のれんや傘、手ぬぐいなど、小物がどれも素敵だったのですが、こだわりがあったのでしょうか?」
原田監督
「小物はそうとうこだわってます。まずのれんから言うと、美術の装飾にマーティン・スコセッシにも気に入られてる天才がいるんですけど、彼が町並が透けて見えるのれんにこだわって探してくれました。せっかくだから御用宿の文字を樹木希林さんに書いてもらおうというアイデアも出してくれて、樹木さんも喜んで書いてくださった」
▲ 新宿ピカデリーの入口に展示されている、樹木希林さん直筆の柏屋のれん。
「手ぬぐいにもこだわりがあって、あの(大泉洋さんが冒頭でかぶっていた)手ぬぐいの模様は、十二代目の市村羽左右衛門が愛用していた市村格子っていうもので、実際に江戸っ子たちが使うようになったのはこの少し後なんですけど、そういうものを信次郎に持たせたかった」
じょごを幸せにしてやりたい
「原案の『東慶寺花だより』では、じょご(戸田恵梨香さん)は『おきん』というふつうの名前だったんですが、なぜ映画では変更したのでしょうか?」
原田監督
「原作ではおきんはかわいそうな運命なんですが、江戸時代の中でもブルーカラーである鉄練りの女に一番惹かれたので、彼女をヒロインにしたかったんです。やはりヒロインにふさわしい特別な名前にしたかった。原作では悲劇的に終わってしまうおきんさんを、幸せにしたいという思いがありまして、僕自身がJというイニシャルが好きだということもあって、江戸時代の名前の記録を読んで決めました」
アドリブもほどよくあり、のびのびと演じられた
「監督はどれくらい役者さんに演技のリクエストをするのですか?」
原田監督
「おゆきの『そこちがう』はアドリブです(場内爆笑)」
神野三鈴さん
「監督の品格のためにお詫びします(笑)。監督はあんなこと書きません!でもすごく楽しかったです!大泉さんはアドリブに全部応えてくださるし、監督は役者にリスペクトを持ってくださるので、ノビノビとやらせていただきました」
ざっくばらんな裏話に、時間が足りないほどの盛り上がりでした!
他にも「法秀尼さまは隠れキリシタンだったのか?」とか「内山理名さんが演じたゆうは、最後にとどめを刺したのか?」など、作品中で気になるところやネットで話題になっていることなどを、原田監督がざっくばらんに答えてくれて、時間が足りないくらい会場は沸いていました。
今回のティーチインには、3回以上鑑賞したリピーターさんが多くいらっしゃっていました。
原田監督のお話をうかがっていると、目に見えない部分にたくさんのこだわりが詰まった作品だからこそ、作品自体に深みが生まれ、こうして多くの人々の心の奥に刺さるのだなあと感じました。
スクリーンに映っていない部分を想像するのも、映画の楽しみのひとつですが、こうして監督や役者さんの生の声を聞く楽しみもあるんですね。
一度ご覧になった方も、もう一度観てみると、あらためて新しい発見があるかもしれませんよ!
『駆込み女と駆出し男』は、現在大ヒット上映中です!
(取材:りゅう)
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