『屍者の帝国』初日舞台挨拶は細谷佳正らの爆笑トークで大幅延長


牧原監督「観た後に伊藤計劃さんの存在が心に残っててほしい」


楽しかった舞台挨拶の時間はあっという間に過ぎ、最後にみなさんからの言葉を述べてもらいました。

細谷佳正さんは「亡くなった伊藤先生の文章を引き継いだ円城先生の話を聞いてからこの作品を改めてみると、円城先生がワトソンで伊藤先生がフライデーだなと感じました。バックグランドを知ってから観てみるとたくさん発見がある映画だと思います。名作というのはそのとき観て満足するよりも、今自分が置かれている状況とかによって全然違うもので、この作品はまさにそういうものだと思います。ですので、劇場に何度も足を運んでもらって、Twitterで非常に面白いと言ってもらえると監督もキャストも大喜びすると思いますので、よろしくお願いします!」と、考え深いコメントとともに映画を観たあとの口コミに期待を寄せていました。
Project Itoh 屍者の帝国


最後に牧原亮太郎監督は「この作品は2009年に34歳で亡くなられた伊藤計劃さんの序文を、円城さんが引き継いで書いた作品なんですね。自分は円城さんが何を引き継いだのかを作品の制作中に考えていて、それは小説を見れば分かるんですが、過去のなかに伊藤さんの文章を引用することによって生かしているんだと思いつつも、それ(文章の引用)を映画でやるのは難しかったので、ワトソンとフライデーのやり取りで描こうと思ったんですね。伊藤さんの存在を大きく感じながら、伊藤さんの言葉を映像にできるのかなと考えながら作っていました。この作品はその答えみたいなものを120分の映像にできたんじゃないかなと思います。映画を観て、みなさんの中に伊藤計劃の存在が残ってくれたら嬉しいなと思います。」と、伊藤計劃さんへの尊敬の念を込めた言葉で初日舞台挨拶を締めくくってくれました。

原作は『虐殺器官』でSF作家デビューし、『<harmony/>(ハーモニー)』と続き、そして『屍者の帝国』の執筆中に34歳という若さで急逝した伊藤計劃さんとその後を継いだ円城塔さん。2014年3月には映画化に向けて「Project Itoh」が立ち上がり、ついに映画作品第1弾として『屍者の帝国』が公開となりました。今後は伊藤計劃さんの2作品の公開も決まっており、第2弾として11月13日に『<harmony/>(ハーモニー)』が公開予定です。(『虐殺器官』は公開日が延期となりました)

映画『屍者の帝国』は10月2日より全国劇場にて公開中です。

公式サイト:http://project-itoh.com/#/empire/top/


L(C) Project Itoh & Toh EnJoe / THE EMPIRE OF CORPSES

(取材・アスカ)

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