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『風立ちぬ』を深く読み解く「10」のこと!



宮崎駿監督による平成最後の長編作品『風立ちぬ』は120億円を超える大ヒットを記録しましたが、はっきり言って“万人向け”とはほど遠い内容です。「よくわからない」「モヤモヤする」「主人公に感情移入できない」などと“理解できなかった”ことを主体とした感想を抱いたという方は決して少なくはなく、宮崎駿監督作品の中では『ハウルの動く城』に並んで賛否両論を呼んでいました。

しかし、その“理解できない”という感想は全く間違っていません。そう感じることも当然の内容であり、もっと言えば“大衆には理解されない”ことさえも本作の意義と言っても過言ではないと、筆者は考えます。それこそ、主題歌の「ひこうき雲」の歌詞にある、「他の人にはわからない」という言葉通りの……。

本作で宮崎駿が目指したかったことは、公式サイトに掲載されている“企画書”にも表れています(以下に一部抜粋)。

「この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。
自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。夢は狂気をはらむ、その毒もかくしてはならない。美しすぎるものへの憬れは、人生の罠でもある」

では、本作がどのように“自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物”を描いていながら、同時に“狂気”や“人生の罠”を描いていたのか、そして宮崎駿が具体的にどのような意図でこの映画を世に送り出したのか、じっくりと探っていきます。

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※以下からは『風立ちぬ』のラストを含む本編のネタバレに触れています。ご注意ください。

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