映画コラム
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』監督が描いたブラックコメディ!?『永遠に美しく…』がシニカルで面白い
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』監督が描いたブラックコメディ!?『永遠に美しく…』がシニカルで面白い
「歳をとりたくない……」誰しも1度は望むこと。筆者もそのうちのひとりです。
いくら誰もがうらやむ美貌があっても歳を重ねれば、しわやシミがどんどん増えていく……。
そんな老いに恐れたふたりの女性が“永遠の美しさ”を手に入れる映画作品をご存知でしょうか?
「今日も映画日和ういログ」第2弾は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を手掛けたロバート・ゼメキス監督作品『永遠に美しく…』をご紹介します。
永遠の美しさを手に入れた女性の行く末は……
「ひとりの男性を巡って、女性ふたりが“永遠の美しさ”を手に入れる」というこの作品。
公開されたのは1992年、筆者は当時まだ4歳。初めて観たのは、テレビ放送がされたときでした。
この作品は、老いによって落ちぶれていた女性が急に若返り、自信を取り戻したかと思えば、頭がぐるっと1回転したり、おなかに大きな穴が開いても生きていたりと、当時「命の尊さ」や「老いに対する恐れ」がよくわからない子どもだった筆者にとって、いろんな意味で衝撃的な物語だったのかもしれません。
しかし、この作品の面白いところは、そんなグロテスク要素よりもコメディ要素が勝っていることです。見始めたら「一体、結末はどうなってしまうんだろう!?」と女性の行く末が気になり、ありえない展開に笑えてしまう独特な世界観が広がっています。
筆者も子どもながらに最後まで食い入るように観ていましたし、思い出せばDVDを借りにいったことも。この作品を観た人は、その世界観が癖になってしまった人もいるかもしれません。
豪華俳優陣が繰り広げる個性的な演技
この作品は『ダイ・ハード』でも有名なブルース・ウィリス、そして『プラダを着た悪魔』で主演を務めたメリル・ストリープ、アカデミー助演女優賞を受賞したゴールディ・ホーンが演じています。
作中、永遠の美しさを手に入れたときのふたりは、撮影当時40代だったとは思えないほど本当に美しく、筆者が当時、子どもだったと言っても、女性が美しさを手に入れたシーンそして見た目の美しさと反した女性の奥深い恐ろしさを演じている姿は、とても記憶に残っています。
ふたりの女性に手を出してしまった男性を演じたブルース・ウィリス、現在からは想像できないほど、頼りなくてどうしようもない男性を演じています。最後までブルース・ウィリスが演じていたことを気付かないほどの別人。これは今だからこそ楽しめる要素といえますね。
そんな豪華俳優陣もとうとう60歳を超え、この作品で描かれていた歳くらいに追いついたことに。この作品からもそうですが、実際に年齢を重ねてもなお美しさを保っている俳優陣の姿を見ると、なおさら、「歳をとりたくない……」なんていう若さへの執着心は、ばかばかしい望みだと説得されている気がします。
永遠に……ではなく、美しく歳を重ねていきたいですね。
今日も映画日和ういログ 過去記事リスト
・高いところから下を覗いた時のアレを疑似体験?『サカサマのパテマ』の魅力
・『バック・トゥ・ザ・フューチャー』監督が描いたブラックコメディ!?『永遠に美しく…』がシニカルで面白い
・「本当に大切にしたいものは何か」を考えるきっかけになる映画
・『タイタニック』のラブシーンで「足がかゆい」と嘘をついた子供時代を思い出したので『シャッター・アイランド』を紹介します…
・「囲碁の人工知能」が気になったなら、人工知能が「日常」のこの映画も体験してみては?『イヴの時間』
・誰が何と言おうと私にとっての「桜」映画はこれなんです!!
・結婚式が描かれてる映画が泣けるものばかりと思ったら大間違えです!!
(文:木村うい)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。