夏木マリ:自分らしくないと心が折れてしまう―映画イベントで生演奏を披露
2016年3月5日に公開されるメリル・ストリープ主演の映画『幸せをつかむ歌』のトークライブイベントがおこなわれ、夏木マリがメリル・ストリープ演じるロックミュージシャン・リッキーを彷彿とさせるライブを披露した。
まさに『幸せをつかむ歌』のリッキー!
夏木マリがギター片手に熱唱
歌を愛し、ミュージシャンになるために私たち家族を捨てた母親(メリル・ストリープ)。数十年後 私(メイミー・ガマー)は結婚したけど、旦那に捨てられ、またしても一人になった。自暴自棄に陥っていたそんな時、あの母親が帰ってきた。大っ嫌いな母親、大っ嫌いな彼女の歌声……だけど、私を孤独から救ってくれたのは、彼女の勇気と愛情と、魂の歌声だった――
映画『幸せをつかむ歌』は、メリル・ストリープがロックミュージシャン役として生歌を披露し、実娘・メイミー・ガマーと親子役で共演することも話題となっている作品。メリル・ストリープは、本作で夢を捨てられず家族を捨ててミュージシャンになった母・リッキーを演じ、エレキギターを手に数々の名曲を生声で披露している。
映画の公開を目前に控える昨日2016年2月24日に、メリル・ストリープが演じる“リッキー”の生き方「自分らしくカッコよく生きる」勇姿にちなんで、俳優でもあり歌手でもあり、その生き方の格好良さから幅広い世代の女性に絶大な指示を得ている夏木マリ迎えて、東京にあるライブハウス・四谷LOTUSでライブ&トークイベントが行われた。
自身のバンド“ベイビーバンド”を引っ提げてステージに颯爽と登場した夏木マリは、黒のロックTにタイトな黒ジーンズ、真っ黒なルブタンという劇中のリッキーを彷彿とさせるハードないでたちで、自身の楽曲であるロックチューン「Happy Together」を披露。夏木マリは、愛用の赤のギター、フェンダー・ムスタングを片手に見事に歌い上げた。
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メリル・ストリープの本作での演技について、夏木マリは「メリルにはいつもやられますね。『マディソン郡の橋』では普通の田舎の主婦、『プラダを着た悪魔』ではファッション誌編集長と全く違う役を演じてきたけど、今回はロッカーそのもの。声もロッカーの声になっていましたね。90年に半年ぐらいNYに行っていた時に、たまたまTVでチャリティーイベントをやっていて、色んなアーティストが出てくる中で、一番最後に出てきたのがメリルだったんです。詩を読んだ後で歌もバッチリ歌っていて、“この人歌も歌えるんだー!”って。そのうまさにびっくりしました!」とメリルと歌を結びつける貴重なエピソードを披露。「今回は本当にやられましたね。立ち振る舞いから全てが本格的で、さすがメリルと思いました」と絶賛した。
劇中での好きなセリフについては「“女は自分の人生、音楽と幸せの両方を求めちゃいけないの?”というセリフにグッときました。女は幸せも美しさも欲しがるし、何でもやってみたいんですよ。人生後半になっても夢を捨てきれない感じがすごく伝わってきました」とコメント。
自身が挫折するようなことはあるのか?という質問には「もう毎日が挫折ですから(笑)」と答え「本当は歌だけ1年中歌っていたいけど、それだけの才能はなかったから、色んなことをやりながら発見しながらやってるんです。でも、私は歌を歌うことをまだ余り知ってもらえていない。だから、リッキーじゃないけどライブツアーを始めたんです」と語る。
さらに「元気になりたい時はロック、癒されたい時はブルース……と聴く音楽を分けています。聴く曲によってテンションが変わってくることもあるし、音楽に助けられているところは大きいと思います」と言い、さらに「自分が好きな音楽を聴くと笑顔になれるから、皆にもそう感じてほしい」とリッキーが劇中人々の前で楽しそうに演奏しているシーンに心底共感した様子をみせる。
「私には子供はいないけど、リッキーの気持ちは分かるところもあります。やりたいことをやり遂げていないし、彼女自身、娘とした再会した時に、自立した大人同士、自分が伝わらないともどかしさを感じているところが感じられました。でも、母親がキラキラ輝いていることで変わっていった部分もあるんじゃないかしら」と語った。
リッキーのバンド仲間で恋人でもあるリック・スプリングフィールド演じるグレッグとの関係にちなんで、ご自身のパートナーである斉藤ノヴとの関係について「若い時に会ってたら3日で別れたんじゃないかと思う(笑) お互い、あんなこともあったこんなこともあったということを承知で出会ってるから、リッキーもグレッグと一緒で楽なんじゃないかと思います。グレッグに守られているリッキーの顔は幸せそうに見えました」と自身の体験をふまえて語った。
最後に、自分が輝きたいと思っている女性に向けて「自分らしくいられる場所を見つけることが大事で、リッキーはそれができてると思います。私もライブハウスで自分らしくいられるから。私もリッキーもたまたま同じ音楽だけど、自分らしくないと心が折れてしまうから」とアドバイスを贈った。
映画『幸せをつかむ歌』は、2016年3月5日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
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