映画コラム
幸せになるためには苦労を知っていること、苦労を知っているから幸せになれる
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幸せになるためには苦労を知っていること、苦労を知っているから幸せになれる
正直言ってハイブランドには興味がない私、『シャネル』が、どんな人によって生まれたのか、ただそれだけが気になって……この映画を観終わったあと『シャネル』の見方が、ガラッと変わりました。
幼いころからプロのファッションデザイナーを夢見て華やかな人生を歩み大成功を遂げたというような夢物語ではありません。『シャネル』の創業者『ココ・シャネル』は幼いころから孤児院に預けられ、姉と一緒に暮らし、将来はプロの歌手になることを夢見て酒場で歌い踊る女性でした。綺麗事では済まされないリアルな生々しい人生ドラマがありました。
好きなことをして好きなことで生きていく
羽のある大きな帽子、身体のラインを良く見せるためにコルセットを着て、華やかなネックレスとドレスで身にまとうのがオシャレとされていた時代、彼女はコルセットを身に着けずに馬を乗りこなせるラフな服装で、羽のない帽子、ヒールのない靴、シンプルでスタイリッシュな現代のファッションを作り上げました。
今見ればオシャレな服装なのですが彼女の姿に対して「男装」と発言するシーンもあり、本当に当時では考えられなかった、言うなれば、ありえない服装だったようです。しかしそれに対し、一切恥じらうことはなく、むしろ自信をもって堂々としている彼女の姿は、女性の憧れそのものです。
私は、誰とも結婚しない
先駆けとなったものは、現代のファッションだけではありません。女性の社会進出そして結婚に対して、今よりさらに厳しい時代に、彼女は働き続けること、そして結婚をしないことを決断します。
「私は、誰とも結婚しない」これは彼女の強い意志でした。
玉の輿になれるチャンスもあったのに、彼女はそれを望みませんでした。ただ一生に一度だけ、結婚したいと思えるタイミングがあったのです。そんな葛藤も、フィクションだからこそ、人間らしさを感じられるシーンが多くあります。
着飾らず綺麗事なんて言わない、媚を売ることはせず、言いたいことははっきり言う、思ったことは実行に移す、彼女は強い意志で、人生の衝突に立ち向かう姿は、当時彼女に魅了された男性と同じく、魅力を感じるものがありました。
シャネルの根底を知れる
ココ・シャネルは、どんな人物だったのか、どんな生き様だったのか、シャネルというブランドが生まれるルーツが淡々と描かれています。でも妙にシャネルというブランドが確立されるまでのその生き様が、現代と通じるものが多くあり、なぜか退屈させませんでした。
単なる恋愛話ではないし、単なる仕事をこなす話でもない。
ココ・シャネルという、たったひとりの女性の姿を当時そのままを知ることができます。
幸せになるためには苦労を知っていること。苦労を知っているから、幸せになれる。幸せだけを追い求めている人は、幸せになれない。
挑戦的な内容に批判の声があるのも事実ですが、その姿には、なにかとても大切なメッセージが隠されている気がします。
気になった方はぜひご覧になってみてくださいね。
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(文:木村うい)
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