映画コラム

REGULAR

2018年02月28日

“恋愛下手のこじらせ系男子”にお届けする、年上のお姉様との「駆け落ち」のススメ!

“恋愛下手のこじらせ系男子”にお届けする、年上のお姉様との「駆け落ち」のススメ!



Photo credit: blondinrikard via Visualhunt / CC BY


こんにちは!
松竹芸能で芸人やっております、じなんぼ〜いずシギハラです!

前回も映画関連サイトにも関わらず余談も余談、寄り道ばかりの駄文を書かせて頂き、それでもまたチャンスを頂ける運営サイドの方の器の広さにはただただ感謝です!

僕がもし監督であれば、その器の広さをテーマに4時間(DVD2枚組)の映画クランクインしますね!
ロケは広いと言えば北海道!ということで全編オホーツクロケで!
でも監督ではないんでこの話クランクアップで!(こういうのがいらないんでしょうね!)

どのラインまで書いたらまったくのムダだと嘲笑されるのか?
はたしてラインはどの辺なのか?

前回の記事でそれに光明が差しました!
余談の余談であろう事か、家族の名前についてウダウダと書いたんです!
それを「文章のテンポがちょっと出にくいので…」という、凄く優しくやんわりとした気の遣われ方をしましてばっさりとカットされました!(笑)

これは、懺悔をして醜い自分をさらけ出して、罪も肉体も精神もすべて許されて浄化された感覚に似ています!そんな経験はないんですが!
もうどこぞの無名芸人の、ましてや誰も興味のない家族の話は今後二度としません!
お母さん、シギハラは成長しました!!よし!

突然ですが!
まったく、僕なんかが言える事じゃないんですが!
本当なに言ってんだかって感じなんですが!

ここから本題です


皆さん!最近、恋とかしてる人って少なくありませんか?(笑)
仕事柄少しは若い子と話す機会もあるんですが、皆さん彼女彼氏がいる人がちょっと少ないと感じるんです!



Photo on Visualhunt.com


少子化と言われる時代、結婚率も低い、そりゃ誰かと付き合う事よりも自分の趣味や遊びを優先する若者も多いと聞きます!

草食系男子という言葉が流行ったのはもう一昔前、もはや定着化というよりも、草を食べるのがスタンダード、王道、主流、ベーシック、真っ当!
流行っていたパクチーもあれほぼ草っ!
逆にもはや肉食系、肉食う人種がちょっと好奇の目で見られたりするのかもしれません!

そんな地球の方に朗報です!
恋とかなんかわからないけど、とりあえず「駆け落ち」から始めてみたくなる映画、それが『君と歩こう』(2010)です!

君と歩こう [DVD]



監督は石井裕也監督。『川の底からこんにちは』や『舟を編む』、そして2017年『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』でキネ旬日本映画1位を獲得したのも記憶に新しいですね!主演は『こぼれる月』の目黒真希さん、『色即ぜねれいしょん』、『イニシエーション・ラブ』、『PARKS』等の森岡龍さん。

あらすじ


完全にノリとテンションだけで東京へ駆け落ちをした、女性教師・明美(目黒真希)と男子高校生ノリオ(森岡龍)。明美はお金はあると豪語して、ノリオには早く弁護士になれと勉強だけをさせている。明美は、慣れない東京にも関わらず陰で不器用でも必死でバイトを、ノリオはマイペースに図書館で勉強をする。直面する理想と現実、年上として気丈に振る舞う明美、純粋でちょっと馬鹿、等身大で二人の生活を思うノリオとの間で次第に想いはすれ違っていく。東京で出会う変わり者達の交流、明美、ノリオそれぞれの過去が混ざり合い、二人の未来はいかに。

この映画の好きな所を端的&自分的にいうと、「人」と「恋」と「笑い」が90分という短い時間の中にバランスよくコンパクトに集約されている!という所でしょうか!

魅力的な「人」




(C)2009「君と歩こう」製作委員会


34歳英語教師の明美(目黒真希)は、すらりと伸びた手足と黒髪が美しいスレンダー美人。
この方かなりお美しいです!まさに年上の駆け落ちお姉様のイメージにぴったり!

教師をというお堅いイメージの人かと思いきや、かなりの破天荒で男勝りのサバサバ系!
はっきり言いましょう!こういう女性大好きです!

『猟奇的な彼女』(2003)の彼女を思い出しちゃいます!
猟奇的な彼女 (字幕版)



言葉は悪いしめちゃくちゃなんですが、実は不器用で純粋で可愛いとこあるみたいな!
「渋谷は地球の上の悪が集まっている」とノリオに本気で教えたり、自分の事を「34歳ってキモくね?」という所も何だかお茶目!

個人的にはノリオに言った「どうせ逃げるなら後ろ向くな!前だけ向いて逃げなさい!」は人柄が表れててぐっとくる名言です!

最近DVDで見た、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2017)に通ずるものもあるなーと思いました!
マンチェスター・バイ・ザ・シー (字幕版)



自分、作品と作品を通す税関が緩めなんであまり気になさらずに!

男子高校生のノリオ(森岡龍)。


典型的な田舎者で純粋純朴、単純明快。まじめでちょっと馬鹿、ちょっとお調子者。決して高みを見ずに、明美さんと普通に暮らしたいんです。図書館であった天涯孤独の少年の夢を壊さない為に人肌脱ぐんです!

森岡さんの見た目ももちろんイケメンなんですが、凄く愛嬌があって安心出来ます。

駆け落ちのスタートの地バス停で、明美さんの手をそっと握るなど年下なりの男らしさも可愛い!好感しかないです!

この二人を中心にどこかおかしくも暖かい「孤独な人」が出てくるんですが、どの人も憎めないしもがいて生きてるって感じで親近感が沸きます!

前野朋哉さんらが演じる童貞こじらせ系同級生二人もいい味出してします!

皆さん興味津々の「恋」


明美とノリオの年の差カップル。作中では要はプラトニックな形で描かれています。

明美は、まるで母親のような眼差しでノリオを見つめ、ノリオは背伸びをするもののどこか男として見られていない事に不満がある。

お互い思いやる気持ちがあるのに、ちょっとしたすれ違いが切ない。
たしかに「愛」には間違いないが、お互いその壮大な「愛」のピントがズレていて歯がゆいです。
そしてもう一組、若いカップルが出てきますが、その二人に「駆け落ち」を勧めます。

この時に、主人公の二人にとっても「駆け落ち」が後悔するものではなく、変わらず希望なんだなって思ってじんわりきます!

でも明美は二人に叫びます!「駆け落ちってツライんだよ!」と。深い!説得力ある!

これは園子温監督『冷たい熱帯魚』(2011)のラストシーン、吹越満さん演じる社本が「人生ってのはな、痛いんだよぉー!」に通ずるものがありますね!はい、また通じさせました!
冷たい熱帯魚



でも、人を想う気持ちを考えさせられるいいシーンす!

自分がいう事でちょっとハードルが上がりそうで怖い「笑い」


これは、すべて石井裕也監督のセンスなのか、会話がとってもおもしろいです!

カラオケボックスの店長とノリオのまったく噛み合わない会話などシュールなものも多いんですが、部屋の内見中に不動産屋に二人の関係を色々聞かれて、怪しまれない為に口裏合わせればいいものを二人が交互に違いますと否定する、あのベタさもグッド!

田舎の同級生に電話する時、逆探知される時間を20分か30分かで揉めて、間とって25分とする下りも愛おしいくだらなさ!

個人的に一番好きなのは、カップルの駆け落ち当日の手伝いをする際、ノリオは見張り役をするのですが、誰か出てきたらどうする?という問いに、道徳感の塊、教師であるはずの明美が、迷わず「殺せ!」というシーンがおもろです!

とここまで、独身で売れてない芸人若輩者が「恋」だの「愛」だのと大風呂敷を広げ過ぎましたが、何かに迷った時ぐいっと背中を押してくれる推進力、不器用でも辛くても疲れてもうまくいかなくても人がちょっと好きになる治癒力、「駆け落ち」ってちょっと憧れるなーと少し恋の引力が散りばめられた『君と歩こう』オススメです!

(文:じなんぼ〜いず・シギハラ)

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