あなたに役立つ映画・ドラマのプラスαがあるメディア「シネマズプラス」

©cinemas PLUS Committee. All Right Reserved.

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が賛否両論である理由と、それでも観て欲しい理由をいま一度考える。

ストリーミングで観られる映画を毎週紹介する“金曜映画ナビ”。今週は2000年に制作されたデンマーク映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を紹介します。ちなみに今年も間もなく始まるカンヌ映画祭の最高賞であるパルムドール受賞作品でもあります。

ダンサー・イン・ザ・ダーク(字幕版)


本作は公開時に大変な話題になりました。というのも、その評価があまりにも“賛否両論”であるからです。生涯ベストの映画に挙げる方もいれば、一方で「もう二度と観たくない」、「最悪の映画」と思われる方も多いのです。

ここでは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』がどのような作品であるかを紹介し、なぜ賛否が分かれているのか、この映画を観る意義について考えてみます。

1.救いなどない物語である


本作のあらすじは、このようなものです。



アメリカのある街に住む移民のセルマは、工場で働きながら息子のジーンとふたりで暮らしていた。
セルマは先天性の目の病気のため、失明する運命にあった。
ジーンもまた、13歳までに手術をしなければ、いずれ失明してしまうという。
セルマはジーンのために必死で手術費用を貯めていたが、視力の悪化により仕事上のミスが重なり、ついに工場をクビになってしまう。



つまり、主人公は
(1)視力がだんだんなくなっていく
(2)視力の低下により工場をクビになってしまう
(3)お金がないために、いずれ自分のように視力がなくなってしまう息子を救えない
という、どん詰まりの状況に追い込まれるのです。

一般的な“いい話”のヒューマンドラマでは、ここから主人公が逆境を乗り越えたり、どこかで救いを求める手が現れたり……ということもありますが、本作はそんなことはありません。さらに主人公を“最悪”の状況に追い込んでいくのです。

この時点で観るのが辛い、と思う方の気持ちは正しいです。
物語を客観的にみれば、とことん不幸な物語なのですから。

NEXT|次ページ > “妄想の中”のミュージカルシーンがある

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録