生田斗真主演作にミムラら5人―荻上直子監督が描くトランスジェンダー
生田斗真がトランスジェンダーの女性役を演じることでも話題の荻上直子監督最新作『彼らが本気で編むときは、』にミムラ、田中美佐子、小池栄子、りりィ、門脇麦らが出演することがあきらかとなった。
荻上直子監督最新作『彼らが本気で編むときは、』キャスト第2弾発表
小学生のトモ(柿原りんか)は、育児放棄ぎみの母親ヒロミと2人暮らし。ある日母親が家出をしてしまったため、叔父のマキオ(桐谷健太)の家に向かう。過去にも同じ経験があったが、今回マキオはリンコ(生田斗真)という美しい恋人と暮らしていた。リンコは、元男性でトランスジェンダー。老人ホームで介護士として働いている。リンコの美味しい手料理に、食卓の団らん。母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに戸惑いながらも、3人での奇妙な共同生活が始まった――
映画『彼らが本気で編むときは、』は、『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』など、その独特の世界観から人気を集める荻上直子監督の5年ぶりとなる待望の最新作。
女性として人生を再出発しようとしているトランスジェンダーとその恋人のもとに、母親に置き去りにされた少女が引き取られてきたことから、戸惑いながらも3人が奇妙な共同生活をスタートする物語。荻上直子監督がアメリカで見た「トランスジェンダーの子どもを持つ母親が子どものためにニセ乳を作る」というエピソードに着想を得て、監督自身が作り上げたオリジナル脚本となっている。
トランスジェンダーの女性・リンコを生田斗真が演じ、その恋人・マキオを桐谷健太、生田斗真演じるリンコたちと一緒に共同生活をすることとなるトモを、本作が映画本格デビューとなる柿原りんかが演じる。
このたび本作の新たなキャスト陣が発表となった
マキオ(桐谷健太)の姉であり、娘のトモ(柿原りんか)を愛しながらも、シングルマザーの辛さから悩み、娘を置き去りにしてしまう母親・ヒロミ役を女優のミムラ、子供の頃から自分の性に悩むリンコ(生田斗真)の一番の“人生の応援団長”で、誰よりもリンコを明るく支え続けるリンコの母親・フミコ役を田中美佐子、小学生であるトモの同級生カイの母親・ナオミ役を小池栄子、マキオとヒロミの母親・サユリ役をりりィ、リンコの職場の同僚・佑香役を門脇麦らがそれぞれ演じる。
荻上直子監督は「映画を撮影していて、おもしろいなーと思う瞬間は、俳優さんが、自分の想像を越え、さらにすばらしいものを出してくれた時です。今回もおもしろい瞬間がたくさんあって幸せでした」と語っている。
さらに、今回発表となったキャスト陣からのコメントもシネマズに到着している。
ミムラ/ヒロミ役
荻上監督の作品は、登場人物がお互い信頼し合っている感じがとても素敵だなと思いました。今回の台本を読んで、そのままズバリというところと、今までの監督のテイストとは少し違うぞというチャレンジの部分も感じて、この作品に呼んで頂けたのは、本当に光栄です。
多様な親子関係と、血のつながりではない部分での関係。血縁者であることの弱みと強み、そうではない人の弱みと強み。私の演じたヒロミのネグレクトも決してあってはならないことで、今回は、題材的にそんな社会問題にも踏み込んだものが多く描かれています。
従来の荻上作品ファンの方にも、観たことがないよという方にも楽しんでもらえるシーンがたくさんあると確信していますので、是非ご覧になってください!
田中美佐子/フミコ役
脚本を最後まで一気に読み切ってしまうくらい、とても感動しました。まさに監督のいま一番描きたいことが、この脚本の中にはすべて詰まっていると思います。
トモちゃんよりは少し歳が上ですが、私も子育て中です。ただ、監督がこの映画で望む母親像と、私が実際にやっている母親とはまるで違うものです。母としてこの現場に来るのではなく、役者としてここに来て、監督の思う母親を100%できたらいいな、それに近づけたらいいなと思いながら演じました。
監督もお子さんがいらっしゃるということで、「突然子供にカミングアウトされたら、やっぱりびっくりしますよね」って監督にお話したら、「え、どうしてですか?全然びっくりしないと思います」という答えが返ってきました。その言葉にも感動しました(笑)
小池栄子/ナオミ役
色々なことに切り込んだ脚本ですし、今の時代だからこそ、こういったテーマを、特に女性監督の目線で描くことが大事だと思いました。監督も、妥協しない、こだわりの強い方で、自分が理想とする役のイメージに近づける作業を、とても楽しんでいらっしゃると感じました。今後ももっと一緒に監督と作品を作ってみたいという気持ちです!
非日常のように思えて、日常で巻き起こっている恋愛話なので、どう感じるかというのが、自分の恋愛観を見つめ直すいい機会になると思います。恋愛には寛容でいてほしい、いられる人になってほしいと、この映画を観た人には期待します。観終わった後は、恋したくなりますよ。やはりパートナーがいるのは、とても心強いことなので。恋しましょう!
りりィ/サユリ役
私はリンコさんのようなタイプの人が友達に多くて、結構身近な問題だったんです。こういうテーマを取り上げてもらえるのは嬉しく思いました。
生田さんは、キレイの一言!傍からみていて、ちょっとしたしぐさも女性になりきろうと努力されていました。
男女を超越した人間愛。そこには男も女も、年齢制限もない。愛するってそういうことだと思うんです。そこを感じさせてもらえる作品になるんじゃないかと、完成を楽しみにしています!
門脇麦/佑香役
荻上監督の作品はとても好きなので、お話をいただいた時はとても嬉しかったです。脚本を読んで、今までの荻上監督の作品のテイストと少し違うなと思ったので、どういう風に撮られるのか楽しみにしていました。監督の演出は非常に的確だし、繊細だし、自分が「今の違ったな」と感じると、その微妙な違和感も察知されて、ちゃんと「もう1回!」が来ます(笑)
私が演じた佑香は「女の子っていいな」「恋するっていいな」「誰かと一緒になるっていいな」「人と人との繋がりっていいな」っていうことをリンコさんに感じさせる役だったと思います。本作では、育児放棄など様々な社会問題が盛り込まれていますが、どんどん人間関係が希薄になっていく社会で、一緒になるのが困難だからこそ、人間の繋がりの大切さや温かさが描かれるところを観て欲しいです。
映画『彼らが本気で編むときは、』は、2017年年2月25日(土)より、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。
(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
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