NYカーネギーホールのアーカイブ1番人気を誇る伝説の歌姫の実話を、メリル・ストリープ×ヒュー・グラントの共演で映画化する『マダム・フローレンス！　夢見るふたり』。本日より開催される第29回東京国際映画祭でのオープニング上映に先駆け、本作の主人公である実在した世界一有名な音痴歌手、メリル・ストリープ演じるフローレンス・フォスター・ジェンキンスについてどこよりも速く解説！

世界一有名な音痴歌手「フローレンス・フォスター・ジェンキンス」とは？

『クィーン』でヘレン・ミレンにオスカーをもたらし、『あなたを抱きしめる日まで』でジュディ・デンチにオスカーノミネートをもたらした、ベテラン女優を輝かせる名匠スティーヴン・フリアーズが監督を務める本作は、女優メリル・ストリープと、“ラブコメの帝王”ともいえるヒュー・グラントの夫婦役での初共演ということで注目を集め、第29回東京国際映画祭のオープニング作品にもなっている。

本作でメリル・ストリープが演じるフローレンス・フォスター・ジェンキンスは、実在したオペラ歌手。

1868年、ペンシルヴァニアの裕福な家庭に生まれると音楽の才能を開花させ、8歳にしてピアノコンサートを開催。ホワイトハウスに呼ばれコンサートを行う等、音楽の天才児として活躍した。

父親からの猛反対に合いながらも音楽家への道を目指したフローレンスは、17歳で年上の医師と結婚。しかし、夫から当時は死に至る病気であった梅毒をうつされてしまったことにより、水銀やヒ素投与による治療の副作用で、ピアノ演奏に支障が出始める。その後、夫と離婚し貧困状態に陥ったこともあり、音楽家になることを諦めることを条件に親元へと帰ることになるフローレンス。




しかし1907年、本作でヒュー・グラントが演じるシンクレア・ベイフィールドと運命的に出会ったフローレンスは、すぐさま恋に落ちることに。その後、音楽家になることに反対していた父が死去し、莫大な資産を相続したフローレンスは、NY社交界に進出！“マダム・フローレンス”としてNY音楽界に巨額の財産を投じるようになり、社交界のトップに立つ富豪のマダムとして知られるようになる。

1912年には、音楽家を支援するためにこのクラブを創設し、様々な公演を催していましたが、そこでフローレンスは自らオペラを披露していた。しかし、その歌声は絶世の音痴……。影では笑う者も多かったものの、その声をかき消す為に奔走していたのはシンクレア・ベイフィールド。彼のサポートもあり、やがてフローレンスは、カーネギーホールでのコンサートを夢見るようになる。




実在したフローレンス・フォスター・ジェンキンスを映画化するにあたり、脚本のニコラス・マーティンは「フローレンスを演じられる人物はただ一人、メリル・ストリープだけだ」という。学生の頃からフローレンスについて知っていたというメリルは「演劇や音楽を学ぶ者なら誰でも彼女を知っているわ。スティーヴン・フリアーズが電話してきて『史上最悪のオペラ歌手の役をやってほしい』と言われた時は大喜びしたわね。脚本を読む前に引き受けてしまったの」と快諾したことを明かしている。

メリル・ストリープが全身全霊で臨んだ伝説の歌姫マダム・フローレンス。1944年、笑いと涙に溢れた伝説的なカーネギーホール公演が、劇場でよみがえる。

映画『マダム・フローレンス！　夢見るふたり』は2016年12月1日(木)より、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー。

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