『紅の豚』ポルコはなぜ豚になったのか?その疑問を解き明かす5つの事実
余談その1.戦争があっても、みんなが元気でいてほしいという気持ちが表れている
ポルコは飛行艇の戦いにおいて、殺人を絶対に犯さないという信条を持っていました。高性能焼夷弾とか徹甲弾を薦められたときにも、ポルコは「ボウズ、俺たちゃ戦争やってるんじゃねえんだよ」と答えています。
ポルコが飛行艇乗りでありながら戦争や死を否定しているのは、親しい人を亡くしたこと、その親しい人と結婚していたジーナを悲しませていたことも理由なのでしょう。
映画のラストでフィオが語っていたことは、「あれから何度も大きな戦争や動乱があったけれど、その(ジーナとの)友情は今も続いている」ということでした。年老いたマンマユート団がチェスなどを楽しみ、一堂に会している絵も映し出されていました。
これらから伝わるのは、“もし戦争が起こっても、みんなが元気でいてほしい”という純然たる願いです。これは宮崎駿が持つ矛盾の答えであり、願望なのでしょう。
また、ジーナがまるでやんちゃな男の子を世話するかのように、アドリア海の男たちをたしなめていることも重要になっています。「戦争ゴッコはダメよ」と言うジーナの母性は男たちにメロメロで、「この店の50キロ以内じゃ仕事はしねえさ!豚とだって仲良くやってるぞ」とまで言わせてしまいます。
ラストでみんなが無事に生きてこられていたのも、ジーナのおかげなのかもしれませんね。
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