映画コラム

REGULAR

2016年12月23日

『フランダースの犬』を見て泣くのは、恥でもないし役に立つ

『フランダースの犬』を見て泣くのは、恥でもないし役に立つ

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©THE DOG OF FLANDERS PROD.



心温まる名作もあれば、悲しみに支配される名作も。今回は心に悲しみを植え付けながらも多くの人の心に愛されるあの名作をご紹介。「劇場版フランダースの犬」です。

※多くの方が知っているラストシーンなのでネタバレをしています。予めご了承ください。

【復習】「フランダースの犬」ってどんな話?


「パトラッシュ、もう疲れたよ…」の台詞はあまりにも有名ですが、意外と全編通して記憶していない方も多いかもしれません。また、1975年にTVシリーズ(世界名作劇場)として放送されましたが、今回ご紹介するのは1997年に公開された劇場版。「世界名作劇場」演出を担当した黒田昌郎が監督を務めました。

ストーリー概要


午乳運びをしてなんとか生計をたてていた少年ネロとそのおじいさん。ある日、二人は金物屋に酷使され、弱りきって野原に捨てられていた労働犬を拾う。その老犬はネロの3日3晩にわたる付きっきりの看病の甲斐あって、無事元気を取り戻した……。それは、後に深い絆で結ばれることになるネロとパトラッシュとの運命的な出会いだった…。


大聖堂のルーベンス絵画を見ながら息を引き取るシーンは、「もう苦しまなくていいんだよ…」と同時に「どうして誰も助けてあげられなかったのか…」と涙なしには見られないシーンですが、そこへ行き着くまでの物語がこのラストをより悲しく、そして心に残るものにしてくれています。

[この映画を見れる動画配信サイト](2016年12月23日現在配信中)
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「知ってる」で見てこそ発見がある


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©THE DOG OF FLANDERS PROD.



多くの方が知っているラストシーン。私自身も当然ラストシーンは鮮明に覚えています。しかし、冷静に考えると「いつ、どこで、どのバージョンを見たのか」を思い出せないのです。

おそらくテレビで見たのでしょうが、子供の頃見て以来しばらく見ていませんでした。その後大人になってからこの劇場版を見る機会がありましたが、様々考えることがありました。

悲しい結末を迎える、というよりそういう結末にさせた大人たちにまず腹が立ちます。映画で「もしも」は禁句かもしれませんが、「もしもそこで救ってあげられていれば」というのが何箇所もあります。

子供ながらに記憶し思っていた「ああ、ネロ死んじゃう、悲しい…」が「どうしてこんなことに…」という怒りを伴った感情に変わっていました。

大人になって知識が増え、思考を巡らせるようにもなり、良くも悪くも多くの物語に触れたからこそ、見方が変わったのだと思います。

そして、そのように感情面で変化がありつつも映画が終わって思ったことは「これは文句なしの不朽の名作だよな」ということでした。そこに変わりはありませんでした。




泣くのは恥でもないし、役に立つ


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©THE DOG OF FLANDERS PROD.



TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が遂に最終回を迎え、社会現象とも言える大反響となりました。

このドラマのタイトルはハンガリーの諺からきています。意訳すると「自分の戦う場所を選べ」という意味になります。

という余談は置いておきまして、「劇場版フランダースの犬」は“催涙弾映画”と言われる涙なしに見られない作品です。

映画を見て涙を流す顔は人に見られたくないと思われる方もいらっしゃると思いますが、名作なんですから仕方ありません。

泣くのは恥でもないし、役に立ちます(人生に)!

年末年始に是非チェックしてみてくださいね。

[この映画を見れる動画配信サイト](2016年12月23日現在配信中)

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(文:柳下修平)

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