『3月のライオン』が将棋を知らなくても楽しめる7つのポイント
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
神木隆之介主演・大友啓史監督の新作映画『3月のライオン』。
神木隆之介演じる主人公・桐山零がプロ棋士であることから、「将棋の映画か?」「将棋知らないと面白くないんじゃない?」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。
今回は将棋を知らなくても楽しめるポイントを紹介します。
どんな話?
幼い頃家族を事故で亡くし、プロの棋士に内弟子として引き取られ、中学生でプロ棋士になった桐山零。彼には家族も友達はいません。しかし、ある日、隣町に住む川本三姉妹と出会った、賑やかな食卓で自分の居場所をみつけていきます。彼女たちの支えや、ライバルと切磋琢磨し、新人戦や獅子王戦という将棋のタイトル戦に挑んでいきます。
1:将棋はあくまで味付け、メインは桐山零の成長物語
主人公がプロ棋士であることや、将棋のタイトル戦、対局シーンなどもありますが、メインとなるのは主人公の成長であり、主人公を取り巻く人たちの群像劇です。描写もどちらかといえば、将棋のための作戦を考えたりするシーンよりも、主人公たちの内面・心理・葛藤を描写するシーンが多いです。
基本的に内向的な主人公のため、人と接することが苦手で、悩みを打ち明ける友人もいません。そんな彼にとって頼りになる存在が学校の先生。お昼ご飯も一緒に食べるなど、この先生の献身っぷりは素晴らしい。先生の後押しがあってこその主人公の成長があったのは間違いないでしょう。
もう一つの成長のきっかけが、川本三姉妹。彼女たちの交流が、主人公の凍りついた心を溶かしていきます。そして最初は助けられてばかりいた主人公が、後編では彼女たちを助ける側に回れるくらい成長します。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
2:戦っている人たちへのエールがテーマ
主人公は将棋や人間関係と戦っているわけですが、多かれ少なかれ、生活していく上で何かしらと戦っている人は多いと思います。
だからこそ、主人公の戦う姿に共感を覚えることができるのです。同作の感動ポイントはまさにそこで、苦悩し、傷つき、時には負け、それでも立ち上がって戦いを挑んでいってくれます。勝ち負けは部活やっていればつきものですよね。
棋士じゃなくても、何かのプロになると、基本的にそれ以外の潰しが利かなくなり、負けても、続けなければいけない状況になります。プロになるということは、きっとそういうことなのですよね。
この映画はそういうプロとして戦う人、クラブ活動で戦う人たちへの応援し励ましている映画でした。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
3:もう一つのテーマは“家族”
もう一つのテーマは普遍的な「家族」です。主人公は天涯孤独の身になってしまいますが、プロ棋士の家族に引き取られ、そこで一応家族になります。もう一つ家族として川本一家が出てきます。
主人公を通して、家族に必要なのは血か、それとも過ごした時間か、などが描かれていきます。特に終盤はそこに集約していくので、重要なファクターと言えます。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
4:神木隆之介のハマり役
チャラい男子高生や漫画家志望、日本征服を企む超能力者など、演技・役の振り幅が広い神木隆之介ですが、この桐山零もかなりハマっています。
ちょっと内気な草食系に見えて、芯はまっすぐで意志が強い。今回もそんな役柄です。ただちょっと違うのが、プロ棋士ということもあり、将棋に関しては超強気だったりします。でもそういうところも見事に演じきっていて、桐山零というキャラクターを体現してくれています。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
5:染谷将太の怪演もとい、特殊メイクが凄い
染谷将太演じる二階堂というキャラクターは、桐山零の同世代のライバルです。この役柄がめちゃくちゃぽっちゃりしていて、初めてビジュアルが明かされた時はびっくりしました。
パッと見て染谷将太とは分からない特殊メイクです。声も少し変えてるような?
染谷将太にしては珍しく熱血系のキャラだな、と思いました。ちなみにこのキャラクターにはモデルがいまして、昨年公開された『聖の青春』の主人公・村山聖さんだそうです。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
6:悪女役を好演・有村架純
ビリギャルでギャル系を演じていましたが、こういう悪女は初めてだそうで。主人公の義理の姉・香子を演じています。
このキャラクターがとてつもなく獰猛で、野獣のような女性。言いたいことをはっきりいうし、相手が傷つくことも、困ることもズケズケ言うし、妻子持ちの男性と不倫をしているけど、悪女というほど悪女でもないのかな……。
主人公の義理の姉ということもあり、主人公の前に現れてはトラブルを振りまいて、傷つけていきます。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
7:聖母のような倉科カナ
有村架純とは真逆の役柄で、三人姉妹の長女のため、姉妹たちだけでなく、主人公の面倒も何かと見てくれるキャラクターです。
本当に優しくて、包容力があって、美人で、男であれば絶対憧れますね。主人公じゃなくても彼女の存在には癒されるはず。有村架純との対比もすごくよくて、両方が相乗効果でよく見えます。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
まとめ
このように将棋を扱ってはいますが、将棋を知らなくても楽しめることは間違いありません。テーマや訴えていることは普遍的で、誰でも共感できるようなことです。
またキャスト陣が豪華な上にとても魅力的でした。キャストの演技を見にいくだけでも十分価値はあると思います。
前編・後編と2作ありますが、主人公・桐山零の成長をぜひ見届けてください。
(文:波江智)
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