結婚=幸せだけではない?『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』に見る恋愛&結婚観
(C)2015 / LES PRODUCTIONS DU TRESOR - STUDIOCANAL
こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、3月25日から全国順次公開となった『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』。
あなたはこんな男女の関係、ガマンできますか?
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.98
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恋愛とは?結婚、夫婦とは?愛し合ってもすれ違う、男と女の10年ストーリー
スキー事故で重傷を負い、リハビリセンターに入院することになった弁護士のトニー。リハビリに励むうち、彼女は元夫のジョルジオとの情熱的で波乱に満ちた日々を思い出していた。
あれは10年前、トニーは学生時代から密かに憧れていたレストラン経営者のジョルジオと、パリで偶然再会。瞬く間に意気投合した二人は、激しい恋に落ちる。
トニーは離婚歴のある弁護士だったが、ジョルジオは金持ちのプレイボーイ。その違いさえもお互いにとって魅力的だった。やがて、二人は結婚。トニーは妊娠、出産と、幸せの絶頂にあるはずだったが、ジョルジオは思いがけない素顔を見せ始める…。
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アムールの国フランスから、リアルで官能的な大人のラブストーリー
激しく惹かれ合った男女の10年を通して「愛し合っているのに、なぜ男と女はすれ違うのか」という古今東西共通の愛の問題を描いた、官能のラブストーリー。
主演のエマニュエル・ベルコは、第68回カンヌ国際映画祭で女優賞に輝きました。
相手役のジョルジオを演じるのは、『ジェイソン・ボーン』『ブラック・スワン』など、ハリウッドでも大役を務めるヴァンサン・カッセル。女性やお金だけでなく、あらゆる欲望にだらしない究極の“ダメンズ”も、彼が演じるとセクシーでチャーミングで。
「そりゃ、トニーも“くされ縁”を続けるわ……」と思わず納得。
そんな嵐のような愛の物語を手がけたのは、女性監督のマイウェン。10代でリュック・ベッソンに見初められ、結婚・出産を経験したマイウェン監督。その後リュック・ベッソンがほかの女優と恋に落ちたことで破局して……という、監督自身も波瀾万丈な人生経験を持つパワフルウーマン。
本作はマイウェン監督が長年温めてきた企画だけに、とても成熟した面持ちに仕上がっています。
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やっぱり奥が深い、フランス人の恋愛&結婚観
ドロドロと激しい愛欲を描いた恋愛モノが観たいならフランス映画!という時代がありました。
その類いの作品が大好きな人が本作を観たならば、かつての『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』や『ポンヌフの恋人』、『王妃マルゴ』なんかを思い出して「こんなフランス映画が観たかったのよ~」と思うのではないでしょうか。
ただこの映画は、“人生は建前ではなく、自分の欲求のままに突き進むべき“と欲情的でありながらも、“永遠なんてものはなく、人は必ず別れるもの”という、理知的でドライな一面も。
フランス人の恋愛&結婚観って、やっぱり奥が深い!
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ファビュラスな叶姉妹が『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』を語ると……。
さて、本作の公開直前試写会イベントでは、叶姉妹をゲストにお迎えしました。恋愛のプロフェッショナルでスーパーセレブなお二人が、この映画をご覧になると…。
「この映画の主人公のようになってはいけませんよ、という話。男性がロクデナシであることは、どこの国でもあり得ることです」と、余裕シャクシャクの恭子さん。
そして「ジョルジオが姉にそっくりで、トニーの方がいつも姉の周りにいるグッドルッキングガイのうちの一人のよう。男女の立場が逆転していますね」と微笑む美香さん。
イベントでは、会場に駆けつけた女性からの恋愛相談も実施。
とても説得力ある見解に皆さんも、大きく頷いてらっしゃいました。
この日は、キラビやかなスパンコールのドレスで登場したお二人。
聞けば、この日のファッションテーマは“観音様”ということで、恭子さんが選んだのだとか。
恋愛においても、“観音様”のごとくすべてを見通したいものです。
作品情報
『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』
2017年3月25日からYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督:マイウェン
出演:エマニュエル・ベルコ、ヴァンサン・カッセル、ルイ・ガレル、イジルド・ル・ベスコ
©2015 / LES PRODUCTIONS DU TRESOR - STUDIOCANAL
公式サイト www.cetera.co.jp/monroi/
(文:八雲ふみね)
八雲ふみね fumine yakumo
大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com
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