映画コラム

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2017年05月31日

『バイオハザード: ヴェンデッタ』はゲーム弱者でもOK!炸裂するガンカタに大興奮!

『バイオハザード: ヴェンデッタ』はゲーム弱者でもOK!炸裂するガンカタに大興奮!



(C)2017 CAPCOM / VENDETTA FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.



既に実写映画化もされている人気ゲーム、「バイオ・ハザード」の世界観を、フルCGアニメで長編映画化した話題作、それがこの『バイオハザード ヴェンデッタ』だ。

昨年の『ファイナル・ファンタジー』や『GANTZ:O』でも明らかな様に、今やフルCGアニメのクオリティは実写と同格、もしくはそれ以上。加えて迫力ある独創的なアクションと、深い人間ドラマまで兼ね備えているとなれば、もはや劇場での鑑賞には何の心配もいらない、と言えるだろう。

今回鑑賞したのは、公開2日目の新宿ピカデリー昼12時の回。既にこの時点で夜7時の回まで、全て完売の人気だった。

とは言え、ゲームの1と2をプレイした程度のゲーム弱者の自分が、果たしてこの作品に入り込めるのか?多少の不安を胸に鑑賞に臨んだ本作。果たしてその内容はどうだったのか?

予告編


ストーリー


 対バイオテロ組織「BSAA」のクリス・レッドフィールドは、ある情報を基に、武器密売組織の拠点である謎の洋館へ突入する。探索の最中、クリスは国際指名手配犯であるグレン・アリアスと対峙するも、信じがたい光景を目の当たりにし、結果アリアスを逃してしまう。

 一方、元ラクーン市警の特殊部隊「S.T.A.R.S.」の一員だったレベッカ・チェンバースは、現在は大学教授として、「死者が甦り、凶暴化する」という不可解な事件の調査、研究に携わっていた。事件の調査により、「新型ウィルス」が関係していることを突き止めた彼女は、治療薬の開発に成功。その直後、研究所が何者かに襲撃され、レベッカは死の危険にさらされてしまう。

協力を求めるため、新型ウィルスが関わる事件を最もよく知る人物、アメリカ大統領直轄のエージェント組織「DSO」所属のレオン・S・ケネディのもとへ向かうクリス。再会を果たした二人は、アリアスの真の目的が“バイオテロ”だと掴み、その策略を阻止する為、彼を追いニューヨークへと向かうのであった。

(公式サイトより)



CGでしか描けない世界観に、あのガンカタ・アクションが炸裂する!


結論から言おう、ゲーム弱者の自分にも最高に楽しめた、いや、これは面白かった!

特にラストで展開する主人公クリスと、悪役アリアスとの銃撃戦が凄い!

接近戦でお互いに銃をぶっ放しながら徒手格闘で闘う、いわゆる「ガンカタ」。不朽の名作映画「リベリオン」で創作されたあの格闘術が、本作では見事に再現されている。

飛んで来る銃の弾など気にもせず、ナイフや剣での戦いの感覚で繰り広げられる銃撃戦のスピード感は、確かに生身の人間による実写では実現不可能だし、CGで補ったとしても、やはり不自然さが目立ってしまう。

その点フルCGアニメならば、この様な人間離れした動きやスピードでも、違和感無く観客が楽しめるというわけだ。



(C)2017 CAPCOM / VENDETTA FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.



もちろんこうした超絶アクションや、襲って来るゾンビの恐怖だけでは無く、肝心の人間ドラマの深さも本作の重大な魅力の一つとなっている。

自分の様に過去のゲームに対する知識が無くとも、本作では登場人物のキャラクターへの掘り下げが充分出来ているため、彼らの内面や感情が理解出来て、自然と作品に感情移入することが出来るのが嬉しい。

特に今回感心したのが、敵キャラの内面への深い描き込み方だ。悪役のアリアスが見せる、友人達への愛情や過去への深い悲しみと、突然出現する恐るべき狂気との対比が、彼を単なる悪役以上の深みのある存在にしている。

更に、アリアスの腹心であるマリアとディエゴの関係を、最小限のセリフと一枚の写真だけで、その深い愛情と復讐への憎悪まで理解させるのは見事!

「どうせゲーム世界の延長で、実際にプレイしてない人には楽しめないんでしょ?」、そんな偏見と先入観は今すぐ捨てて、是非劇場で一度ご覧になることを、強くオススメします。



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最後に


副題である「ベンデッタ」=「復讐」の意味が明らかになるOPと中盤、そしてエンディングと、文字通り終わり無い復讐の無意味さと悲しみをテーマとした本作。

正直映画の中盤までは、このレベルのCGやキャラクターの動きであれば、最近のハリウッドの実写アクションでも出来るのでは?そう感じながら見ていた。だが、なるほど、あの「ガンカタ」が炸裂する終盤のアクションは、確かにCGでしか表現出来ない!

更に、ラスボスとして登場するモンスターの造型と、周囲との違和感の無さは、これもCGならではの魅力と功績だと言える。

実際、実写版の「バイオ・ハザード」を見る度に、ラスボスのモンスター登場に対する違和感や、生身の役者との合わなさを感じていたので、この点が改善されているだけでも、本作を劇場で見る価値は充分にあると言えるだろう。

冒頭に登場する例の洋館と、襲いかかるゾンビの群れの恐怖は、まさにゲームの1作目をプレイした時の感覚を思い出させてくれる。

もしもゲームをプレイしたことが無くても、本作は悪役アリアスの悲しい復讐のドラマとして、充分に感情移入して楽しむことが出来るので、心配しないで是非劇場に足を運んで頂ければと思う。

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(文:滝口アキラ)

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