映画コラム

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2017年06月24日

親子共演だけじゃない!『レイルロード・タイガー』に、まさかのあの人が!

親子共演だけじゃない!『レイルロード・タイガー』に、まさかのあの人が!



(C)2016 BEIJING SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION SHANGHAI FILM GROUP CO., LTD. BEIJING GOING ZOOM MEDIA CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.



昨年公開された『ドラゴン・ブレイド』に続き、今年もジャッキーの新作が公開される。ジャッキーの実年齢に合わせて一時期に製作された、暗い現実味を帯びた役柄から脱却したかの様に、再び往年の「明るくユーモラスなアクション」の世界にカムバックした作品、それがこの『レイルロード・タイガー』だ。

今回は公開5日目の最終回、敢えて日本語吹替え版で鑑賞して来た。その理由は後述するとして、何と場内は自分を入れて僅か3人!かなりの不安を抱きつつの鑑賞となった本作だが、果たしてその出来はどうだったのか?

予告編


ストーリー


1941年、中国の鉄道で働くマー・ユエン(ジャッキー・チェン)と仲間たちは、何度も日本軍の目を盗んでは物資の略奪などを行っていた。またたく間に噂は広がり、彼らは「レイルロード・タイガース」と呼ばれ日本軍から敵視されることになる。ある日、マーは日本軍に追われた負傷兵ダーグオ(ワン・ダールー)を助ける。ダーグオは、日本軍による物資輸送を妨害すべく橋を爆破しようとして失敗していた。

負傷した身で再び爆破に向かおうとするダーグオを、行きがかり上助けるマー・ユエンたちだったが、日本軍に見つかりダーグオは命を落とす。

彼から重大な爆破任務を託された「レイルロード・タイガース」たち。果たして無事に作戦は成功するのだろうか?




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ジャッキー映画を敢えて吹替え版で見る理由って?そして意外な出演者が!


冒頭で触れた通り、今回は敢えて日本語吹替え版で鑑賞したのだが、実はそれには理由がある。

本作鑑賞後の個人的意見だが、やっぱりジャッキーの声が石丸博也さんだと、面白さが確実にアップする気がした。

以前は香港でも、他の俳優がジャッキーの声をアフレコしていたのだが、最近はほぼ100%ジャッキー本人の生声が、スクリーンでも聞ける様になっている。聞いたことのある方なら判ると思うのだが、実はジャッキーの声は低くてこもっている様な声。そのため昔からのファンにとっては、日本語吹替え声優である石丸博也さんの明るい高めの声の方が、昔からのジャッキーのイメージに近い気がする。そんな理由から、敢えて日本語での鑑賞を選んだというわけだ。

もちろん、テレビ放映で初めてジャッキー映画に触れた世代にとって、もはや石丸博也の声の方が馴染みがあるという点が強いのだが。

ちなみに今回鑑賞した吹替え版だが、ジャッキーたちが歌うシーンの声は原語のままだし、日本人兵士役の池内博之の声も本人のままだった。これなら「映画は絶対字幕版派!」の方にも楽しんで頂けるのでは?

最近の劇場公開映画の日本語吹替え版クオリティは非常に高く、作品によっては吹替え版での鑑賞もオススメかも知れない。

もう一つ本作を楽しむためのヒント、それは意外にして豪華な出演キャスト陣にあると言える。

もちろん、ラストで登場する某有名俳優兼人気歌手さんも意外なのだが、ここで言う意外な人物とは、ズバリ、中国軍の兵士役で登場した「ワン・ダールー」その人!

名前を言って「誰?」と思った人も、昨年話題を呼んだ台湾映画『私の少女時代-Our Times-』で、ヒロインの不良の彼氏役と言ったら思い出すのでは?

その他にも、ジャッキーの実の息子であるジェイシー・チャンが出演。意外にも同じシーンで共演するのは、本作が初となるので、これも貴重!

更に、日本を代表して登場するのが、香港映画の日本兵役ならこの人!でお馴染みの池内博之。実は本作では、いつものシリアス路線とは違って、意外なコメディ演技を披露しており、特に睡眠薬でフラフラになりながら男にキスしようとするシーンは、エンドクレジットのNGシーンと合わせて必見だ!




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最後に


とにかく、全編『ポリスストーリー3』や『酔拳2』を思い出させる列車アクションの連続!ファンにとっては、もはやそれだけで充分楽しめるのが、この『レイルロード・タイガー』だと言える。

ただ、残念ながら前半部の快調な運びに対して、中盤から後半に「何で?」と思わずにはいられない部分が非常に多いのも確かだ。タイトル通り列車上のシーンが多い本作では、どうしても限られた空間や一方向へ進むだけのアクションが多用されるため、銃撃戦にしても格闘にしても、いつものジャッキー作品のレベルを期待して見に行くと、恐らくガッカリされるファンの方がおられるかも知れない。

或いは、余りにあっさりとした人間関係やドラマ部分が、ラストの鉄橋大爆破への感情の盛り上がりを妨げている?とも考えられる本作。

しかしその裏に隠されているのは、日本軍に家族を殺された悲しみや怒りであり、せめて声高に感情を表に出せない登場人物たちの、抑圧された日常とそこから脱出するための行動への動機付けがもう少し描かれていれば・・・、個人的にはそう思わずにはいられなかった。

残念ながら、既に公開2週目からは大幅に上映回数が減少してしまう本作だけに、ファンの方は是非お早めに、劇場の大スクリーンで列車アクションと大爆破をお楽しみ頂ければと思う。

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(文:滝口アキラ)

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