『メアリと魔女の花』、押さえておきたい“5つ”のポイント
(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
初めて予告を見たとき、「新しい魔女だ、待ってました!」と思いました。
しかし、新しい魔女はスタジオジブリではなく、スタジオポノックという聞きなれないところ。監督は『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』の米林宏昌監督、これは期待!と思って見たところ最高に面白く感動できる映画となってました。今回は同作の見どころを解説します。
1:『メアリと魔女の花』こんな話
叔母さんの家に両親より先に引っ越してきたメアリ。しかし、早めに到着したため、同世代の子供はまだ戻っておらず退屈な日々を過ごしています。ある日、猫を追いかけていたら森で不思議な花を見つけ持って帰ります。家の人に見せると「夜間飛行」(魔女の花)と呼ばれる花で7年に1度しか咲かないということがわかります。
その花の効果でメアリは魔女の力を得て、魔法大学へ入学するのですがそこで魔女たちの企みを知ってしまい……。
(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2:飛行シーンのワクワク感を是非!
メアリ自体は魔女ではなく普通の子です。それが魔女の花を手にしたことから突然花の近くあった箒が急に飛び始めたので、そのまま箒に掴まって飛んでしまうわけです。この飛行シーンの描きかたがとても素晴らしくワクワク感を感じることができます。「『魔女の宅急便』ではない魔女は不安だな・・・」と思ってる方も心配無用。全く別方向に進んだワクワクする飛行シーンを是非楽しんでみてください。
3:魔法に触れ抑圧されたものが解放
メアリが迷い込む魔法大学。メアリは魔法の花の影響で魔法の力を遺憾なく発揮します。それまで地上で大きな評価をされてこなかったメアリは、この大学で評価されます。その後、一度人間の世界に戻るわけですが、魔法世界で評価されてから、メアリの性格がガラッと明るく変化します。
それまで抑えられていたものが、空を飛び、魔法に触れ、認められる喜びを知り成長したことで解放されたのだと思います。
(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
4:魔女のパートナーといえばやっぱり黒猫
メアリを魔女の花へと導くのは、黒猫。『魔女の宅急便』でもそうでしたね。ただ今回は『魔女の宅急便』のように最初からメアリと一緒にいるわけではなく、隣家の飼い猫であるのがポイント。飼い猫でないからこそ猫が懐いていく過程も描かれ非常に微笑ましかったりもします。その猫がある目的でメアリを魔女の花へと案内したことから物語が大きく動きはじめるので要チェックです。
(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
5:魔法が表すもの
今作では様々な魔法が出てきますが、クライマックスに出てくるとても重要な魔法があります。どのような魔法かはネタバレになりますので、伏せますが、それがまさにこの映画そのものなのかもしれません。また、今作はジブリらしい面、ジブリからの脱却を図ろうとしている面の2つの側面が垣間見られます。
最後の魔法は、元スタジオジブリの米林監督や西村プロデューサーのジブリへの感謝と別れそのものなのかなとも思いました。
“魔法”の価値観、存在する理由を考える深みもこの映画の魅力の一つと言えるかもしれません。
(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
まとめ
『メアリと魔女の花』は本当に面白い作品でした。特に中盤以降の一度魔法大学から逃げ、再び戻ると決意するシーンはドラマ的な見せ場となっているので注目です。少女の成長とジブリの遺伝子を継ぎながら新しい方向を目指したスタジオポノックの初長編作品。大人も子供も楽しく見られます。
(文:波江智)
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