撮影中に毎日やってたアレがエンドロールに…!『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』石川勝己監督インタビュー



関西ジャニーズJr.主演映画の第4弾『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』が、2017年8月26日(土)に公開されます。

アクション俳優→忍者→ミュージカルと、さまざまなジャンルに挑んできた彼らが、今回挑戦するのは“漫才”!

同作は、売れない漫才コンビ「エンドレス」の2人と、彼らと同期の漫才トリオ「ピンクらくだ」の3人が切磋琢磨しながら夢に向かって右往左往する青春ストーリー。

今回は公開に先駆けて、本作のメガホンを取った石川勝己監督にお話をお聞きしました!



ー “お笑い”と“青春”が2本柱となっている作品ですが、それぞれ演出において工夫されたところは?

石川勝己監督(以下、石川) 僕がどうこう考えるよりも、演者側の素地に“お笑い”も“青春”も備わっていたので、安心して彼らに任せたほうがいいだろうと思いました。

ー 漫才の掛け合い、テンポもかなり洗練されていたように感じましたが。

石川 脚本の西条(みつとし)さんが、元お笑い芸人の方なので、ネタも基本的に西条さんにお任せしました。僕はお笑いに関しては素人ですから、撮影へ入る前に何日間か、西条さんから演者に、漫才の稽古をつけてもらったんです。「漫才が面白かった!」と思ったのであれば、それは西条さんのおかげにほかならないです(笑)。

ー お芝居に関しては、「エンドレス」の高浜優輔(西畑大吾)と稲毛潤(藤原丈一郎)の心理描写が中心に描かれていますが、2人に対する演技指導はどのようにされたのでしょうか?

石川 優輔はある出来事をきっかけに自分が変わった経験から、1つの目標に執着してしまって、それが達成できないことに苛立ちを抱えている少年です。周囲に強く当たる部分もあるんですが、本人は決して強い人間でもないし、人を征服するような人間でもない。そのあたりのバランスを、過去の背景も交えながら、西畑君にはうまく演じてもらいたいとお願いしました。

一方、稲毛はとても優しい男で、優輔のそういう危ういところを放っておけない。でも、優しさゆえに、優輔に対しても一歩引いてしまう優柔不断さを抱えている。それを意識しながら演じてもらいたいと藤原君にはお願いしました。

僕はお芝居の細かいところをあれこれ言わないので、2人がこちらの意図を汲み取って、咀嚼して、出してもらったものがスクリーンに映し出されていると思います。

ー では、その2人のやりとりで、監督の心に残ったシーンは?

石川 やはりラストに差し掛かるところの宴会場のシーンでしょうか。2人の関係性や、互いに口に出せなかった思いが一気に感情に出るところです。ぜひ、見ていただいて確かめてもらいたいですね。




ー 2人からお芝居に関して質問や意見はありましたか?

石川 この2人に関しては、そういうやり取りはあまりなかったですね。「エンドレス」のライバルの「ピンクらくだ」の3人(向井康二、室龍太、草間リチャード敬太)からは割と質問がありました。

本作では、優輔と稲毛の心情が中心に描かれているので、脚本からも読み取りやすいし、僕も本読みの段階から説明やお願いもしました。リハーサルでも「こうしてほしい」という明確な方向性がありましたので、西畑君と藤原君はあまり迷うことがなかったんだと思います。

対して、「ピンクらくだ」の3人は引っ掻き回す役柄だったので「どうしたらもっと面白く見えるか」と、積極的に聞いてきてくれました。

また、向井くんが演じる揉野(重信)は、ストーリーのキーパーソンとも言える人物で、優輔と稲毛の関係性の変化にも重要な役割を担っているので、そこをどう表現したらいいかと、質問はありましたね。

ー 関西ジャニーズJr.がそろった撮影現場は、どのような雰囲気だったのでしょうか?

石川 僕は普段、若い男の子たちと接する機会もないので…(笑)。新鮮でしたね。

撮影は秋口で、琵琶湖の付近でクランクインだったんですが、寒くて…。僕は風邪を引いちゃったんですけど、彼らは平気な顔して「アイス食おう!」ってアイス食べてて。若いってすごいなって思いました(笑)。

ー 限られた撮影期間だったと思いますが、撮影を通して見えた演者さんたちの素顔はいかがでしたか?

石川 撮影期間は本当に短かったので、内面的に演者側と深く関わった訳ではありませんが、撮影を通して感じた彼らの印象は“とにかく明るい”。その上、元気いっぱいで(笑)。

僕なんかはそんなに明るくも元気でもない少年だったから、“こんな子たち本当にいるんだな~”って思いました。本当に仲良しなんですよ。




ただし、彼らは実生活ではアイドルとして活動しているわけですから、お互いにライバルでもあるだろうし、目に見えない、いろんなものを抱えて生きているんだと思います。でも、そういう部分はそれぞれ全く感じさせずに普通の友達同士として仲良くできているのがすごくいいなって思いました。

関西ジャニーズJr.としては室君が一番年長だったんですけど、一番いじられてましたね(笑)。そういうのも面白かったです。

ー 現場でのムードメーカーは誰が担っていたのでしょうか?

石川 向井君は僕らの目が届かないようなところにも気を配っていて。常にみんなを笑わせてくれるムードメーカーでしたね。ただ、いじられて笑いを取るっていう意味では、室君もムードメーカーだったのかな(笑)。

ー 優輔と稲毛の年少時代を演じた、道枝駿佑君と長尾謙杜君はいかがでしたか?

石川 2人ともお芝居のお仕事が初めてだったんですよ。なので、緊張しているだろうと思ってたんですが、道枝君はいい意味で緊張感がなかったですね。僕の話も素直に「ハイ!」って聞いてるんだけど、次の瞬間にはもう別のことを考えてるみたいで(笑)。度胸があるんですよ。

で、それを「ちゃんと監督の話聞いてた?」って諌める長尾君はしっかり者で。自分もお芝居は初めてなのに、道枝君に「もう1回やってみよう」とうながしたりして、すごく真面目なんですよね。

ー なんだか、優輔と稲毛そのもののような2人ですね。

石川 今思うと、まさにそのとおりですね(笑)。お芝居の巧拙は抜きにして、道枝君は、優輔の抱える鬱屈したものを上手く表現できていたと思います。表情の出し方なんかがすごくよかったですね。

ー 本作は、映画の最後の最後まで楽しめるのが魅力のひとつ。ラストまで見逃せませんが、そのあたりは監督がアイディアを出されたのでしょうか?

石川 エンドロールは、ただ字が流れていくのではつまらないなと思って、何かおまけをつけたかったんです。でも、それを別撮りしている時間がなかったので、カチンコを使った演出になりました。どうしようかと考えている時に、何かの映画でやっていたのをふと思い出したんです。

どうせ毎日やっていることだから、演者さんにやってもらって、それを使っちゃおうと(笑)。一石二鳥を狙ったアイディアだったんですが、ご本人たちの素顔もちょっと見られるし、意外と面白かったですね。

ー 最後に、監督から本作のアピールをお願いいたします。

石川 人それぞれ違うものが対象だと思うんですが、青春時代って何かに対してがんばっていても、うまくいかないことってありますよね。

そういうときに、周りに仲間がいて、その相手ががんばっているところを見て刺激を受けるっていう経験、誰しも覚えがあるんじゃないかと思います。できればそんな仲間や、大事な相手と一緒に見ていただけると、何か感じるものがあったり、普段は言えなかったことが言えたりするんじゃないかと…。そうだったら嬉しいなと思っています!

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『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』は8月26日(土)全国ロードショーです。次世代を担う彼らの演技に是非注目をして下さい!

予告編はこちら
出演メンバーからのコメントはこちら

http://statan.jp/

石川勝己(いしかわ・かつみ)


(C)松竹
1968年生まれ、福岡県出身。松竹大船撮影所で助監督として、『釣りバカ日誌』シリーズ、『学校』シリーズに携わる。監督作品には、テレビドラマ『たべるダケ』(2013)、『釣りバカ日誌〜新入社員浜崎伝助〜』(2016〜17)などがある。


(取材・文:NI+KITA)

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