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2017年12月01日

不良たちは一生懸命生きてるバカな奴ら──『デメキン』原作者・佐田正樹インタビュー

不良たちは一生懸命生きてるバカな奴ら──『デメキン』原作者・佐田正樹インタビュー

12月2日(土)公開の映画『デメキン』から、シネマズ独占で原作者・佐田正樹のインタビューが到着した。




このニュースのポイント


・映画『デメキン』の原作者・佐田正樹のインタビューがシネマズに到着
・映画『デメキン』は12月2日(土)公開

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──自伝出版、コミック化から、映画化ときました。

佐田正樹(以下、佐田):ここまでになるとはマジで思いませんでしたね。高校生のときに相方が絵が上手くて、俺の話、漫画にしてよ、なんて言ってたことはありますけど。

あと、小説を書く前に、昔、コミックヨシモトというのがあって、それで漫画にしてもらおうと思って話をまとめていた時期があったんです。それがダメになったタイミングでちょうど小説の話があって、話もまとめていたし書いてみようと。それが上手い具合に漫画になって、そこからですよね。

でも映画になるとは思ってませんでしたね。だって天井じゃないですか。何人います? 自分の話が映画になった人って。

──すごいことですよね。

佐田:すごいことですよ。ビックリしてます。ちょっと前にオヤジから「電話できるときに電話して」ってLINEがきたんですけど、どうせ金だなと思ってたら、「現場で若い子から、映画になるって聞いた。おめでとう」って言われて。「それだけ?」 って聞いたら、それだけだと。




「うわ、金とかって思ってた自分シメてえ」とか思いましたね。まだ映画公開前なんで、友だちとかも実感沸いてませんが、だんだん取材を受けたり予告編が流れたり、試写会をやっていったりすると、徐々に本当に映画になるんだっていう実感が沸いてくるでしょうね。自分も緊張してます。

──映画化でさらに新たな反響が起きますね。

佐田:そうですね。健太郎が主演ということで、10代からの反響が増えたらうれしいですね。僕の知名度も上がるし。

──映画化の際に、ここは絶対に大切にしてくださいとお願いしたことはなんでしょうか。

佐田:最初に話を聞いたときは、なんか決まった状態で僕のところに来たんですよ。監督は誰で、スケジュールはどうでとか。「え、どういうこと? それって原作者が最初に聞くことなんじゃないの?」ってなったんです。どうやら会社が話を進めてたみたいで。




僕としては順序をちゃんとしたいから。だから最初に聞いたときは断ったんです。でも説得されて。じゃあ、いろいろ携わらせてくださいと。

だから最初の打ち合わせから参加させていただいて、オーディションにも行ったし、現場にも行ったし、いろいろと融通を効かせてもらいました。編集も付き合いましたし、監督とふたりで曲も聴かせてもらいました。

──健太郎さんが主演というのはいかがでしたか?




佐田:最初に会ったときは、あれ、子どもやなって思ったんです。でも、リハーサルでセリフを読んでいる姿とか見ていて、「あぁ、すごいな」って思いだして。それまで僕は健太郎のことを知らなかったので、見ているうちに、健太郎でよかったと思いましたね。

──キャストに関してはオーディションにも参加されたとか。

佐田:この映画は全部が熱いので、とにかく熱いヤツを選びました。あとは、まーかつ(髙橋里恩)は顔が似てるし、藤木(修)くんは独特の雰囲気がある。




──大沼部くんは原作でも強烈なキャラクターですが、映画で観て満足でしたか?

佐田:満足でしたね。異彩を放っているというか。髪型もちゃんとやってくれましたしね。

──清人さんはご覧になりました?




佐田:まだです。家族で映画館に行くって言ってましたね。僕も映画館へも行くと思いますよ。試写会でうれしかったのは、ここは笑うだろうってところで笑ってもらったり、ここで笑うんだとか、そういう反応を感じられることですね。

──憧れの総長・真木さんが映画で動いている姿を見たりするのは、いかがでしたか?

佐田:不思議な感覚ですよね。正樹って呼ばれてるのが健太郎だったりね。変な感じはしますけど。厚成とかと一緒に観るとこっぱずかしいでしょうね。




──映画ならではのラーメン屋さんの設定なんかはいかがでしたか?

佐田:実際にはラーメン屋ってなかったんですけど、そこは映画のたまり場としてね。あそこが憩いの場になって、みんなで決め事をしていったり、葛藤していったり。野生爆弾のくっきーさんも来てくれたりして。

あと、正樹が葛藤しているときに、厚成が「今がそのときやろが!」っていうくだりも、ラーメン屋のシーンだったりするので、ああいうところは好きですね。

デメキン 野性爆弾 くっきー 健太郎



──リハーサルでは方言指導をされたとか。

佐田:演者さんが聞いてきてくれたんでね。こういうときはどんな語尾なんですかとか。録音していいですかって子もいたし。

あと、福山(翔大)くんっていう、僕と同じ高校の子がいたんです。その子は博多弁を分かっている子がほしくて入れたんですけど、俺が現場に居られないときは、ちゃんとチェックしてくれと頼みました。みんな上手でしたよ。




──改めて完成版への感想は?

佐田:音が入っていない状態でも観ていましたが、完成したものを観て、すごくテンポよく進んで、あっという間に終わる感じがしましたね。観やすかったですし、おもしろかったです。

──どういうところが観客に響いたらいいと思いますか?

佐田:不良イコール怖いというイメージを持っている人に、実はこういう思いで戦っているんだ、というのを感じて欲しいかな。怖くないし。一生懸命生きてるバカな奴らだと認識してくれたらうれしいですけどね。




あと女子には男ってこうだよと。アキが「ほんと男って…」って言うシーンがあるんですけど、男ってそうよ。仲間のためなら命も捨てられるんだよ、と伝えたいです。

──当時の思いが改めて思い出されました?

佐田:今の年齢になって、なんか変わったんかなって考えたんですけど、でも何も変わってないですね。当時のまま生きてるし。僕はいま芸人でこうしてますけど、でもほかの仕事をしてようと、どこの世界に行っても、僕は僕で。慕われるのが気持ちいいし、やっぱり総長気質なのかなと思います。

──好きなシーンを教えてください。




佐田:集会のところとか。一般の人は見たことがないでしょうから。どうやって総長ってなるの?って思うでしょうけど、ああやって大八くんが1個ずつ発表していって。あれがリアルですね。好きなシーンです。現場では当時のことがフラッシュバックしましたよ。

──公開に向けて、今思われていることは?

1日も早く観てもらいたいです。いろんな意見を聞きたい。とにかくみなさんの感想を聞きたいです。これは作品ですから。みんなで作ったものなので、それをどう受け取っていただけるのか、楽しみです。




(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ
(C)2017 映画『デメキン』製作委員会

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