映画コラム

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2018年02月09日

『マンハント』のハ・ジウォン主演!コリアン・ホラーの怪作『友引忌』!

『マンハント』のハ・ジウォン主演!コリアン・ホラーの怪作『友引忌』!



(C)2000 TUBE ENTERTAINMENT会



美貌と実力を兼ね備えた韓国を代表する女優ハ・ジウォン。
2月10日からは西村寿行原作『君よ憤怒の河を渉れ』の二度目の映画化となるジョン・ウー監督の最新作『マンハント』が公開されますが、その中で彼女は原作にはないオリジナル・キャラクターの殺し屋を激しいアクションもかねて大熱演しています。

さて、今回ご紹介するのは、そんなハ・ジウォンが主演したホラー映画『友引忌』です。

この邦題からして、日本人はぞっとすること請け合い。

ちなみに友引とは、もともと陰陽道で凶禍が友人に及ぶとされる方角(友引方)のことですが、一方暦注(暦に記載されている日時方角の吉凶禍福に関する事項)の六曜(先勝・友引・先負・仏滅・対案・赤口)の中で、何をやっても勝負がつかない日(友引日)のことを指し、朝晩は吉ですが昼は凶となります。

そしていつからか、“友を引く”からといった言葉の意味合いから、人々は友引日に葬式を出すと「他人の死を誘う」と、それを忌むようになりました……。

では映画『友引忌』とは一体どのような内容なのか、レビューしていきましょう!

2年前に自殺した仲間の霊が
突然仲間の前に現れ……


ある日、大学院生ヘジン(キム・ギュリ)のもとに、大学時代のサークル仲間でアメリカに留学していたソネ(チェ・ジョンユン)が2年ぶりに突然訪ねてきました。

何かにおびえているようなソネは、やがて学生時代に投身自殺したギョンア(ハ・ジウォン)に付きまとわれていると口にします……。

2年前、ヘジンやソネ、ヒョンジュン(ユ・ジテ)ら6人の男女で結成したサークル“A FEW GOOD MEN”に、新入生のウンジュが入ってきました。

清楚で可憐なウンジュの存在により、サークル内の人間関係が少しずつギクシャクし始めていく中、サークル内で不可解な出来事が頻繁に起きるようになります。

やがてソネは、ウンジュが人々に災いを降り注ぐ呪われた伝説の少女ギョンアであることを突き止めます。

そしてパーティの夜、ギョンアは自殺しました……。

ヘジンはソネの訴えに耳を貸そうとしませんが、やがてかつてのサークル仲間が次々と不可解かつむごたらしい死を遂げるようになり……。

ここでは自殺した女の呪いをモチーフに、さまざまな地獄絵図がイリュージョンのように繰り広げられていきます。

まるで友引日のように、次々と死んでいく友人たち。

これ以上のストーリーを記すとネタバレになるので避けますが、ブルートーンの映像美は冷ややかな恐怖を巧みに醸し出しており、アーティスティックな情緒すら感じさせるものがあります。

監督はこれが長編映画デビュー作となったアン・ビョンギ。

この作品が高く評価された彼は、続いてケータイ電話がもたらす恐怖を描いた『ボイス』(03)をハ・ジウォン主演で撮り、世界的に大ヒットし(日本ではこちらの方が先に公開されました)、コリアン・ホラー映画キングの地位を獲得するに至りました。


ホラー・クィーンとしての
ハ・ジウォンの美と貫録


さて、主演のハ・ジウォンは1997年に芸能界デビューを飾り、ファンタジー映画『リメンバー・ミー』などで注目された後、本作や『ボイス』でホラー・クイーンとしてその名を高めますが、その域に留まることなくラブコメ『恋する神父』(04)や武侠アクション『デュエリスト』(05)、パニック映画『TSUNAMI』(09)などジャンルを問わず旺盛に出演作品を重ね、韓国映画界を代表するトップスターの座を獲得。歌手としても活動しています。

『友引忌』はそんなハ・ジウォンを語る上での初期代表作として外せないものがあるでしょう。

はかなさが暗い憂いを湛え、やがては恐怖の主として降臨し、闇の魅力を凍れるほどの開花させていきます。

こうした彼女の存在感が功を奏して、やがて衝撃のラストをもたらすわけですが、これ以上はもう言わぬが花。

(というわけで、実は友引そのものと本作は関係ありません!? ただし、友を引くように次々と人が殺されていくという意味で、上手い邦題だと思います)

存分に恐怖の美を堪能していただければと思います。

それにしても日本はもとより韓国、香港、タイ、インドネシアなどなどアジア各国のホラー映画はその国独自の闇を巧まずして醸し出していることに驚きすら感じます。

韓国映画の場合、どのジャンルにも“恨”(ハン/単にウラミという意味ではなく、なかなか思うようにならない人生の恨みつらみや哀しみなどを嘆き憂う朝鮮半島独自の思想)が垣間見えますが、ホラーの場合それが如実に表れているような感もあります。

当然、本作もそれが濃厚ですので、ぜひ確認してみてください。

[この映画を見れる動画配信サイトはこちら!](2018年2月9日現在配信中)
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(文:増當竜也)


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