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必ずもう一度観たくなる『The Witch/魔女』は韓国版“カメ止め”!? 興奮度MAXで度肝を抜かれた話


練りに練られた構成でまさかの韓国版“カメ止め”?



アクションばかりを推し続けてきたが、肝心のストーリーとしてはどうか。あらすじだけを追えば秘めたる能力覚醒モノとしては普遍的なテーマと言えるだろう。また前述のように前半パートはジャユンが“普通の女の子”として描かれるので、「最強少女」という言葉に期待感を込めて活躍の場面を待っていると正直肩透かしを食らうかもしれない(ジャユンが覚醒する中盤までアクションらしいアクションがない)。そんな状況を経てジャユンがいきなり武装チームを一瞬で壊滅するわけだから高揚感が大きいのだが、実は脚本の妙は既にこの前半パートから現れている。彼女が中盤で覚醒するのが作品の転換点のように思えるのだが、作品に巧妙に仕込まれた伏線は前半でこそ静かに息づいており、後半で初めて“それ”が明かされたとき、観客は本当の意味で驚愕するはずだ。

残念ながら本作の魅力(ジャユンという存在そのもの)を語る上でその伏線を明かしてしまうのはあまりに無粋なことなので触れることはできないが、その衝撃はジャユンに対して“恐ろしさ”を感じるほどだ。この伏線回収が見事なあまり、本作はもう一度見返したくなるような作品に仕上がっており、言ってみれば作品の構造としては大ブームを巻き起こした『カメラを止めるな!』と通じる部分がある(もちろん内容は全く違うのだが)。一見すると意味を持たないような前半の風景が、種明かしと同時に色づく様はこちらの予想を覆されればされるほど感動が大きい。伏線を撒いておき収穫の時期がくれば的確な方法で摘み取る。特に本作は“それ”が明らかになる瞬間がはっきりしているので、脚本も担当したパク・フンジョン監督の「してやったり」顔を想像するだけでも悔しいくらいだ。

こうして丹念に練り込まれた脚本のおかげで、鑑賞後に作品にケチをつけようにも自ずとその芽はひょいと潰されてしまう。例えばジャユンがオーディションに出演して手品を披露するなど、自ら目立つことになってしまった行為すら実は後々になって意味がもたらされる。言い換えれば物語がなかなか動きださないとヤキモキする前半も含めて無駄なシーンがなく、全てがパク・フンジョン監督の掌で完璧なまでにコントロールされていたといえる。



(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved



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