傑作ラブコメ『アイ・フィール・プリティ!』は、渡辺直美の吹替版が断然オススメ!



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2017年3月に公開されたラブコメ映画『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』が、日本でも多くの女性の間で評判となった人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー。彼女が主演する待望の新作映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』が、12月28日からついに劇場公開された。

ちょっと太めな体型が邪魔して、どうしても自分に自信が持てない女性が、突然ポジティブに生まれ変わるというストーリーには、もはや面白そうな予感しかしない本作。

果たしてその内容と出来は、どんなものだったのか?

ストーリー


レネー・ベネット(エイミー・シューマー)は、ぽっちゃりでサエない容姿を気にして、自分に自信が持てない。高級コスメ会社、リリー・ルクレアのオンライン部門に勤めているが、美しい社員たちが勤める華やかな本社勤務ではなく、チャイナタウンの地下の小部屋においやられ、サエない毎日を送っていた。
ある日、レネーは一念発起し、痩せるためにジムに通い始める。しかし、トレーニング中にバイクから転落! その勢いで頭を強打し、失神してしまう。目が覚めたとき、レネーは自分の異変に気づく。なんと絶世の美女に変身していたのだ。しかし、それはレネーの思い込みであり、実際は何一つ変わっていなかった――。(公式サイトより)


吹替版予告編
https://www.youtube.com/watch?time_continue=13&v=QH6LpfTIm9M

観客の意表を突く設定と展開が面白い!



それまでの自分の生き方を変えようと、一大決心で入会したスポーツジムでの思いがけないアクシデントにより、自分の姿が痩せた美女に見えるようになった、ヒロインのレネー。

こうして、初めて自分に自信が持てる様になった彼女は、それまでの消極的な思考や行動を180度変えて、恋にも仕事にも積極的に行動する様になっていくのだが…。

もちろん、美女に見えているのはあくまでも本人だけなので、太めな外見のままのレネーが自信満々で男をあしらう様子が、観客の笑いを呼ぶことになる本作。

確かに面白すぎる設定だが、この突飛な設定と展開にどうやって真実味を持たせ、観客に信じ込ませるか? この部分が非常に難しいのも事実。

実は映画の中では、そのために巧妙な仕掛けが施されているのだ。



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まず登場するのが、レネーが嵐の夜に部屋で映画『ビッグ』を観て、一か八かの神頼みで噴水にコインを投げてお祈りしてみるが、当然何も状況は変わらないという描写。

ここでは後の展開を暗示しながら、同時に他人頼みでは夢は叶わないということが示唆されており、単純に彼女の容姿が望みどおりの別人に代わって願いが叶うのではなく、自分の意識や認識を変えることが重要だと、観客に教えてくれるのだ。

このシーンに続いて、ジムのインストラクターによる強烈な暗示と、バイクから落ちて頭を強打したことで、遂に自分が魅力的に見えてしまう様になるのだが、既にその前段階で、神にもすがりたいほどのレネーの焦燥感と強い願望が描かれているので、観客の側も思わずこの変身に納得出来てしまうというわけだ。

もちろんそれまでにも、映画冒頭で描かれるジム受付での差別的エピソードや、出会い系サイトに写真をアップする際の試行錯誤など、レネーがいかに自分の容姿で差別され傷ついてきたかが、十分に語られてきているので、観客もレネーの現状や心情に共感しやすくなり、この突拍子もない変化を喜ぶべきものとして、受け入れやすくなるのだ。



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レネーの本来の長所である気配りや庶民的感覚が、それまで彼女とは無縁の存在だった人々との絆を結び、やはり周囲との違和感を覚えていた彼らに自信と解放を与える様子は、きっと多くの女性観客にも勇気を与えてくれるに違いない。

自分自身を好きになることで自信が生まれ、人生がここまで変わる!

貴女もこの映画で、そんな人生の奇跡に触れてみては?

観るならやっぱり、渡辺直美の吹替版がオススメ!



今回、字幕版と同時公開中の日本語吹替版で、レネーの声を担当したのが、あの渡辺直美。正に適役! としか言いようのない絶妙なキャスティングだが、実際に映画を観てもこれが想像以上に違和感なくハマっていて驚かされる。

特に、序盤の自信なさそうなレネーの様子から、美女に変身したと思い込んで、自信満々に振る舞う彼女とのギャップの見事な表現は、正に渡辺直美のキャラクターがあればこそ!

加えて、本作中盤の見所であるビキニコンテストでの見事なパフォーマンスも、渡辺直美のビヨンセのモノマネと完全に重なるなど、字幕版では味わえない魅力が満載の、この日本語吹替版。

細かいギャグや人名などの小ネタもより分かりやすく、後述するミシェル・ウィリアムズの独特の声も、この吹替版ではかなり忠実に再現されているので、字幕と吹替どちらを観るかで迷った時は、是非吹替版で観ることをオススメします!

実は脇役のミシェル・ウィリアムズが、予想外にスゴかった!



強烈な自己暗示のためとはいえ、初デート中に自分からビキニコンテストに参加するなど、あまりに自信満々でパワフルな行動を見せる、主人公のレネー。

だが、本作の要所で大いに笑わせる彼女に、決して負けていないのが、あのミシェル・ウィリアムズ演じるエイヴリーの強烈なキャラクターだ。



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まるでマイケル・ジャクソンの様な喋り方や、絶対に相手から視線を外さなかったり、妙に近過ぎる他人との距離感など、『ヴェノム』の時とはまるで違うこの奇妙なキャラクターを、本人も心から楽しんで演じている様に見えるのが凄い!

弁護士で大企業のCEOという一流セレブでありながら、奇妙な声のせいで受ける世間からの偏見に悩むという複雑なキャラクターは、やはり彼女の演技力無しには成立しなかったに違いない。

演技派女優が見せる、見事なコメディ演技の数々は、必見です!

恋愛が上手くいかない理由、その原因は自分にあった!



周囲の女性と自分を比べて消極的になったり、逆に彼女たちの様になろうと努力する、レネーの悪戦苦闘ぶりが、主に映画の序盤では描かれることになる。

だが、その恵まれた容姿や社会的地位から、きっと完璧な人生を送っていると思われている人々でさえ、その内面では様々な迷いや悩み、そして不安を抱えていることも、本作ではちゃんと描かれているのだ。

そんな人々の前に現れた、レネーの自信満々で迷いの無い態度が、迷いと恐れを抱えている彼らにとって魅力的に見えるのも、当然と言えば当然かもしれない。



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自分が美人であれば、人生がもっと開けたかも、と語るレネーは、その美人にも様々な悩みがあることに気が付いていない。

実はレネーが男性や仕事に対して消極的なのは、自分自身のことが好きになれないから。そう、こんな太めの体型の自分を好きになってくれる男性がいるわけがない、そう思いこんでいるからなのだ。

例えば、蛇が大嫌いな人が、蛇を大好きな人に対して好意を持つだろうか?

そう、自分が嫌いな物を好きな人に対して、人は好意を持てないのだ。

多くの男女が恋愛で陥りがちな、この負のループを抜け出すには、まず自分が自分自身を肯定して好きになるしかない、そう我々に教えてくれる本作。

自分が自分自身を受け入れて肯定してあげれば、それだけで他人からはその人が幸せそうに見える。更に、自信に溢れて幸せそうな人の所には、自然と良い人々が集まってくるもの。

本作のヒロイン、レネーの人生が次第に良い方向へと変わっていくのも、全てはダイエットやメイクや服装などの外的変化のためではなく、自身の意識の変化という内面的な部分が、周囲に良い影響を及ぼしたからに他ならない。



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実際、レネーと付き合うことになるイーサンも、男性的過ぎる職場の同僚になじめなかったり、ズンバが趣味の自分を一般的な男性と比べて、どこか恥ずかしい存在と思っていたりする。

そんな彼が、レネーの魅力を認めて彼女に対して言うセリフ、「僕は君になりたいよ」。

これこそが女性に対して男性が贈る最高の賛辞であり、心からの愛の告白だと言えるのではないだろうか。

このように、苦しい運動や辛いダイエットと違って、今すぐにでも始められて確実にすぐ効果が出る恋愛必勝法を教えてくれる本作。その効果のほどは、是非劇場で!

最後に



多くの女性の共感を呼ぶラブコメ作品でありながら、実は男性の自分が観ても、今回非常に参考になる部分が多かった本作。

中でも特に心に残ったのが、レネーが飛び入り参加する「ビキニコンテスト」の主催者であるオヤジがイーサンに言った、あるセリフだった。



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自分が絶世の美女に変身したと思い込み、彼氏との初デートにも関わらず、自信満々でビキニ姿やきわどいパフォーマンスを、ビキニコンテストで披露したレネー。

当初は彼女を場違いな存在として冷やかに見ていた会場の観客も、最終的に彼女の自信溢れる態度と明るさに大喝采を送ることに!

だが、多くの観客の人気を集めながら、惜しくも優勝を逃したレネーを待つイーサンに対して、彼女の魅力に気付いていた主催者のオヤジが放ったのが、次の様なセリフ。

「彼女は最高だ! 確かにコンテストは美人が優勝したが、夜の山道に二人きりで車がパンクした時、一緒にいて欲しいのは彼女の様な女だ。彼女を大事にしろ。」

世間や周りの人々の評価を気にして女性を選ぶのではなく、何故この女性が好きなのか? 自分にとってどういう存在が本当のパートナーなのか?

全男性にとって非常に重要なこの問題に対しての答えを、実に分かりやすく、しかも具体的に解説してくれたこのセリフに、思わず目からウロコの気持ちになった男性観客も、きっと多かったはず!

「人間は外見でなくて中身!」という建前ではなく、誰にでも分かりやすい言葉で例えた名セリフが光る、今回の脚本と監督を担当したのは、実は、マーク・シルヴァースタインとアビー・コーンという、男女ペアの名コンビ。

こうして、男女両方の立場から見たバランスの良さに、表情と態度の微妙な変化で、太め体型でも見事に美人に見せる、エイミー・シューマーの演技力が加わって誕生したのが、この傑作ラブコメ映画『アイ・フィール・プリティ!』なのだ。

実際ネットのレビューにも、年明け一発目の鑑賞にこれを選んで正解だった、との書き込みが多く見られるほど。

きっと鑑賞後には、男性観客の女性に対する認識が180度変わることは確実な本作。全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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