映画コラム
『スノー・ロワイヤル』が“黒い笑い”に溢れている「8つ」の理由!
『スノー・ロワイヤル』が“黒い笑い”に溢れている「8つ」の理由!
(C)2019 STUDIOCANAL SAS ALL RIGHTS RESERVED.
来たる6月7日、映画『スノー・ロワイヤル』が公開されます。初めに結論を申し上げておきますと、本作は“黒い笑い(ブラックユーモア)”が好きな人に絶対に観てほしい、硬派な見た目に反してジャンルはコメディと言っても過言ではない、超・面白い映画でした! ネタバレのない範囲で、その魅力をたっぷりと以下にお伝えいたします。
1:勘違いが多発!
物語そのものが「あれ?これギャグじゃね?」と思わせる!
本作は公式サイトやフライヤーに載っている文言で内容を端的かつ完璧に表現しきっています。「模範市民賞を受賞するほどマジメで静かな男は息子を殺され、ありえないほどキレた」、「壮絶な、全く“かみ合わない”戦いが始まる」と。そういう内容を期待して観に行けば、もう大満足できることは間違いなし。予備知識はそれだけでも十分です!
あらすじを紹介すると、「主人公は模範市民賞を受賞するほどにマジメな除雪作業員だったが、ある日一人息子が麻薬組織に殺されてしまったため復讐を開始する」というもの。これだけだと「ああ洋画によくある“復讐もの”ね」と思われるかもしれませんが、この『スノー・ロワイヤル』はそんな単純な内容にはなっていきません。主人公の復讐相手の麻薬組織は、とある勘違いのせいで敵対している別の麻薬組織と戦わざるを得ない状況になってしまい、しかも殺人が横行していることを知った警察がテンション高めに捜査に乗り出すという“四つ巴”のバトルが勃発するのですから!
“勘違いがさらに勘違いを生んでさらにヒドいことになっていく”というカオスな状況こそ、本作が黒いな笑いを誘う理由の筆頭です。当初は最愛の息子を失うという同情すべきシリアスな展開なはずだったのに、途中から「あれ?こいつらバカじゃね?」と思わざるを得ない滑稽さがジワジワと出てきて、それは最終的に報復絶倒レベルのとんでもない事態にも発展していくのです。そういう意地の悪〜い話が好きだという方にとって、『スノー・ロワイヤル』は大ハマりする作品になることでしょう。
2:人が死ぬ度に名前が出る!
邦題が最高にハマっている理由はこれだ!
本作の原題は『Cold Pursuit(冷たい追撃)』。邦題が『スノー・ロワイヤル』と変更されたことにはやや賛否があるかもしれませんが、実際に観てみると内容を端的かつ正確に表現しきった、最高のタイトルであったと断言します!
その理由の1つは、前述の「勘違いがさらなる勘違いを生んでいつしか四つ巴の戦いが勃発」というカオスな物語が、プロレスにおけるバトルロイヤル(自分または自分を含むチーム以外はみんな敵という状況で最後まで生き残った個人またはチームが勝者となる)の試合形式そのものだから。次から次へと誰かが脱落していくという状況こそがエンターテインメントになっているのです。そして舞台は雪に覆われている寒々しい田舎町、まさにスノー・ロワイヤルではないですか!
さらに、日本の小説および映画『バトル・ロワイアル』のことも意識して邦題がつけられているのはほぼ間違いないでしょう。なぜなら、劇中では“人が死ぬ度にテロップで名前が出る”から。例えば、主人公が復讐相手に猟銃をぶっ放した途端に画面が暗転し、十字架(←これじゃない時もあることにも注目!)とともにキャラ名が大きく表示されて“追悼”されるのです。これは、『バトル・ロワイアル』で生徒が死んだ時の「出席番号◯◯ ××××(名前)」の表示も彷彿とさせるではないですか!
そして、その“人が死ぬとテロップで名前が出る”ということさえも黒い笑いに繋がっていきます。詳しく書くとネタバレになるのでフワッと表現しますが、この演出を繰り返して「ああ、いま人が死んだな」という先入観を観客に“刷り込ませておいた”ことが実を結び、とある“外し”をすることでブフォッと吹き出すしかない笑いを生み出しているのです。
なお、「人が死ぬのに笑いが起こる」と書くと、人気ホラー映画シリーズの『ファイナル・デスティネーション』のような“ピタゴラスイッチみたいになってから人がグチャッとグロく死ぬ”ような内容を連想しそうなところですが(それはそれで大好きです)、この『スノー・ロワイヤル』は露悪趣味的なところはほとんどなく、画作りおよび各演出が格調高く仕上がっており、“B級”な印象を抱かせないというところも美点です(一方でPG12指定納得の“痛み”を感じさせる暴力描写からも逃げてはいません)。
まとめると、『スノー・ロワイヤル』は“人が死んだから”そのものではなく、“そこまでの経緯が滑稽だから”および“演出が巧み”であるからこそ笑えるのです。短絡的なギャグに逃げることなく、綿密に物語が計算がし尽くされているからこその、“知的なコメディ”になっていると言ってもいいでしょう。
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3:除雪機を利用した攻撃方法が斬新だった!
本作ではダース単位で次々にスノーでロワイヤルな感じに人が死んでいくわけですが、主人公は除雪作業員ということもあって、除雪車も使って豪快に攻撃またはSATSUGAIを繰り返しています。なんと酷い職権乱用でしょうか(笑顔)! 具体的にどうやって除雪車を利用するのかはネタバレになるので書きませんが、「その手があったか!」とアイデアそのものにも感動&爆笑できるとだけお伝えしておきます。
また、主人公は除雪車ばかりを利用するわけでもありません。一般人である彼がどのようなところから“知識”を得て、どのように警察や妻の目をかいくぐって死体を見つからないように“処理”をするのか?というところにも注目して欲しいですね。
また、これまた詳しくは書けないのですが、主人公は“除雪車一筋”の男であり、基本的に“コミュニケーション下手”であることも、とあるホッコリとできる和やかなシーンにつながっていきます。殺伐とした状況の黒い笑いだけでなく、“キュートな笑い”も用意されていることも素敵です。
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4:キャラがみんなクセモノで濃厚!
そいつらが紙切れのように散っていく!
本作の主人公は前述した通り、「模範市民賞を受賞したすぐ後に息子を殺されてしまってキレて除雪車で次々にSATSUGAIを繰り返していく男」という濃いキャラなのですが、その他のキャラも天下一品かと思うくらいに濃厚でこってりとしています。こちらも公式サイトの文言が素晴らしいので、知らずに観て欲しいかなと思った部分は伏字にしつつ(知っても問題ないとは思います)引用しましょう。
<クセモノのキャラクターたち>
・健康志向の麻薬王
・学校でいじめられる麻薬王の息子
・モーテルの清掃員ナンパに命をかけるギャング
・見掛け倒しの金髪モヒカンチンピラ
・ド田舎での殺人事件に「事件キター!」とテンションあがる警官
・◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯殺し屋
・◯◯◯な中年マフィア幹部
・すぐ謝るギャング
・◯◯◯◯ために生まれてきたギャング
「さすがに盛ってるだろ!」と思われるかもしれませんが、これら全て誇張でも大げさでも何でもなく事実でしたからね。そんなめんつゆ5倍濃縮な彼らが紙切れかと思うレベルであっさりと(たまに盛大に)散っていくので、やはり悪趣味とは思いつつも笑えてしょうがなくなってくるのです。
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5:いつものリーアム・ニーソン映画じゃない!
その俳優としての魅力も全開だ!
ここまで書いていても、本作の最大の魅力をまだ挙げておりませんでした。それはあの超名優のリーアム・ニーソンが主演を務めているということです。え……?リーアム・ニーソンを知らない?そんな!『シンドラーのリスト』での主演や『スター・ウォーズ』シリーズのクワイ=ガン・ジン役でも有名じゃないですか!ええい!でも知らなくてもいいや!本作からでもいいから知って!絶対に大好きになるから!
リーアム・ニーソンの魅力はいくらでも語れるところですが、ある1点に絞ると「精神的な弱さを感じさせるため守ってあげたくなる」ことでしょうか。あの“下がり眉毛”はもちろん、普段の表情からどこか悲壮感を感じさせるため、「私(俺)が支えてあげなきゃ!」と母性本能をくすぐる何かがあり、怒ると怖い人には見えない……というか逆説的に“普段は怒らない人が本当に怒ると怖い”というキャラにハマりにハマるのがリーアム・ニーソンなのです。まさに今回の主人公に超適任じゃないですか! アーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンやスティーブン・セガールやドウェイン・ジョンソンのような「どっからどう見てもエクストリームに強い筋肉スター俳優」では絶対にこういう感情を抱くことはないんですよ!リーアム・ニーソンは俺が守りたいんですよ(大好きすぎて若干錯乱)!
そんなリーアム・ニーソンは、『96時間』という「娘を誘拐したやつら全員許さん!」というアクション映画で主演を務めてから、同様のド・シンプルな“ナメてた相手が実は殺人マシーンでした映画(映画ライターのギンティ小林さん命名)”で続々とそういう主人公を演じています。例えば『フライト・ゲーム』や『ラン・オールナイト』や『トレイン・ミッション』などなど……『96時間』に至っては続編が2本も作られてもいましたし、もはや“リーアム・ニーソン映画というジャンル”が確立されていると言っても過言ではなく、「正直リーアム・ニーソン映画は食傷気味かもな……」と思ってしまっている映画ファンもいるのではないでしょうか。
しかし、この『スノー・ロワイヤル』は今までのリーアム・ニーソン映画とは一味も二味も違う、マンネリズムを打破した内容であることを強く訴えておきたいです。 「復讐するだけかと思いきや勘違いのせいで四つ巴のバトルが勃発」という物語そのものが変化球気味ですし、(ネタバレになるので詳しくは書けないのですが)あるシーンで新たな魅力を見せるリーアム・ニーソンに萌え萌えにもなれますし、何よりここまで書いてきたような“笑える”内容が、リーアム・ニーソンというベテラン俳優が醸し出す“悲壮感”のおかげでむしろ際立ってくるんですよ! “史上最も切ないけど笑えるリーアム・ニーソン”を期待しても裏切られることはありませんよ!
本作の監督を務めたハンス・ペテル・モランドは、今までのリーアム・ニーソン映画との違いについて「子どもを助けに行く物語ではないこと。息子はすでに亡くなってしまっているから、もはや救い出すことはできない。この物語が描いていることは怒りと喪失だ」ともコメントしています。まさにその通り、かつてないほどに“やるせない感情”で行動するリーアム・ニーソンの姿は、彼のファンこそ必見ですよ。
※“ナメてた相手が実は殺人マシーンでした映画”の魅力は以下の記事でも語っています↓
□『イコライザー2』は超正統派の続編!ナメてた相手が実は殺人マシーンでした映画の魅力も語る!
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6:女性が聡明で男どもがアホ!
ボスキャラの狂いっぷりも最高だ!
本作で登場するキャラクターは前述した通り間抜けかつクセモノ揃いでこってり濃厚なのですが、ボスキャラとなる麻薬王のクズっぷりもスガスガしいものがあります。特に幼い息子に薦める“とある小説”や、強要する“毎日の食事の献立”は「狂ってるよ!」と誰もがツッコみたくなるものでした。『オリエント急行殺人事件』(2017年)に出演していたトム・ベイトマンのキレ演技も最高で、その言動はもちろん一挙一動に笑えてくるほどでした。
なお、ハンス・ペテル・モランド監督は(おバカさん揃いの男どもと対比するように)3人の女性キャラクターを意識的に“聡明”に仕立てたのだそうです。その意図は「彼女たちは男たちの行動から距離を置くことで事態をコントロールしようとしている。彼女たちは男たちに賢すぎるんだ」ということで、物語を冷静に考えるほどに「女性が聡明で男どもがアホだなあ」としみじみと実感できるようになっているのです。ある意味ではフェミニズムの精神があるとも言えますね。特に、麻薬王の元妻による“反撃”は爆笑ものですよ。
なお、その3人の聡明な女性キャラクターを演じるのは、『ジュラシック・パーク』のローラ・ダーン、『デイ・アフター・トゥモロー』のエミー・ロッサム、『トワイライト』シリーズのジュリア・ジョーンズと、これまた豪華。彼女たちがアホな男どもにどのようなキレ方をしていくかにも注目です。
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7:ネイティブ・アメリカンの歴史への言及もあったけど……?
劇中では、自らの土地を追われ苦渋を強いられたネイティブ・アメリカンの歴史への言及もあります。そのネイティブ・アメリカンの土地で彼らを侮辱するヤツらの姿が憎たらしく描かれており、問題そのものにはもちろん真摯に向き合っているのですが……その要素も“差別ギャグ”に生されていました。
具体的な展開の言及は避けておきますが、「あ〜!今の差別表現だ〜!この差別主義者〜!」な感じの、相手の言葉の揚げ足取りをして言いがかりをつけるというクッソムカつくことをしやがるのです。このやろう!この後にどうせスノーでロワイヤルな感じに死ぬからいいけど(笑顔)!
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8:笑いのツボは観る人それぞれで違う?
1つのジャンルに縛られない豊かさがあった!
ここまで「本作はコメディだよ!笑えるよ!」と強調してきましたが、もちろんそれだけではありません。アクション、クライムサスペンス、人間ドラマなど多数のジャンルがバランスよく溶け合っているため、観る人によっては作品から受ける印象もかなり異なってくるのではないでしょうか。
なお、ハンス・ペテル・モランド監督は本作の笑いの部分について「この映画の可笑しみは“これはコメディですよ!”と喧伝するのではなく、映画の内側から滲み出てくるものではなければならない。それは観客が自ら発見しなければならないことで、好きな時に笑ってくれれば良い」とコメントしています。まさにこの通りで、コメディ然としたおちゃらけで押し通すことは一切なく、キャラクターみんなが間抜けであっても基本的には“マジメでシリアス”であるからこそ、観客が物語にのめり込んで観るからこそ、ジワジワと笑える要素を自主的に見つけていける、“人それぞれで笑いのツボが違う”内容になっていると言っていいでしょう。
この記事の最初に“ジャンルはコメディと言っても過言ではない”と書きましたが、それも筆者個人の主観にすぎません。ハラハラドキドキできるアクションとして観るのもよし、暴力に溢れるクライムサスペンスとして観るのもよし、怒りと喪失感を主とした人間ドラマとして観るのもよし、そんな豊かな内容になっているのが、この『スノー・ロワイヤル』なのです。
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おまけその1:オリジナル版の『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』も観てみよう!
実は『スノー・ロワイヤル』はリメイク作です。オリジナルとなるのは2014年に公開されたノルウェー映画『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』で、しかもハンス・ペテル・モランド監督自らが“セリフリメイク”をしているのです。しかし、こっちもスゴい邦題だな!
筆者は『スノー・ロワイヤル』の後に『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』を観て観たのですが、大まかストーリーラインはほぼそのまま! 細かな設定の差異や追加シーン、アメリカのコロラド州のキーホーとノルウェーの地方都市という舞台の違いはあるものの、かなり忠実なリメイクになっていたのです。
個人的には演出や画作りも含め、リメイクされた『スノー・ロワイヤル』の方がよりキャッチーで親しみやすい内容になっていたと感じたので、先に『スノー・ロワイヤル』を観てから後追いで『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』も観て、違いを楽しんでみるのがオススメです。こちらでは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ニンフォマニアック』のステラン・スカルスガルドが主演を務めており、ベテラン俳優の“味の違い”を知ることができますよ。現在、Amazonプライムで見放題となっています。
おまけその2:オススメのスノーでロワイヤルな3つの映画はこれだ!
『スノー・ロワイヤル』の公開日は6月7日、実はリーアム・ニーソンの誕生も6月7日で、その日でリーアム・ニーソンは67歳となります。その数字にこだわった公開日にも配給会社の愛を感じます!最高じゃないか!
さてさて、『スノー・ロワイヤル』の公開日までまだまだ時間があるということで、同じく雪で覆われた舞台で死人が出まくってしまう、観ておくとさらに『スノー・ロワイヤル』を楽しめるかもしれない、オススメのスノーでロワイヤルな3つの映画を紹介します!
1.『ウィンド・リバー』
映画ファンを中心に高い評価を得た『ボーダーライン』の脚本家であるテイラー・シェリダンが監督を務めた作品です。『スノー・ロワイヤル』と共通しているのはネイティブ・アメリカンの真実、もっと言えば“アメリカの闇の歴史”に切り込んでいるということ。現在でも色濃く残る差別や偏見が、物語に強烈なまでに反映されているのです。恐ろしくも大迫力の銃撃シーンや、犯人探しのためのサスペンス、トリッキーかつ計算し尽くされた構成など、エンターテインメントとしても一級品の完成度でした。
2.『ファーゴ』
見た目はバリバリのクライムサスペンスに見えるかもしれませんが、『スノー・ロワイヤル』と同じく「あれ?これコメディじゃ?」と“ジワジワと可笑しみが見えてくる”内容でした。自動車販売員の男がチンピラに妻の狂言誘拐を依頼し、その妻の父親から大金をせしめようとしたものの、事態はあれよあれよと悪い方向に転がってしまう……という滑稽な物語は切なくもやはり笑ってしまいます。なお、『スノー・ロワイヤル』は実際に雑誌で「『ファーゴ』の切れ味とセンスあり!」や「タランティーノが『96時間』を撮ったらこうなる」などと評されています。クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドグス』が好きな人も、『スノー・ロワイヤル』はきっと気にいることでしょう。
3.『ミスミソウ』
こちらはホラーマンガを実写映画化した日本の作品です。内容は女子中学生がいじめっ子を次々に惨殺していくという強烈なもので、容赦のない残虐描写はR15+指定も大納得でした。劇中のキャラクターとの年齢差がほとんどない10代の若手俳優たちが全員この上のない名演を見せており、低予算であっても演出から脚本に至るまで全てに工夫に工夫が凝らされていて、原作と異なるラストには号泣どころか嗚咽ものの感動が訪れるという……!個人的には2019年のベスト1、いや生涯ベスト級の大傑作に仕上がっていました。そして、『スノー・ロワイヤル』と同様にちょっとだけクスッと笑えるユーモアがある他、除雪車が…(ネタバレになるので自粛!)…!
※『ミスミソウ』の解説記事はこちら↓
□『ミスミソウ』は『ちはやふる -結び-』と並ぶマンガ原作映画の大傑作!その6つの理由!
※こちらの記事でも『ミスミソウ』を紹介しています↓
□2018年マンガの実写映画化作品ベスト10!歴史に残る名作が続々誕生!
また、これらの作品は雪で覆われた舞台は“逃げ場のない”閉塞感があり、いずれもそのことが物語においても重要になっています。「スノーでロワイヤルなことには絶対になりたくない!」と心の底から思えること、相対的に幸せを感じられることも、これらの映画の魅力になっていますよ。
(文:ヒナタカ)
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