竹内結子が輝いている映画6選!
日本映画界を代表する女優のひとり竹内結子。
今年も5月17日から『コンフィデンスJP』が、31日からは『長いお別れ』が公開。11月22日公開予定の『決算!忠臣蔵』では大石りくを演じるなど、エネルギッシュな活躍を続けています。
©2019「コンフィデンスマンJP the movie」製作委員会
そこで今回は彼女が出演した映画の中からオススメをまとめてご紹介!
『天国の本屋~恋火』(04)
松久淳&田中渉の『天国の本屋』を原作に、篠原哲雄監督が手掛けたファンタジー。
片耳の聴覚を失ったピアニスト翔子がいる天国と、彼女の姪で花火の暴発事故で聴覚を失った香夏子のいる現世、双方を舞台に竹内結子が二役を演じ、奇跡のファンタジーを紡いでいきます。
この時期の竹内結子は『星に願いを。』(03)『黄泉がえり』(03)『いま、会いにゆきます』(04)と、日常に根差したファンタジー映画への出演が多いのですが、本作もそのキャリアの中に加えられる秀作です。
『春の雪』(05)
三島由紀夫の長編小説『豊饒の海』4部作の第1部『春の雪』を行定勲監督のメガホンで映画化。
大正初期を舞台に、侯爵のひとり息子(妻夫木聡)と伯爵のひとり娘(竹内結子)、幼馴染でお互い惹かれ合っていながらも想いを上手く伝えられないふたりの悲恋を描いていきます。静謐かつ非情な愛の行方を妻夫木&竹内が熱演。
オールド・ファンにはベテラン若尾文子の18年ぶりの映画出演も話題になりました(彼女は1960年の『からっ風野郎』で三島由紀夫と共演しています)。
この後、竹内結子は『ショコラの見た世界』(07)『クローズド・ノート』(07)と行定監督作品へ連続出演しています。
『サイドカーに犬』(07)
長嶋有の短編小説を原作に、根岸吉太郎監督が映画化。
キャリアウーマンの薫(ミムラ)が、1980年代の自分が幼かった時期に、家出した母と入れ違いに家にやってきた父の愛人ヨーコ(竹内結子)との思い出を回想していきます。
母とは正反対におおざっぱで気丈なヨーコは、当時小学4年生だった薫を子ども扱いせず、対等に接してくれるのですが……。
本作で竹内結子はキネマ旬報主演女優賞などその年の主演女優賞を多数受賞。
1996年にデビューしておよそ10年、本作をこれまでのキャリアの総決算とし、また新たなステップへと向かうことになっていくのでした。
『チーム・バチスタの栄光』(08)
医学界を舞台にし、第4回「このミステリーがすごい」大賞を受賞した現役医師・海堂尊の長編小説の映画化。
心臓移植の代替医療バチスタ手術を専門に行うチームが立て続けに手術をミスしたことから、神経内科学教師講師の田口と、厚生労働省の白鳥が内部調査を始めていきます。
映画化にあたっては田口を男性から女性に代え、これを竹内結子が演じたことで、白鳥を演じる阿部寛とのデコボココンビぶりがいっそう際立つことにもなりました。
このコンビで続編『ジェネラル・ルージュの凱旋』(09)も製作。またこの2作を演出した中村義洋監督と竹内結子は、この後も『ゴールデンスランバー』(10)『ポテチ』(12/エキストラ出演)『残穢―住んではいけない部屋―』(16)『殿、利息でござる』(16)『決算!忠臣蔵』(19)と、よきコンビネーションを保ち続けています。
『はやぶさ/HAYABUSA』(11)
月以外の天体からハジメテサンプルを採取し、2010年6月に地球へ帰還した日本の小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトに参加した人々を描いた群像劇。当時、本作を含む3本のはやぶさ映画が競作されたことでも話題になりましたが、これは20世紀フォックス製作版で、3本の中で最初に公開されました。
竹内の役柄は大学卒業後アルバイトから宇宙科学研究所(現JAXA 宇宙航空研究開発機構)のスタッフとして、はやぶさの行方を見守り続ける水沢恵で、複数の人物を基にした架空のキャラクターです。
一見オタクっぽい雰囲気の恵ではありますが、他の登場人物も負けず劣らずクセのある面々ばかりで、そういった人々の手によって偉業がなされたこともさりげなく強調されているあたりは、堤幸彦監督ならではの視点ともえいるでしょう。
いずれにしましても、竹内結子のキャリアの中ではちょっと珍しいタイプの作品とはいえそうです。
『クリーピー 偽りの隣人』(16)
TV&映画で大好評を博した刑事ドラマ『ストロベリーナイト』(13)などダークなサスペンスが似合う竹内結子ですが、黒沢清監督と初めてタッグを組んだ本作は、なかなか一筋縄ではいかないシュールなサスペンス映画です。
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の『クリーピー』を原作に、引っ越し先の謎の隣人(香川照之)に翻弄されながら、いつしか恐怖の淵へと追い込まれていく夫婦を西島秀俊と竹内結子が熱演。
淡々とした語り口から猟奇的な情緒を醸し出していく黒澤監督独自の演出に竹内結子も見事にはまりながら、尋常ならない世の不条理に取り込まれていくさまが圧巻です。
(文:増當竜也)
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